アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ | アニメ!アニメ!

アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ

イベント・レポート

アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ
  • アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ
  • アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ
  • アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ
  • アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ
  • アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ
  • アニプレックス、サンジゲン、P.A.WORKSが振り返る アニメ業界に入るきっかけ
3月22日、AnimeJapan 2015のビジネスセミナー会場では「アニメ業界の最前線で活躍する人たち」という講演が行われた。本講演は昨年に引き続き日本動画協会が企画したもので、今年は中堅の業界人たちを招聘、アニメ業界に入ったきっかけなどが語られた。

司会は株式会社ボンズ代表取締役の南雅彦氏。主催団体の一つである日本動画協会の常務理事もつとめている。
株式会社アニプレックスからは執行役員の岩上敦宏が登壇。ビデオメーカーとして長年、プロデューサーをつとめてきた。株式会社サンジゲンからは代表取締役の松浦裕暁氏が参加。セルルックの3DCGを得意とするスタジオとして有名だ。さらにアニメ業界を扱った「SHIROBAKO」が話題の株式会社ピーエーワークスからは代表取締役の堀川憲司氏が登壇。サンジゲンとはうって変わり、手描きメインの制作会社である。

前半の話題は「アニメ業界のトップランナーの経歴をひも解く」というもの。登壇者の青年時代について語られた。
アニプレックスの岩上氏は大学生の頃は映画監督を目指していたそうだ。学生時代は特に実写作品を好み、市川崑監督の作品などを愛好していたそうだ。サンジゲンの松浦氏はもともとミュージシャンに憧れていた。地元の福井県のスーパーで働きながら音楽活動を行っていたが、当時最新のPCであるマッキントッシュマックに出会い、CGの世界に。上京した後はCGクリエイターとして活動することになった。
ピーエーワークスの堀川氏は学生時代に児童劇や人形劇を行うサークルに所属。まさに「SHIROBAKO」の主人公たちのように大勢で何かを作る楽しさに目覚めたそうだ。さらにレンタルビデオ店のアルバイトをきっかけとしてOVAに出会う。その多様性に感銘を受け、アニメーション業界目指したそうだ。

次の話題は「当時、ハマっていた作品は?」というもの。岩上氏は映画が大好きであったため、映像で見せる小津安二郎やヒッチコックといった名作を好んでいたそうだ。さらに大学進学後は周りの映画ファンから刺激を受け、イタリアやフランスの映画を多く見るように。中でもフェリーニの作品には衝撃を受けたそうだ。
他方、松浦氏は対照的にハリウッド映画に大きな影響を受けている。特に「スターウォーズ」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は繰り返し視聴したそうだ。地元福井県では見られる映画やアニメも限られていたため、上京した後は飢えるようにアニメを見たそうだ。
堀川氏は主にサークル活動に関連した子供向け作品を多く見ていた。特に宮崎駿作品には大きな影響を受け、同じ世界で活躍したいと感じたそうだ。

さらに各登壇者の業界に入ったきっかけが語られた。岩上氏はアニプレックスの前身のSPE・ビジュアルワークスに入社。ソニー・ミュージックグループがアニメーション制作を手がけるようになったわけだが、当時はまったくの素人集団であったそうだ。映像を志す若者を映像講座という形で集め、そこから採用されたという。
岩上氏は大学卒業後、映画監督を目指すフリーターであったため、映像講座に参加。半年の期間を経て、入社するに至ったそうだ。

サンジゲンの松浦氏は上京後、CGクリエイターとしての仕事をほそぼそと続けていたそうだ。当時はまだアニメにCGが使われることはまれで、ゲームの仕事が大半を占めていたようだ。
しかしながら、デジタルアニメに力を入れるという会社に出会い、アニメ業界に入っていったそうだ。アニメの知識をその会社で出会った人から急速に学んでいったという。

ピーエーワークスの堀川氏は他の登壇者と違い、最初からアニメ業界を目指していた。まずは専門学校に2年通ったが、名古屋の学校であったため、求人情報は少なかったそうだ。とりあえず入れればどこでもいいと、アニメ制作会社の制作進行として入社。かなりのハードワークで会社もすぐに倒産してしまったが、仕事で出来たツテから他の会社を紹介された。
その後タツノコプロ、プロダクション・アイジーと大手制作会社の制作をつとめることになった。

後半のテーマは「アニメ業界で働いた中でのターニングポイント」というもの。アニプレックスの岩上氏は35歳のときに手がけた劇場版「空の境界」がターニングポイント。単館上映で7章連続劇場版という前代未聞の企画に全身全霊で取り組んだそうだ。プロデューサーは結果を出す仕事であるため、ここでの成功がその後につながっていると振り返っている。

松浦氏のターニングポイントは所属していたゴンゾから独立して現在のサンジゲンを設立したこと。3Dをメインとしたアニメを作るために会社を設立するが、その準備期間として3年かかったそうだ。
設立当初は細かい仕事を多数引き受け、3Dの良さをアピールすることに尽力。特に麻雀を扱ったTVアニメ「咲-Saki-」では、業界でも珍しい手の3DCG制作。キャラクターの一部をCG作画で処理するという大きな成果をあげた。

ピーエーワークスの堀川氏はアニメ業界に入った年に結婚。子供は富山で育てるという約束をしていたため、結果的に富山で起業することになった。
プロデューサーから経営者もこなすことになり、ただ面白いものを作るだけではなく、アニメーション作品を通して何ができるかを見つめていく必要があったという。手描きだけではなく、3DCGも手がけ、少数精鋭の品質が高い作品を提供している。現在のところ年間3クールのペースを保っているが、堀川氏は「これ以上増やすつもりはない」とその品質へのこだわりを語っていた。

最後に業界を目指す若者へのメッセージとともに講演は終えられた。岩上氏は決して安泰な業界ではないが、多くの若い人たちが実力主義で結果を残している。ぜひともやる気がある人は挑戦してほしいと述べた。
松浦氏は過去の積み重ねがあるアニメ業界の中でも、未来を目指して新しいものを作る人にぜひとも参加してほしいとのこと。
堀川氏は最初は厳しい環境の中で仕事をすることになるかもしれないが、どんな状況でも常に仕事を吸収していってほしいと語る。その後は周りを巻き込み、ぜひやりたいことを実現してほしいと訴えた。
《今井晋》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集