―-授業はかなり密度が濃くてハードなようですね。「プロデュース」分野ではどのようなことを教えるのですか。
布川
今のアニメ現場では、プロデューサーというと、「作品プロデューサー」が多いですよね。予算をもらってスケジュールを決めて、スタッフを集めて作品を納品まで持っていく仕事です。
僕はもうひとつ、今後は「セルフプロデューサー」というあり方が重要になってくると思っていて、それは「ヒットさせるための仕事」ですよね。「どうやってお金を集めて、どういう枠の中に入れ込んでいけば、この作品がヒットするだろうと考える」仕事。
僕がプロデューサーとして「クリィミーマミ」を作ったときは、まだアニメでのマーチャンダイジングや10代以上の年齢層へのアプローチの方法が確立していない頃で、オリジナルストーリーをどう組み立てるか、スポンサーの意図をどう汲んでどんな商品を出すのか、作品をどうヒットに導くかを、模索しながら一から考えました。特に「マミ」はぴえろの最初のオリジナル作品だったし、僕はクリエイター出身だったし、何もかも初めてのことで。
その時に得た大きな学びが、「マミ」から何作も続く「ぴえろの魔法少女シリーズ」に繋がったのかなと思います。
塾生が実際にはプロデュースの仕事ではなく1パートを受け持つ役割の人だったとしても、知識だけは持っていて欲しい。ヒットさせるところに意識が行かないままだと、予算を使うだけで作品が終わってしまいますから。
特に、今の日本のアニメーション全体を考えたときに、プロデュースは非常に大事です。日本のアニメはクオリティが高い。海外マーケットの開拓をしなければならない段階に来ています。
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