舞台「戦国無双」関ヶ原の章 疾走感あふれる展開、飽きさせない新しい時代劇 | アニメ!アニメ!

舞台「戦国無双」関ヶ原の章 疾走感あふれる展開、飽きさせない新しい時代劇

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 ■ 舞台『戦国無双』関ヶ原の章、各武将たちの”生きる意義”を疾走感あふれる展開で飽きさせない、全く新しい時代劇

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(c)コーエーテクモゲームス All rights reserved. c舞台「戦国無双」製作委員会 All rights reserved
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連載第118回
高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義  
[取材・構成: 高浩美]

■ 結末がわかってる戦国時代「何をやっても物悲しくて儚い」

ゲーム「戦国無双」が初めて舞台化される。NHKの大河ドラマではもはや定番の”ネタ”。この「戦国無双」、2004年に発売され、ミリオンセラーとなっている。この2015年1月~3月にはアニメの放送もあり、多角的に展開している超人気コンテンツ、そして待望の舞台化。キャラクタービジュアルは先に公開されているが、そのクオリティの高さでさらに期待度が高まった。

この人気作品の脚本・演出を手掛けるのは吉谷光太郎。『人狼TLPT』や『AMNESIA』、超歌劇(ルビ:ウルトラミュージカル)『幕末Rock』『ハートの国のアリス』等の人気ゲームの舞台化を数多く手掛けている。
戦国時代に関しては「本当は生々しいんだと思います」と語る。常に生死をかけた状態にいる武将たち、いや家臣、足軽に至るまで明日のことはわからない状態。現代に生きる我々とは桁違いの厳しい状況にいたはず。わずかな文献でしか知り得ないが、そこが想像力をかきたてるところなのだろうか。
「今が平和、と言えませんが、戦国時代というものを捉えていくと、どうしても生き死にという生々しさはあると思うんです。でもポシティヴに捉えると”開発途上国”の中で”こうなっていくのだ”みたいな未来像を見据えながら”自分は(この中で)のしあがっていくんだ”っていう……夢であったり野望であったり、そして強い者や賢い者が上がっていく、ある意味、わかりやすい世界なんですよね」よく知られている織田信長しかり、豊臣秀吉しかり。例えば有名な司馬遼太郎の小説、そのタイトルもずばり『国盗り物語』。その他にも『関ヶ原』(司馬遼太郎)、『一夢庵風流記』(隆 慶一郎)等戦国時代を扱った小説は他にも存在する。
つまり、これだけ知られている”コンテンツ”、結末は誰もが知っている。「たとえプラスの話をしていても、何やっても物悲しくて儚い。先のことを考えると……散っていく様を(観客は)想像しながら観ていくのかな?そういう風に思っています」

■ 「家康や秀吉よりも家臣の者達がどう思っているのか……そこの生き様を作っていく方が今の時代に合っているかもしれない」

戦国時代に登場する武将は多士済々。ゲームのプレイヤーはもちろんのこと、歴史好きな人でも”この武将の生き様が好き”とか”この武将がかっこいい”というのはあるはず。
「普通は真田幸村とか石田三成とかを追いかけるじゃないですか……でも、脚本を書かせて頂くにあたって、この時代に生き抜いた……群像劇のイメージがありました。『戦国無双』に登場するキャラクターってすごく立っている。プレイヤーの皆さんからすると、みんなメインキャストなんですよ。そういう感じを少しでも出していけたらいいな~と思っています。全部均等にっていうのは難しいですが……そこに”個々(それぞれの武将)”をどれだけ立たせるか。つまり、例えば真田幸村を通して他の人たちの生き様を見せるのではなく、いろんな角度からいろんな人を見る。他の人から見た真田幸村像を作ったり、あるいは大谷吉継像を作ったり、そういう意味で”個々が立っている、立たせている”、このゲームは50名以上プレイヤーとして使えるんですよ。舞台版として意識したのはそこのところでしょうか」

かつての大河ドラマは織田信長や豊臣秀吉等が中心だったが、近年では直江兼続等、いわゆる”脇キャラ”を主軸に据えることが多くなっているようにも思える。
「家康や秀吉であるよりも家臣の者達がどう思っているのか……そこの生き様を作っていく方が今の時代に合っているかもしれない、抑圧された世界っていうのかな?どうのしあがっていくのか、その爽快さっていうか、そっちの方が前向きなんでしょうか……主従でいうと”主”をどう守るかっていう、もののふとして、武士としての生き様っていうのと、そこ(主)を倒して”(自分が)そうなりたい”という野望もあったり。そこで悩み、傷つき……ドラマとしては大きく描きやすいかなと思います」
《高浩美》
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