「シドニアの騎士」「トランスフォーマープライム」3DCGアニメーションの実践式ワークショップ
3月22日、AnimeJapan 2015クリエイター体験講座では、「『トランスフォーマー プライム』『シドニアの騎士』のポリゴン・ピクチュアズによる3DCGアニメーションワークショップ」が開催された。
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岡本稔さんは『天空の城ラピュタ』『宇宙船サジタリウス』などの作品に参画。1997年にポリゴン・ピクチュアズへ入社し、アニメーションディレクターとして第一線で活躍している。
ポリゴン・ピクチュアズはアニメーション(動き)に定評のある制作会社であり、そのブランドを築き上げてきた岡本さんの講座は立見も出るほどの注目を集めた。
今回のワークショップでは、字コンテをもとに男性二人の格闘シーンを作成するという実践を意識した宿題が事前に課されていた。この宿題には「キャラクターのポーズ」「予備動作」「溜め、詰め」「重さの表現」など、アニメーションを作る過程において外せない要素が含まれており、まずはそれぞれのポイントが語られた。
岡本さんは「自分の体を動かしてみるのが大事」と、実際に身振り手振りを交えながら丁寧にレクチャーしていく。例えば「キャラクターのポーズ」では重心を意識することや、シルエットだけで何をしているかが分かるようにすること、「予備動作」には観客の目を惹きつけ、アニメーションに緩急を付ける効果があることなど。
2Dアニメーターからキャリアをスタートさせた岡本さんらしく、CGはもちろん手描きの分野でも活用できるテクニックが多数披露された。
講評では宿題を上映しながら、どうすればアニメーションに説得力が生まれるのかをフレーム単位で解き明かす。ハードルの高い宿題なだけにいずれも力作揃いで、字コンテにはない状況説明のカットを挿入したところなどには岡本さんも感心しきり。「アニメーションに対するやる気を感じさせてくれる作品でした」と、さらなる進化に期待のコメントを寄せた。
その後、CGアニメーションの弱点の回避方法や、アニメーションを付け始める前にやっておきたいことなど、より実用的なアニメーション術を伝授。質疑応答のコーナーでは「巨大ロボットを動かすときのコツが知りたい」「3DCGアニメーションの長所は何か」といった質問が飛び、溜めにフレーム数を割くことで巨大さを表現できることや、3DCG最大の利点はカメラを自由に動かせる点であることなどが語られた。
最後に岡本さんは、CGアニメーションは全員が同じCGモデルを使用するため、スキルの差が明確に出る分野だと言い、技術力を磨いていく重要性を説いた。そして「動きが良くてこそのアニメーション作品だと思うので、この世界に興味があるのであれば、アニメーションの力を信じて飛び込んで来て欲しいです」と未来のクリエイターたちに向けて激励の言葉を送った。
[高橋克則]
ポリゴン・ピクチュアズ
http://www.ppi.co.jp/
AnimeJapan 2015
http://www.anime-japan.jp/