森りょういち監督インタビュー前編 「ギガントシューター つかさ」“カッコ悪いのにカッコいい” | アニメ!アニメ!

森りょういち監督インタビュー前編 「ギガントシューター つかさ」“カッコ悪いのにカッコいい”

インタビュー

主人公・面道つかさがキングメンガー(メンコ)を手に、ギガントバトルを繰り広げるテレビアニメ『超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ』が、大きな反響を呼びはじめている。Eテレ、そして4月クールのアニメ作品の中でも異彩を放つ作品だ。
監督は『Peeping Life』で知られる森りょういちさんが務める。脚本には『しろくまカフェ』のシリーズ構成をはじめ、数多くのテレビドラマ、映画、舞台を手がける細川徹さんを起用。アニメーション制作は『やわらか戦車』などで知られるファンワークスと、森監督率いるFOREST Hunting Oneが担当する。
「メンコ」「弱い主人公」「独特の造形のキャラクターたち」など気になるポイントが満載の本作。テレビアニメ監督デビューの映像クリエイター・森りょういちさんに、作品の魅力を語っていただいた。
[取材・構成:細川洋平]

『超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ』
/http://www.gigantshooter.com/

■ 森りょういち
FOREST Hunting One代表。大学卒業後、フリーランスのアニメーション作家を経て2008年『Peeping Life』を発表。同作にて第25回デジタルコンテンツグランプリ審査員特別賞受賞。2010年FOREST Hunting One設立。

abesan■ ホビーアニメをおもしろおかしく全く新しい物に

―アニメ!アニメ!(以下、AA)
企画の立ち上がりから教えていただけますか?

―森りょういち監督(以下、森)
ファンワークスの高山社長から2013年の10月に「何か一緒にやりませんか?」と声をかけていただいたのがきっかけです。ショートアニメの企画を一緒に考えて、その時僕が出したのがこの「ギガントシューター つかさ」でした。タイトルやメンコ、やろうとすることは同じでした。
その時は何人かのアーティストさんが集まって、それぞれ5分くらいの作品をやるという企画でしたが、実現に至りませんでした。
ちょうどその時にNHKさんがアニメ企画を探されていて、高山さんが「ギガントシューター つかさ」を提案しました。気がつけばやることになっていました。

―AA
作品の意図や構想はどういったものでしょうか。

―森
子ども向けホビーアニメを僕らなりに尊敬を込めてオマージュしつつ、おもしろおかしく全く新しい物にしたかったんです。
僕の前の作品である『Peeping Life』(※)のテイストとホビーアニメを融合させて、大人も子どもも楽しめるもの、ということで始まりました。実際に動き出したのは2013年11月ぐらい。2014年4月には第1話がオンエアだから、あらゆることが同時進行でした。

―AA
いろんな要素に気を取られますが、確かにホビーアニメですね。

―森
とても健全なアニメです(笑)。作品の裏テーマは「継続は力なり」です。主人公は弱っちいので勝てないけれど凹まないんです。純粋に「好き」という気持ちが折れないのが大事だと思うんです。
いつか勝ってやるぞ!って言っている。「オレは負けてねえ、心じゃ負けてねえ!」とか言って負けを認めないんですけど(笑)。

―AA
脚本家と組まれての作品は初めてです。今回の細川徹さんと、というのは森監督の意向だったのでしょうか。

―森
『Peeping Life』をやってきて、カット割りがある作品をやってみたいというのがありました。それと外見はまともなアニメだけれど、まともじゃない物を作りたいという制作側のテーマもありました。ならば脚本家も必要ですよね、と高山さんに相談したところ細川さんを紹介していただきました。
細川さんは「ギガントシューター つかさ」の核を捉えるのが早くてさすがといった感じでした。企画の説明をさせていただいた時から「そういうことがやりたいんだったらこういうシナリオにした方がいいですよ」といった提案を次々と出していただいて、安心してお任せすることができました。

―AA
笑いの感覚はクリエイターさん個々で変わってくると思います。細川さんの笑いのポイントと、森監督ご自身の感覚との相性はいかがだったのでしょうか。

―森
これは奇跡的に合っていたんですよ。もちろん全く同じではないですが、その時は言います(笑)。ただ相性の良さは神がかってます。そこが噛み合ってなかったらこの短い制作期間ではオンエアに間に合ってなかったと思います。

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■ みんなの力を集めて作る

―AA
監督にとって初挑戦なことが多い作品です。

―森
何もかも新しいことだらけです。みなさんの力を集めてみんなで作っています。それと制作に関わる全員に生産的で創造的な現場にしたいと思っているので、僕は監督として50%の道筋しか立てないんです。
そこにスタッフが、どんどんアイデアを出してくれます。そんな中、出てきたアイデアのひとつが、ギガントバトルのシーンです。

―AA
ギガントバトルの謎空間ですか?

―森
あの空間は僕は指示を出していないんです。背後でカードが炎みたいにメラメラしているのもスタッフが考えました。それぞれが自分のパートに責任を持ち、世間の反応を肌で感じるからどんどんよくなるんです。

※『Peeping Life』:森りょういち監督作品。キャッチコピーは「人間をさぼろう。」。ワンカットで描かれる脱力スローライフCGアニメ。現在までに8巻がリリース。

後編に続く (6月16日掲載予定)

『超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ』
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[スタッフ]
ストーリー原案・監督: 森りょういち
シリーズ構成・脚本: 細川徹
音楽: 森英治
アニメーション制作: ファンワークス、FOREST Hunting One
製作: ギガントプロジェクト

[キャスト]
面道つかさ: 山口勝平
小出ミル子: 徳井青空
沼田マナブ: 橘田いずみ
堂本あたる: 愛美
桐谷.M.キリト: 山口智大

『超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ』
(C)FHO/ギガントプロジェクト
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