■ 人気エピソード“ブラックムーン編”セーラー戦士、危機を乗り越え、時空を超えて、仲間のために総力をあげて命がけで戦う今回はサブタイトルにもあるように謎の少女が登場する。セーラームーンこと月野うさぎの前に突然現れた少女“ちびうさ”。彼女を追いかけるようにして続けて現れたのが“ブラックムーン”一味、彼らは“邪黒水晶”の力を使い、“幻の銀水晶”を打ち砕こうと攻撃を仕掛ける。現在と未来の地球を守るために時空を超えてセーラー戦士たちが総力をあげて戦うのである。これはファンの間でも人気の高いエピソード、“ブラックムーン編”、完全舞台化となる。地場衛と月野うさぎ、これから“いいところ”だったのに、その間を割って入るように天から落ちて来た“ちびうさ”。うさぎは不機嫌だが、少女の可愛さに衛は甘い顔。ここから事件は起こる……。1幕から見せ場が随所に。麻布十番フェスティバルでバンドを組んで出場するもうさぎは大遅刻、ボーカルはレイが担当するがこれが大ノリ。ところがそこに謎の集団がパーフォーマンスを、まことはすぐに“臭い”と思い、見破る。ここで早速、セーラー戦士が戦うが、ブラックムーン一味の“なりすましセーラー戦士”のあまりの出来映えにドッと笑いが。”にせ“ジュピターvs“本物”ジュピターはほぼ女子プロレス。そんなお笑いシーンを随所に挟み込んで物語は進行する。時間を超えてセーラー戦士はブラック一味と対決する。2幕のセーラープルートのシーンは涙。仲間のために、現在と未来のために戦うセーラー戦士たち、信じる心、絆、といったテーマをわかりやすく見せてくれる。前回と比較して、月野うさぎ演じる大久保聡美始め、セーラー戦士たち、歌、踊り、芝居、アクション、大きくスキルアップしている。初参加のセーラーマーキュリー演じる小山百代、ミュージカル劇団出身とあって安定した歌唱力とダンスは目を見張るものがあるが、それ以上に“憧れのセーラー戦士になれた”感が随所に、好感が持てる。タキシード仮面の大和悠河、さらなる2.5次元ぶり。敵役のプリンス・デマンド役の麻尋えりかは2幕ではやりきれない切なさを表現、サフィール役の真波そら、屈折した役どころで単なる“悪役”ではないキャラクターを表現していたのが印象的。ルベウス役の立道梨緒奈は立ち振る舞いが“よく見かけるちょい悪ヤンキー”ぶりで目立っていた。ドロイドたちの身体能力の高さは見所。2幕ラストのセーラー戦士たちの戦いっぷりは見せ場。仲間のために頑張るうさぎ、“ムーン・プリンセス・ハレーション!!!!!”と叫ぶシーンは渾身の叫び。『美少女戦士セーラームーン』を知り尽くした演出家の手腕は流石。楽曲も“正統ヒーローもの”感が随所にあって楽しい。ゲネの後、会見が行われた。皆、ゲネでは確かな手応えを感じたよう。セーラージュピターを演じた高橋ユウは「百代セーラーマーキュリーと一緒に演じられて、夢が実現した場に関われて嬉しいです（笑）」と言い、幼い頃からセーラー戦士に憧れていたという小山百代、照れ笑いする場面も。実はなんと来年、2015年１月に上海公演が決定している。月野うさぎを演じる大久保聡美は「フランス（ジャパンエキスポ）に行ってセーラームーンが世界中の女の子の夢だって知りました。（この）キラキラを上海の人に伝えたい」とアピールした。ゲネ終了後、劇場には早くもファンが列を作っていたが、コスプレして並ぶ外国人の姿もあった。また、千秋楽のライブ・ビューイング、チケットも発売中で、大画面で堪能したいファンは必見。さらに遠方だが“どうしても観たい”ファンのためにニコニコ生放送の配信も決定。千秋楽公演が自宅で鑑賞出来るのである。セーラームーン20周年プロジェクトで様々な展開を見せているが、セーラー旋風はまだまだ続く。□ 平光琢也（ひらみつ・たくや） 1955年1月13日生まれ。岐阜県出身。1994年の初演以来、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』の演出を手掛ける。近書に『売れる声優になるためにあなたが今しなければならない30のこと～現場が欲しいのはこんな人～』（幻冬社）ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』~Petite Etrangere~(プチテトランジェール) /http://www.nelke.co.jp/stage/sailormoon2014/[東京]日程： 2014年8月21日(木)～31日(日)劇場： AiiA Theater Tokyo (アイア シアタートーキョー)[大阪]日程： 2014年9月5日(金)～7日(日)劇場： 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
「すみっコぐらし」初の舞台化が決定！ 映画第1弾「とびだす絵本とひみつのコ」原作のパペットミュージカルが8月より上演 2024.4.17 Wed 17:30 サンエックス発の人気キャラクター『すみっコぐらし』が初めて…
