「有頂天家族」と京都市の事例から学ぶ、アニメと地域のコラボレーション | アニメ!アニメ!

「有頂天家族」と京都市の事例から学ぶ、アニメと地域のコラボレーション

AnimeJapan 2015ビジネスセミナーでは地域とアニメのコラボレーションについて報告が行われた。「有頂天家族」を事例にし、3名が登壇し企画について語った。

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3月22日のAnimeJapan 2015ビジネスセミナーでは『有頂天家族』を事例にした地域とアニメのコラボレーションについて報告が行われた。登壇したのはプロデューサーをつとめたバンダイビジュアル株式会社の武井潤氏、制作会社P.A.WORKSの専務取締役の菊池宣広氏、さらに舞台となった京都市の産業観光局産業振興課コンテンツ産業振興課長の草木大氏の3名。

まずは2013年に放映された『有頂天家族』のPVが紹介された。原作は2008年に出版された森見登美彦氏の小説。森見氏は京都大学出身であるため、これまでも京都を舞台にした作品を多数発表してきた。本作も京都の町並みが緻密に描写されており、アニメにおいてもそれらを登場させることが重視された。さらに人情味あふれる人間ドラマに挑戦するために、ドラマに定評があるP.A.WORKSが制作をつとめた。

P.A.WORKSの菊池氏は映像化の話をいただいた後、原作を読んだそうだ。内容が面白いこともさることながら、P.A.WORKSが得意とする地域との連携も検討。実際にこれまでP.A.WORKSでは『true tears』、『花咲くいろは』、『グラスリップ』と地域と連携したいわゆる「ご当地アニメ」を多数制作している。放映期間中のキャンペーンだけではなく、その後の継続した連携を心がけており、現在でも地元のお祭りのポスターなどの協力をしているそうだ。
さらに本社がある富山県では『恋旅』というエリアワンセグを利用した地域限定アニメーションも放送している。これらの活動を踏まえて今回の『有頂天家族』の企画が検討されたそうだ。

実際の制作では監督となる吉原正行氏が一ヶ月京都で生活。1万枚以上の写真をロケハンで撮影して、それらを丹念に作品に反映させている。鴨川や出町商店街、嵐山といった定番スポットから商店街のアーケードの上や京都市のゴミ袋といったマニアックな部分まで作品には小ネタとして登場している。
またプレミアイベントは作品でも重要な場所となる京都四條南座で行った。プレミアを皮切りに京都各地でイベントも進行していったそうだ。

次に草木氏から京都市とアニメの関わりについて説明された。近年注目されているアニメを通した町おこしだが、京都市では4年前に草木氏のコンテンツ産業振興課が設立。どちらかと言えば、伝統文化というイメージのある京都だが、京都精華大学と共同運営している国際マンガミュージアム以来、コンテンツ産業とのつながりを強めているようだ。
その後、京都版トキワ荘事業と呼ばれる漫画家育成事業や、「京まふ」として知られる「京都国際マンガ・アニメフェア」を開催している。

今回の『有頂天家族』でのコラボレーションもこれらの京都市のコンテンツ産業への取り組みの延長上にあるようだ。まずは京都で作品を知ってもらうために京都市営地下鉄のラッピング列車やラッピングバスを運行。立命館大学の学生がデザインした『有頂天家族』との京都探訪マップを配布。さらに大学との連携では京都大学生協食堂とのコラボメニューを企画も行っている。
また「京とあまのね」というサテライトショップで関連グッズを販売している。こちらのグッズはすべて京都の地場産業のものであるという。まさに産官学が連携した大規模なコラボレーションだ。

これらの企画の成功をP.A.WORKSの菊池氏は「プロ意識」によるものとして語る。菊池氏によればコラボレーションを成功させるかどうかは自治体による部分が大きいという。制作側としてはプロモーションの一貫として考えているため、自治体にもそういった意識を持ってもらうことが重要であるそうだ。
そして、自治体にもコンテンツに対してプロ意識を持ったスタッフを育ていくことが今後必要だという。今回の『有頂天家族』では京都市が専門の窓口を持っていたことが功を奏したようだ。

草木氏もそれを受けて、京都市が部署を設立したことが大きいと振り返っている。さらにアニメやマンガといったコンテンツを受け入れる土壌も育ちつつあるようだ。現市長も進取の精神が強く、新しいものに挑戦させてくれたそうだ。
今後はアジア圏の観光客を取り込むためにマンガやアニメといったコンテンツの力を大いに利用していくという。
《今井晋》
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