「CLOCK ZERO~終焉の一秒~」撫子が好きな理一郎、時間も場所も飛び越え寄り添う | アニメ!アニメ!

「CLOCK ZERO~終焉の一秒~」撫子が好きな理一郎、時間も場所も飛び越え寄り添う

連載・コラム

(C) IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY(C) 2014 CLOCK ZERO ~終焉の一秒~リンゲージ製作委員会
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高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]

2010年にPS2のソフトとして発売された『CLOCKZERO~終焉の一秒~』、その人気から2011年にはPSP版も発売した作品だ。「君と壊れた世界を生きるAVG」というジャンルに位置づけられ、2つの世界、幼い姿と未来の姿、それぞれが交差し、そのストーリーの濃密さから数あるオトメイトの作品の中でもファンが多い。

舞台『CLOCK ZERO~終焉の一秒~』は、好評につき3回目の上演となる。ゲーム故、物語が途中で枝分かれする。ゲームの舞台化はここ数年増えてきている。昨年あたりから、「ひとつのタイトルで複数の物語がある」スタイルが出てきている。今回も現代ENDと未来ENDが用意されている。しかも前回と違い、放浪者中心の物語となっている。ヒロイン・撫子に関わる幼なじみの少年が複数いる訳だが、どの少年にフォーカスするかで、ストーリーは変化する。

今年『AMNESIA』の舞台化があったが、こちらもヒロインに関わる複数の男性の数だけ物語があった。この『CLOCK ZERO』はそれにプラスして”未来”と”現代”の2パターンを用意している訳である。こういったパターンは今後も増えるだろう。ひとつのタイトルにひとつの物語という”常識”を覆す、こういった作品はなかなかエッジが効いている、と言えよう。物語は異なっても、テーマはひとつ。チャッチコピー”必ず、助けに行く……なにがあってもお前を助けに行くから”、”世界を敵に回しても、お前が俺の味方でいてくれるって言うなら、俺は……”に集約されるが、誰が軸になってもここは変わらない。そこに至るまでの物語は変わるが、最終的にはここにたどり着く、というところが、”乙女心”をくすぐるのではないだろうか。

キャストだが、今回から新たに加わったのは、反逆者役の大島峻、長役の黒藤結軌、ビショップ役の北村健人。その他のキャストは初演から引き続き続投となる。
出だしから、前回とは全く異なる。再演ではなく、バージョン違い、といった感じではないだろうか。先生からもらった謎のうさぎのぬいぐるみ、時折見る不思議な夢、といった”モチーフ”はそのまま。今回は放浪者と撫子のストーリーとなっている。放浪者は撫子が見る夢の中にでて来る人物で寡黙で冷静な青年である。撫子のことは何か知っている様子だが、ストーリーが進行するに従ってそれが少しずつ明らかになっていく。また、今回、メインキャラクターの子役が7人に増え、関係性がわかりやすくなっているのが特長だ。7人でタイムカプセルの話をするところはこの子供達の関係性を象徴的に示す。

ミュージカル仕立てで見せていくスタイルは変わらず。初演からのメンバーは子役も含めて安定。加納理一郎と九楼撫子の幼い日の”約束”。それが時空と場所を飛び越えて物語の”芯”になっている。物語を彩るキャラクター達が撫子に絡んでいく。有心会シーンは賑やかで客席から手拍子も。また、哲学者と楓のシーンはちょっと”お笑い”でホッとするところ。理一郎は撫子との約束を守ろうとする。
”未来END”、ラストはゲームをプレイしたことがあればわかるが、あの台詞が登場する。理一郎は冷静で寡黙な中にも熱いパッションを秘めたキャラクターで、初演から持ち役の日和祐貴が熱演。楓役の鷲尾修斗はひょうきんな仕草で笑わせ、その”相手役”の植田も心得た感じ。神賀 旭役の猪野の2枚目キャラ、ルーク役の櫻井の飄々としたキャラは相変わらず。初役の大島、黒藤、北村も健闘。カンパニーの仲の良さが垣間見える。奇をてらった演出ではなく、正攻法でアナログ的だが、それが意外とゲーム原作の舞台とマッチ。

24日の昼の回の終演後にトークイベントがあった。登壇したのはビショップの北村と情報屋の花沢。ファンなら知ってることだが、この2人は”英兄弟”。ということで子役の2名が登場、その”相似形”に会場から拍手が起こった。ちょっとしたクイズ(もしもゲーム)で会場は大いに盛り上がった。こういったファンとの交流はなかなか楽しい。

同じく24日の夜の回は現代END。実はラスト近くで”ルート”が分かれる。ここで”どっちを選択するか”で展開が異なるのはゲーム原作ならでは。こちらも2人は手を取り合う仲になる。ここの萌え台詞は、未来ENDとは異なるが、ここは乙女心をくすぐるポイント。この回では”政府トリオ”のちょっとしたアドリブがあって息の合ったやり取りが楽しかった。
ひたすら”撫子が好き”な理一郎、その理一郎の気持ちに戸惑いながらも受け入れ、心を通わせる。シンプルに、たったこれだけの物語に”時間”という要素が加わることで広がりが出る。ゲーム故、キャラクターの数だけ物語が創造出来るし、さらに”未来”と”現在”といった具合にストーリー分岐もする。ゲームの舞台化のひとつの可能性を示した作品といえよう。
なお、夜の回の終演後のトークイベントは”有心会トリオ”が登壇。”政府トリオ”の歌を”有心会バージョン”に変えて歌い、やんやの喝采だった。

次はどのキャラクターの物語が観れるのか、いろいろ出来そうな気配のするシリーズ、楽しみである。なお、リンゲージとは連鎖という意味である。
《高浩美》
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