「赤毛のアン」はアニメも!ミュージカルも!実写も!全て軸がブレない | アニメ!アニメ!

「赤毛のアン」はアニメも!ミュージカルも!実写も!全て軸がブレない

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ミュージカル『赤毛のアン』
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高浩美のアニメ×ステージ&
ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]

アニメも!ミュージカルも!実写も!全て軸がブレない『赤毛のアン』は世界中の憧れの最強パーマネント・コンテンツ

■ 世界での発行部数はおよそ5000万部。
日本での発行部数はなんとおよそ1500万部。
『赤毛のアン』は世界のベストセラー


NHKの連続テレビ小説『花子とアン』が好調である。人気文学作品『赤毛のアン』の翻訳者村岡花子の半生を描いたドラマで、『赤毛のアン』ファンが喜ぶネタが随所に散りばめられているのがミソ。物語だけでなく、そういった”小ネタ”探しも楽しいドラマである。
このドラマ放送前から書店には『赤毛のアン』はもちろん、関連本も並んでおり、このドラマをきっかけに『赤毛のアン』を読んでみた、という視聴者も少なくない。

モンゴメリーはアンの故郷であるプリンス・エドワード島の生まれ。『赤毛のアン』は1908年に発表された。これがベストセラーとなり、一連のアン・シリーズが生まれた。この小説を日本に最初に紹介したのが翻訳家・村岡花子である。翻訳本は1952年に発表され、日本でも人気を博した。世界での発行部数はおよそ5000万部。日本での発行部数はなんとおよそ1500万部。そのうち、村岡花子訳は実に1400万部にもなるそうである。
翻訳後、またたく間に日本中で人気になった『赤毛のアン』であるが、さらにその人気を不動のものにしたのが、1979年1月~12月に放映された世界名作劇場のアニメ『赤毛のアン』である。このアニメの登場でアンの故郷であるプリンス・エドワード島に 観光に訪れる日本人が一気に増えたそう。監督は高畑勳である。

『赤毛のアン』の舞台、カナダのプリンス・エドワード島はドラマのオープニングでも見られる。美しい自然に囲まれた風光明媚な場所で知られているが、北海道にはカナディアン・ワールドというテーマパークがある。19世紀のカナダの街並みを再現しているが、さらにグリーン・ゲイブルズ、教会、リンド夫人の家等も再現しているが、小説がそのまま出できたかのような感があってこちらも人気。
さらに見てるだけでは飽き足らず、“アンと同じ家に住みたい”ファンのために輸入住宅会社・メイプルホームズ社ではプリンス・エドワード島から資材を輸入してアンと同じ家を建ててくれるそう。日本人にこれだけ『赤毛のアン』が浸透しているのは村岡花子訳の本とアニメの力によるのだろう。

また、『赤毛のアン』にはシェイクスピアや聖書等の引用が随所に見られ、飽きない。また会話劇の面白さ、登場人物たちのキャラクターも見逃せない。アン始め、皆”キャラ”が立っている。おしゃべりで空想好きなアン、頑固なマリラ、引っ込み思案のマシュー、詮索好きなリンド夫人、アンの腹心の友で笑顔が可愛らしいダイアナ等、枚挙にいとまがない。
とりわけ、アンのおしゃべりと空想(妄想?)は凄まじく、周囲を巻き込んでしまう程のパワーはハンパなく、思っていることをすぐに口にする。マリラが作ってくれた服を「ちょうちん袖じゃない」と不満を言ったり、ギルバートにからかわれて思わず暴力をふるったり(頭を石盤で叩く)と大人から見たらかわいげのない少女に映るかもしれない。

しかし、アンが大人の理想とする”聞き分けのよい女の子”では面白くない。また大人のマリラの言動は手加減なしで、ズバズバと言い返す。マリラが作ってくれた洋服に対して「ちょうちん袖じゃない」と文句を言うアンに「実用的なのがいい」とアンに言い返したりする下りは、なんだかスカッとしたりする。マリラの気持ちも”うんうん”とうなずける部分もあるのではないだろうか。
”良い子”や”物わかりのよい大人”は登場しない『赤毛のアン』。常に本音でぶつかる2人のやり取りは共感出来るし、アンの素直さはやがて周囲の人々もハッピーにするのである。

時にはシニカルで辛辣な会話を丁寧に救いとっているアニメ『赤毛のアン』は、原作ファンの期待通りの出来映えで、音楽は当時、若手だった現代音楽作曲家の毛利蔵人。主題歌は三善晃でどちらかというと前衛的な音楽の現代音楽家なのだが、この作品ではロマンチックな楽曲で、アンの世界観を表現している。原作をそのままアニメ化した、と評判の高い作品である。現在、ドラマの放送に合わせて放映中である。

実写化は日本未公開だが、早くも1919年に『天涯の孤独』(邦題)というタイトルで映画化、『紅雀』(1934年・日本公開は1935年)、いずれも原題は『Anne of Green Gables』、日本語訳がまだ刊行されていなかったため、このようなタイトルになっている。この『紅雀』で主演したドーン・オデイという無名の俳優がアン役を演じたが、この映画がきっかけで芸名をアン・シャーリーに変えたそう。ちなみにこの作品は現在の『アンの幸福』だが、この時点では日本語訳がまだだったので、このような邦題になっている。
そののち、1985年にミーガン・フォローズ主演『赤毛のアン』が制作された。挙げればきりがないが、近年では『赤毛のアン』から着想を得た作品『赤毛のアンを探して』(2009年・穂のか主演)もある。こちらはなんと、プリンス・エドワード島でのオール・ロケを敢行、製作陣のこだわりが感じられる作品である。

《高浩美》
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