──小林さんから見た林監督はどんな印象の方ですか?
小林
物静かな方ですが、やりたいことに対してはとても熱い方。上がってくる映像はアクションもすごく激しくてかっこいいんです。静かなのは、たぶん頭の中で色々なことを熟考されているから。
──劇場版『牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-』でもアクションシーンはとても引き込まれて、目が離せませんでした。今回は、別のキャラクターを立てて新たな物語を描くのではなく、レオンたちのその後の物語を描いていますね。
小林
劇場版が決定した際にヘルマンを登場させることだけは決定していたんです。この作品を好きな方はやっぱりその後を見てみたいんじゃないかと話し合ってそうしたお話になっています。同時に、TVシリーズ最後のほうでヒメナのお腹にはヘルマンの子供がいたので、その子も見せよう、ということでロベルトも。鎧の系譜を下の世代が受け継いでいく、血で次に繋げていくさまを見て欲しいですね。
──劇場版ならではのポイントは?
小林
TVシリーズはレオンの成長物語。劇場版はレオンが成長後のカッコイイ姿を堪能できるところかなと。少し大人になっていますよ。アルフォンソは肩の荷が下りたのか以前よりやわらかくなって、レオンとのいいコンビ感も。
──私も映像を見ましたが、最後の最後まで、本当に目が離せませんでした。ラストはほっとしたと思ったら……。
小林
そこは林さんのアイデアですね。シナリオの段階だと「あっさりしてしまうかも」なんて不安もあったのですが、アクションシーンがたっぷりあったおかげで熱くなる展開になっています。林さんやスタッフのみなさんのおかげです。
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■ レオンは陰陽の陰、けれど心の内に秘める熱いものがある
──それぞれのキャラクターについて、小林さん目線の印象を教えてください。
小林
普通ならアルフォンソが主役でその相棒がレオンなのが王道なんですけど、主人公はレオン。陰陽でいうなら陰だけど、心の内に秘める熱いものがある。そのレオンが主役なのは面白いですよね。アルフォンソは「清く正しく」を地でいく青年で、コメディ部分を担えるかわいげがあるキャラクター。ヘルマンは私がよく出しがちというか、馴染みのあるタイプというか。ルパンや冴羽?もだけど、普段はおちゃらけてるけれど強い昭和のかっこいいちょいワル親父。賢雄さんの声がすごくのっていていいですよね。
──エマは女性キャラクターですが、あまり女性っぽさみたいなものがあまり出てこないですよね。女性だけど行動も考え方も男性にすんなり置き換えられる。
小林
色気があるけれどそれを売りにしない、本当に独立したキャラクターですね。お姉さんっぽさがありつつ、面倒見がいいわけではない。常に一匹狼。本来なら男性キャラクターとして登場させるところですが、男性だと嫌味っぽい一匹狼になってしまうので、女性にすることでバランスがとれるかなと思いました。エマは朴ろ美さんの声が本当に素敵です。バゼリアの姫・サラ役の小宮有紗ちゃんも、お姫さまでない部分のお芝居にびっくりしました。声だけ聞いていると有紗ちゃんだとわからないくらい。『特命戦隊ゴーバスターズ』からのお付き合いですが、今後がますます楽しみです。
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──特撮ドラマのスタートから現在まで、ファンに長きにわたって愛される牙狼シリーズ。その理由は何だと捉えていますか。
小林
ハリー・ポッターシリーズと似たようなもので、世界観とその世界におけるルールが完成されていて、世界観を好きな人はずっと追いかけてもらえる作品なのではと思っています。
──最後に、メッセージをお願いします。
小林
『牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-』はTVシリーズを見ていなかった方も存分に楽しんでもらえる作品です。劇場の大画面で観るとさらなる迫力。劇場で映像に酔いに来ていただければなと思います。後悔はさせないのでぜひ観にきてください。