いまやサンフランシスコの夏の風物詩となった感のあるJ-POPサミットだが、 同時開催されたサンフランシスコ日本映画祭(Japan Film Festival of San Francisco)は今年でまだ2年目という。 今年のJ-POPサミットや日本映画祭の様子を、2009年の開始当初から携わって来たNew People社 Executive Directorである飯干真奈弥氏にうかがった。 [取材・構成: ロミ]
昨年からは「ポップグルメフードフェスティバル」という日本の食をテーマにした企画も併設しているのですが、 今年は初めての試みとして”ラーメンストリート”と称し、人気ラーメン店6店舗が屋台を出したところ、西海岸の人気ラーメン店や日本からの初上陸店が集結したため、ベイエリア中のラーメン好きがフェスティバル開始前から波のように押し寄せ、身動きが取れないほどの盛況となりました。 同じく昨年から始めたサンフランシスコ日本映画祭は、同じくジャパンタウンにあるNEW PEOPLE ビル地下の劇場を会場として、今年は20本ちかくの作品を上映しました。アニメ作品の他、実写やドキュメンタリー、ショートフィルムなどバラエティのあるラインナップです。ショートフィルムのプログラムでは、日本の「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」とのコラボレーションとして、日本の若手作家の短編を5作品上映致しました。
昨年は『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』や『おおかみこどもの雨と雪』などのアニメ映画の大ヒット作や、『るろうに剣心』など人気漫画が原作の実写映画もありましたので、チケットも早くに完売し、映画祭としては大成功でした。また、『夢売るふたり』の西川美和監督、『図書館戦争』の佐藤信介監督など、現代の日本映画界にとって宝のような方々をお招きすることができ、期待以上の一年目となりました。 ただ、2年目となる今年は、ちょっと趣向を変えてみようと前から思っていて。J-POPファンによる集客だけではなく、もっと幅広く、日本映画に興味のある観客ともっと向き合ってみようと思い、骨太で良質な日本の実写映画をより多く選ばせて頂きました。今年、一番最初に完売した作品のは『利休にたずねよ』(Ask This Of Rikyu)だったのですが、 田中光敏監督にも舞台挨拶に来て頂き、上映後には映画のなかで使われていた本物の楽茶碗に関する貴重なお話を伺う機会を持つことが出来て、観客からもかなりの好評を得ました。
もちろん、今年もポップな側面を映画祭に含まなかったわけでは決して無く、映画祭のゲストにはほかに、 J-POP サミットでもパフォーマンスをして頂いた、アイドルの東京女子流(『5つ数えたら君の夢』『学校の怪談 呪いの言霊』USプレミア)の皆さんや、俳優の古川雄輝さん(短編映画『wo ai ni in Tokyo』プレミア)にも来て頂き、アメリカ人のファン達との交流を深めて頂く機会ができました。今後も、さまざまなゲストの方を御呼びしたいと思っています。