その『アルペジオ』が2015年、2本の劇場作品となって帰ってくる。まず上映されるのはテレビシリーズの再構成に40分の新作エピソードを加えた『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ‐ DC』。
アニメ!アニメ!では作品を生み出したArk Performance先生に、自身のマンガ、大好評だったテレビシリーズ、そしてこれから登場する劇場映画についてお話を伺った。なお、「Ark Performance」とはユニット名である。今回は中心人物である壱号(作画担当)と弐号(ストーリー担当)のお二方にお話をいただいている。
[取材・構成=細川洋平]
『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ‐ DC』
2015年1月31日公開
http://aokihagane.com/
■ 『蒼き鋼のアルペジオ』誕生のきっかけ
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弐号
正直を言えばアワーズでの打ち合わせを始める前、わたしたちはオリジナルを描くことを真剣に考えてはいませんでした。それまではメディアミックス作品を中心に描いていて、それが読者の方に評価をいただいていましたので、リスクの高いオリジナルを描こうという考えがなかったんです。
でも担当編集の野々口さんから「オリジナルで!」と誘われて、何度も打ち合わせも兼ねてご飯に誘っていただきました。最初はそれに応えるかたちで企画を出して行ったんです。
―そこで本格的に企画を練りはじめたと。
弐号
そうです。私たちはSFやメカ関係を多くやっていたので、その経験を踏まえたのと、あと女の子は絶対に出さないとダメだと思っていました。
80年代はメカと女の子という組み合わせが全盛だったと思いますが、私たちが『アルペジオ』を考え始めた頃はほとんどなかったんです。じゃあそれを元にし、何かを組み合わせようと考えました。空を舞台にするのはすでに『ストライクウィッチーズ』がありましたし、戦車は比較的描きやすいのでどこかで企画が動いているかも知れないと考えました。そこに私の艦(ふね)好きが重なったのと、それに「戦艦は描くのが大変だから誰も手を付けてないんじゃないか」と考えたんです。
―それは何年ぐらいの話でしょうか?
壱号
2009年ぐらいですね。連載開始前(2008年)の一年間は毎月一回ミーティングしていました。でも実際は雑談や無駄話ばっかりしていて、なかなか進まなかったんです。
でも『アルペジオ』の企画は割と急に出てきました。それを突然編集部に出して、編集長が企画を見て即決していただいたんです。
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