世界のアニメーションを日本に!クラウドファンディングを成功させる“鉄則”とは? WAT 2016+MotionGallery @ TAAF2016レポ | アニメ!アニメ!

世界のアニメーションを日本に!クラウドファンディングを成功させる“鉄則”とは? WAT 2016+MotionGallery @ TAAF2016レポ

東京アニメアワードフェスティバル 2016が、東京・TOHOシネマズ日本橋で3月18日から3月21日まで開催された。国内外のアニメーション作品が一挙上映される。

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世界のアニメーションを日本に!クラウドファンディングを成功させる“鉄則”とは? WAT 2016+MotionGallery @ TAAF2016レポ
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東京アニメアワードフェスティバル 2016(TAFF 2016)が、東京・TOHOシネマズ日本橋で3月18日から3月21日まで開催された。アニメーション文化の振興と発展をを目的とした映画祭で、国内外の作品が一挙上映された。

3月19日には、5月より下北沢にて特集上映される「WAT 世界のアニメーションシアター」(WAT 2016)より一部が、招待作品として先行上映された。『ビトイーン・タイムズ』『ギーダ』『Otto -オット-』『ブラックテープ』の4本だ。
上映後のトークイベントでは、MotionGalleryの代表取締役・大高健志氏とWATを手がけるオフィスH(アッシュ)代表の伊藤裕美氏が登壇。クラウドファンディングを取り込んだ映画配給についてトークセッションを行った。

「世界のアニメーションシアター」は、日本では劇場で観られる機会の少ない海外ショートアニメーションにスポットを当てた特集企画。2000年にスタートして、これまで1万人以上の観客を動員した実績を持つ。
WAT 2016は約3年ぶりの企画登場となるが、今年は映像関係に特化したクラウドファンディングのMotionGalleryとタッグを組み配給を行うのが特徴だ。海外アニメーションの国内配給実現をクラウドファンディングを通じて呼びかける。資金集めに加えて、海外ショートアニメーションへの関心の喚起、配給環境を整えようと企画された。上映に先立った3月1日より募集開始している。

上映後のトークは、大高健志がまず、MotionGalleryのこれまでの活動内容を紹介した。MotionGalleryは、クラウドファンディング黎明期である2011年にスタートし、今年で5年目を迎える。これまでに6億円以上の応援金額を集め、数多くの作品を世に送り出してきた。
さらに近年のクラウドファンディングの盛り上がりが話題になった。そもそもクラウドファンディングは2009年にアメリカにて本格的にはじまり、歴史としてはまだ浅い。近年の盛り上がりについては、インターネットの発展の影響もあるが、むしろFacebookの登場などによりネットにおける「実名制」が普及したことが大きいという。

続いて伊藤氏より、今回集めた資金は、監督や制作者への上映料、字幕など日本語版の制作費、広告費にあてられると説明された。大高氏は、良質な作品でも知名度が低ければ配給・上映が難しい現状に言及。そのうえでクラウドファンディングはそうした作品を世に送り届けるために適したシステムだと話した。

またイベントでは、クラウドファンディングを成功させるための秘訣が伝授された。伊藤氏は今回のファンドに際し、大高氏からマニュアルを渡され、なかでも「身内から固める」ということが鉄則だったという。
大高氏は「『身内』というのは単に家族や知り合いという意味ではない」として、「プロジェクトを自分事として捉えている人を巻き込んでいくことが重要」だと解説。さらに“広く浅く”よりは“狭く深く”コミュニティを築いていったほうがいいとして、「なんとなく面白そう」という人たちだけだとプロジェクトの成功は難しいという。高いモチベーションの人たちと一緒になってプロジェクトをつくりあげていくことが重要だと話した。

クラウドファンディングのメリットについて、単に資金を収集できるだけではないという。大高氏によれば、制作者にとっては、ファンの顔が見えることに大きな意義があるという。伊藤氏も「つくり手は孤独に作業を行っていることが多いですから」と同意した。
3月1日よりはじまったがクラウドファンディングだが、「2週間経ってすごく手応えを感じた」と伊藤氏。目標金額は300,000円で、現時点では7割に迫っている。ここからまた違うフェーズに入るとして、次の層までファンドを広めていくことが重要だと大高氏。

この日の会場にはプロジェクトを応援する「コレクター」も駆けつけており、伊藤氏は引き続き応援をして欲しいと呼びかけていた。
《沖本茂義》
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