アニメ・マンガ関連の持株会社IGポートが、2014年10月に新たなアニメーション制作会社を設立する。9月19日の取締役会で決議した。新会社は株式会社シグナル・エムディ(予定)となり、フルデジタルのアニメーションとスマートデイバイス向けの技術開発を行う。また、子ども向け・ファミリー向けのアニメーション制作のための基盤を構築するとしている。 新会社の資本金は3000万円を予定し、IGポートが100%出資する。社長にはグループ会社のプロダクション I.Gの取締役企画室担当兼企画室室長である森下勝司氏が就任する。森下氏は、プロダクションI.Gで、『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』や『ホッタラケの島 遥と魔法の鏡』ほか多くの作品でプロデューサーを務めた経験がある。
もうひとつ大きなポイントは、シグナル・エムディがキッズ・子ども向けのアニメーション制作を目指していることである。IGは2004年に『ホッタラケの島』でキッズ向けのCGアニメーションに挑戦した。その後は、そうした取り組みは途絶えていたが、あらためてこの分野を目指す。 少し前まで日本では、国内産のキッズ・ファミリー向けのCGアニメーションはヒットしないとされてきた。しかし、2011年の『friends もののけ島のナキ』のヒット、本年の『STAND BY ME ドラえもん』の大ヒットで環境は変わっている。 2014年夏には、セガサミーグループのマーザ・アニメーションプラネットのLAスタジオも設立し、東映アニメーションも本年CGアニメーションの『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』を製作、公開した。国内各社がCGアニメーションに力をいれるなかで、IGも新たな巨大な市場を目指す。
《数土直志》