2月20日には、映画祭のなかのメインイベントのひとつ「コンペティション 長編アニメーション部門」のファイナリスト作品が決定、発表された。世界各国のからエントリーがあり、珠玉の5作品が選ばれた。 『Extraordinary Tales (原題)』(監督:Raul Garcia)、『Jack et la mecanique du coeur (原題)』(監督:Stephane Berla、Mathias Malzieu)、『Lisa Limone ja Maroc Orange tormakas armulugu (原題)』(監督:Mait Laas)、『MUNE (原題)』(監督:Alexandre Heboyan、Benoit Philippon)、『Song of the Sea (原題)』(監督:Tomm Moore)である。 独立プロダクションによるアニメーション制作の盛んな地域ということもあり、ヨーロッパからの作品が多く選ばれている。また国際共同製作作品が多く、ヨーロッパでのそうした取り組みが世界の長編アニメーション文化の一翼を担っていることがリストから窺える。
一方で、作品の形態や表現方法は、それぞれ個性的だ。『Extraordinary Tales』はエドガー・アラン・ポーのミステリ5作に基づいたオムニバス映画である。 『Lisa Limone ja Maroc Orange tormakas armulugu』は、『レオン』、『フィフス・エレメント』で知られるリュック・ベソンがプロデースするファタジー。『Lisa Limone ja Maroc Orange tormakas armulugu』は、人形アニメーションの最高峰ともされるエストニアのNukufilmがミュージカル仕立てで制作した。『MUNE』はフランスのCGアニメーションで3D立体視も盛り込むなど対照的だ。 『Song of the Sea』はケルト神話を題材にしている。2015年の米国アカデミー賞の長編アニメーション賞にもノミネートされた話題作だ。