上映されたの4作品をいずれも力の入った作品だ。『アキの奏で』はスタッフを社員から募集したとのこと、作画的には太鼓の動きが難しかったそうだ。上京し、アルバイトをしながら和太鼓奏者とて活動しているアキが主人公。なかなか先が見えない生活に疲れてきた時、恩師から連絡が入る。15年ぶりに復活した太鼓祭りで指導して欲しい、というものだった。回想シーンを交え、太鼓に情熱を燃やしていた日々を思い出していくヒロインを爽やかに描いた秀作である。『ハッピーカムカム』はコミック原作がほとんどのアニメに対して動きを見せるアニメーションにしたとのこと。声優のTARAKOが演出した舞台作品が原案だ。離婚し、母親とも死別した無気力になった男・ひろし。ロボット会社からメイドロボットを注文するが、届いたのは母ちゃんロボット・ヨシコだった。うっとおしいぐらいに世話を焼くヨシコにうんざりするひろしだが、実の母親はひろしに無関心だった。親の愛情を知らずに育ったひろしだが、このヨシコの存在で少しずつ変化していく様をコミカルに描いて楽しく見せている。『音楽少女』は美少女ものも日本の文化ということで企画を提出したとのこと。キャラクターはスタジオディーンでクリエイトしたCD『音楽少女』を使用している。ハイテンションな転校生・ハルとインドア派の絵里。全く違うタイプの少女が寮で同室に。青春モノに美少女というエッセンスが盛り込み、そこに音楽というエッセンスを加え、明るくポップな印象に仕上がっていた。全体として柔らかく、ふんわりとした作風が”美少女”というコンセプトにマッチしていた。『クミとチューリップ』は人と人、人と自然がテーマ。総監督の手塚眞が父・手塚治虫への想いを込めた原案を基に作った。台詞なしは手塚治虫が生前作られた数々の実験映画を踏襲しているそうだ。人をサポートするロボット、人工の植物が植え込まれている公園。デジタルの蝶が飛ぶ。少女・クミはそれが当たり前と思っていた。クミはある老人に出会う。老人は人工の花畑の中で本物のチューリップを見つける。クミと老人はチューリップの成長を見守り、その姿を楽しみにしていた……。音楽と効果音だけでも登場人物たちの心の機微が伝わる意欲作だ。上映の後は舞台上に全員上がってフォトセッション。新人だが、どの作品も個性的でなかなかの秀作揃い。来年はどんな作品が発表されるのか、「アニメミライ」に期待したい。《東京アニメアワードフェスティバル2015》の披露上映は3月22日、TOHOシネマズ日本橋にて。[上映作品]『アキの奏で』 監督:鈴木洋平『ハッピーカムカム』 監督:須田裕美子『音楽少女』 監督:石倉賢一『クミとチューリップ』 総監督:手塚眞/ 監督:吉村文宏「アニメミライ」公式サイトhttp://animemirai.jp
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