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「キカイダー REBOOT」 下山天監督インタビュー“ヒト型アンドロイドはフィクションでない”

5月24日に、映画『キカイダーREBOOT』が全国公開となる。1970年代のヒーローが、作品の魂はそのままに現代によみがえる。下山 天監督に、映画の誕生や制作について伺った。

インタビュー
■ 世界に通用するヒーローをつくっていく、その第一歩

――今アクションの話が出ましたが、今回の『キカイダー』では、必殺技ではなく殴り合いが中心です。あれはどういう意図だったのしょうか?

下山天監督(以下、下山) 
ヒーローものの必殺技は難しいんです。今回もロボットですけれど、必殺技をやるとジローが痛み苦しむところが表現しづらくなります。必殺技があるなら早く出せよ、となります。
今回は僕のイメージでは『ロッキー』の試合の後半戦なんです。ロボットではあるけれど、最終的にはパワーダウンするまで、自分の機能の限界までとにかく戦い合う。もうひとつは必殺技をやると、今の日本の技術ではハリウッドでは勝てない。であれば中に人が入っているから出来るアクションを徹底的にやりましょうと。まずアナログでやれることを全部やりましょう、という結果が今回のアクション設計です。

――入江(甚儀)さんが演じられたジローは、テレビのジローよりもっとロボット的、アンドロイド的に感じました。

下山
今回のジローは、研究所から無垢で、任務だけ言われて解き放たれているわけです。もちろん、会話もできますが、それはプログラムなんです。喜怒哀楽は彼が学習機能で、ミツ子やマサルと触れ合うことで勉強していくものです。喜怒哀楽は機能としては出来るけど、自発的にはやらないで欲しいと話しました。

――機能としての感情を要求したわけですね。

下山 
あと息もしないで欲しいと。最後のバトルでは、ロボット的な「ぜーぜー」「はーはー」はやりましたが、前半のブレスは全部NGを出しています。さらにまばたきするな、もあります。まばたきもプログラムとして、人間のフリのためにまばたきしているんだと彼に要求しました。
前半はとにかくジローは人間と違うんだというルックをまず成立させないとこの映画は成り立ちません。彼がミツ子やマサルと触れ合うことで、だんだん人間っぽくなっていくのは、この映画のプロセスですね。ただ撮影はその順番でないですから、彼も非常に悩んでやっていました。おかげで彼のロボットの演技は素晴らしいものがありました。

――映画からは少し離れてしまいますが、監督自身は今回のジローのように機械に心が宿ることはあると思いますか?

下山 
絶対にあると思います。ジローは必ず近い将来世界に存在してくると思います。コンピュータの世界は恐ろしく発達してきますから。すでにチェスやクイズ番組では人間を凌駕しています。
むしろ、人間のほうがロボット化している。たとえば自分自身で見て感じてからいろんなものを面白い、つまらないと判断をするのではなく、みんながするからする。ネットで評判を確かめてから見る買う。むしろロボットのほうがあらゆることを経験して学習機能で進化していく。このままでは近い将来逆転すると思っています。

abesan――今回の映画はフィクションではあるけど、フィクションとだけで見ないでほしいと?

下山 
先端企業や先進国の政府機関は、ネットの次はロボット開発だと言っています。今までは機能特化したロボットですが、産業用、介護ロボットも機能とプログラムを換えれば簡単に軍事用ロボットにもなります。また技術的にはプログラム上で絶対心を持てると思います。
現に日本でのロボットの開発を見ていると、つくっているものはロボットなのですけど、作っている人の哲学が宿っているんです。だから、実際に心を持った、持たないというより、作っている人の哲学がロボットに宿っている。
次の自立する意思を持つのは、研究所レベルでは間もなくのはず。一部の研究者はもう見抜いているはずです。

――最後に読者の方に向けてメッセージをお願いします。

下山
お待たせしました。全く新しいジャパンオリジナルのヒーロー映画の誕生です。絶対満足してもらう自信があります。皆さんに応援していただけたら、誰も見た事のない新しいヒーロージャンル、その未来へのスタートを切れると思います。
『キカイダー REBOOT』でお客さまが40年の時を超えて、その再起動のスイッチを入れていただけたら、その先の景色をお見せします。ジャパンオリジナル、世界に通用するヒーローをつくっていく、その第一歩の作品です。是非そのボタンを押していただきたいです。

映画『キカイダーREBOOT』
5月24日全国公開
/http://www.kikaider.jp/
《animeanime》
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