映画に関連するプロジェクトでは、国内クラウドファンディング史上で過去最高の資金調達として話題を呼ぶ長編アニメ映画『この世界の片隅に』の支援募集の締め切りがいよいよ近づいている。募集終了まで残り6日間だ。(2015年5月23日現在)今回のクラウドファンディングは、当初よりおよそ3ヵ月が設定されている。プロジェクトはスタート時から大きな話題を呼び、多くの支援を集めた。開始から8日間で目標金額の2000万円を達成している。しかし『この世界の片隅に』を支援の輪は、その後も着実に広がっている。募集終了まで残り6日間となった5月23日には、14時30分段階で調達金額は2971万を超えた。これは当初の目標金額である2000万円の1.5倍、さらに3000万円の大台を超える勢いだ。クラウドファンディングはスタート当初と終了直前に参加者が大きく伸びる傾向がある。『この世界の片隅に』の記録もまだまだ伸びそうだ。今回のクラウドファンディングで注目されるのは、調達資金の大きさだけでない。作品の知名度が必ずしも高くないなかでの成功であることだ。原作は様々な受賞でも知られる こうの史代さん、監督もいくつもの作品で高い評価を受ける片渕須直さんではある。しかし第二次大戦中の日常を丁寧に描いた本作は、現在主流のキャラクターを中心としたアニメ映画ほど大きなヒットが当初から見込まれるわけでない。実際に企画期間が長くなったのは、プロジェクトの実現が難産であったためだ。それがクラウドファンディングを選んだ理由でもある。アニメ映画は実写映画以上に制作費が嵩むことで知られている。実際に今回のおよそ3000万円の資金では、映画全てを制作することは出来ない。それでもその金額は大きく、企画のスタートアップ、そして本格的な制作の一歩を進むためには十分な支援となるだろう。そして何よりも今回2700人をも超えるファンが、手のかかる手続きを踏んで支援を表明した事実は大きい。『この世界の片隅に』が、目に見える多くのファンを持つ企画であることを世に示せた。さらにクラウドファンディングを通じて『この世界の片隅に』のアニメ映画企画の存在を世の多くの人が知ったことも重要だ。これも次のステップにつながる。『この世界の片隅に』の成功は、クラウドファンディングの持つ特徴を理解し、支持者の力を結集したことにある。同時に国内のクラウドファンディングで、潜在的な支援者が何を求めているかも明らかにした。ひとつの作品にとどまらず、国内クラウドファンディングの今後の可能性を広げる点でも大きな意味を持ったプロジェクトと言っていいだろう。[数土直志]片渕須直監督による『この世界の片隅に』(原作:こうの史代)のアニメ映画化を応援(MAKUAKE)https://www.makuake.com/project/konosekai/[/アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.biz より転載記事]
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