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「公開前に、映画の興行収入は明らかになる」TIFFCOMビジネスセミナーで驚きの発表

映画興収が公開前に予測できたら映画制作はどう変わるだろう。TIFFCOMにて10月23日、『映画の収益性を予測する ―データサイエンスが刷新するコンテンツビジネス』が開催された。

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■ クラウドファウンディングと組み合わせる

アニメーションでも『キックハート』(監督:湯浅政明)や『リトル・ウィッチ・アカデミア2』(監督:吉成曜)といった作品が全額、または一部の制作費をクラウドファウンディングによって集めた実績を持つ。
大高氏はクラウドファウンディングの特性に「資金を募るという行為自体で、プロモーションの役割を兼ねることができる」ことを挙げた。複数の会社が出資する製作委員会方式では作品に対して、参加する全社の意見一致が原則であり、「個性」といった部分では出しづらいところがある、と河合氏は指摘する。
対してクラウドファウンディングでは出資側が制作現場に対しての発言権を持たないことが多い。集められる金額の観点からも、実写映画においては、作家主義的映画やインディペンデント映画に向いている。もし、ここに興行収入を予測する精度の高いシステムが加われば、映画制作は格段に行いやすくなるだろう。

■未知数ではあるが期待は大きい

質疑応答では会場の映画関係者から多くの質問が寄せられた。プレゼンテーションでは、確かに高い精度があることが述べられたが、未来の話をするには未知数の部分があまりにも多い。海外でもリリースされることから、「文化の違いによる精度の検証はどのくらいされているのか」という質問が出た。石井氏は「文化(国)によって評価軸を変え、市場毎にカスタマイズしていくが、アルゴリズムは万国共通」と応えた。また、システムは「成熟した市場」であることを前提に作成されているため、例えば伸びしろの大きい中国といった国に対してはまた「もうひと工夫が必要と考えています」と加えた。

また、CRUNCHERSのHPでは随時、上映されていく作品の検証を公開していく。制作サイドがある程度チェック項目を満たす情報を提供してくれさえすれば、公開が先の作品の検証も可能であるとして、関係者に協力を呼びかける場面も見られた。

予測シミュレーターがリリースされ、制作サイドが制作しながら、作品の規模感をつかむことが可能になれば、効率化だけではなく、最適化も進むようになるだろう。河合氏が言うように、業界には長年の蓄積された「経験と勘」という財産がある。それでも全ての作品をヒットに繋げることは不可能だ。CRUNCHERSの投じた一石がどのような波紋を生み出すのか、楽しみである。

CRUNCHERS
http://crunchers.jp/
《細川洋平》
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