AA
2014年から2015年のタイミングでエルドランシリーズをBlu-ray BOXにした理由は、何かあるのですか。
轟
エルドランシリーズは以前、DVD-BOXがリリースされた際、かなりの人気のタイトルだった事は聞いていたのですが、この企画が立ち上がる少し前に行われた、サンライズさんの上映イベントの際、数多くのタイトルの中で『絶対無敵ライジンオー』という、このシリーズの第1作目の上映会のチケットが真っ先に売り切れたと言う事を木内さんに伺って、ならば、10年を経過してDVD-BOXリリース当時に購入できなかったファンに向けてアピールすることができれば、更なるビジネスチャンスが開けるのでは無いかと思ったのがきっかけですね。
AA
実際に関心を持たれているのはどういった方ですか。
轟
エルドランシリーズは、いま30代の前半から半ばぐらいの方々が子どもの頃に夢中になった作品です。なので、企画当初は当時おもちゃを買っていた子どもたちの世代がこのBlu-ray BOXのメインの購買層になるかと思っていました。
ところがBlu-ray BOXのリリース直前にイベントをやらせていただいたのですが、そのイベントの入場者の約6割ぐらいが当時から熱狂していた女性層だったんですよ。当時からシリーズには女性ファンが多かった印象があったのですが、そのユーザーがそのまま購買層でいてくれたのは正直驚きました。20数年経過してもいまだに作品を愛している方が大勢いてくれたのはありがたかったですね。

AA
そこまで愛される作品の魅力はどこにあるのでしょうか?
轟
小学生が頑張る姿。それは今、見ても共感できると思うんです。ピンチに陥った時に、みんなで団結しながら困難に立ち向かっていく姿が、特に共感を呼んだのではと思います。
木内
これはブックレットの取材でスタッフの皆さんから聞いたのですが、子供向けだからといって子供向けにせず真剣に取り組んでいる事が、長く愛されている事に繋がっているのではないでしょうかね。
AA
シリーズの特徴として、一般のロボットものに比べて主人公達の年齢が低いですね。
轟
当時、ガンダムやマクロスといったリアルロボット作品が増えている時期でもあったので、その反動もあったのだと思います。子どもたちに向けて玩具が売れるアニメをやっていこうと。故にターゲットになる未就学児のあこがれの対象である少し大人、すなわち小学校の4年生以上が主人公になっているんです。その結果、『ライジンオー』の玩具関係は販売成績が良かったと聞いていますし、それが『ガンバルガー』『ゴウザウラー』といった続編につながっています。
また、シリーズを通して監督されていた川瀬敏文さんからは、実は後に発表された『完全勝利ダイテイオー』とは違う幻の第4弾企画もあったと聞いています。なので、監督の中では『ゴウザウラー』はシリーズの集大成という気持ちがあったようですね。なので、この『ゴウザウラー』の本編の最後で6年生であるキャラクター達が卒業するんですが、それに合わせてゴウザウラーとエルドランは一緒に旅立ってしまうという展開になっています。先ほども木内さんが言われたように、当初はシリーズとして意図はしていなかったけれど、結果的には3作品の〆という位置づけになった訳ですね。
