『SLAM DANK』や『バガボンド』などのマンガ作品で、日本のみならず世界各国で人気の井上雄彦さんが、2014年に新たな表現に挑戦する。井上雄彦さんと19世紀から20世紀初頭にスペインで活躍した建築家アントニオ・ガウディをテーマにした大型展覧会「特別展 ガウディ×井上雄彦」が、7月12日から六本木の森アーツセンターギャラリーで開催される。この展覧会は2013年より行われている日本スペイン交流400周年イベントのファイナルを飾るものだ。やや意外な取り合わせでもあるが、この企画はいまから3年前に浮上した。井上さんは、アントニ・ガウデをテーマにした『井上雄彦 meets ガウディ』の作品もあることが実現につながった。4月9日には、本展の開催発表会が、東京・六本木のスペイン大使館で開催された。会見には、駐日スペイン大使のミゲル・アンヘル・ナバーロさんも、お祝いの挨拶を贈るなど展覧会への期待の大きさを感じさせた。そして、井上雄彦さんは?というと、スペンバルセロナからSkype中継での参加となった。井上さんは、まさに今回の展覧会の作品制作のために、スペインに渡っているところであった。中継のあった井上さんの住まいは、ガウディの代表作サクラダ・ファミリアの正面。井上さんからは窓から見えるサクラダ・ファミリアの風景も紹介された。展覧会では、スペインからガウディ関連の美術品や資料100点を持ってきて展示する。また、井上雄彦さんがガウディをテーマにした作品を40点ほど紹介する。今回の作品制作はこのためのものである。さらに作品のアトリエは、やはりガウディの代表作であるカサ・ミラに設けられているという。ガウディに囲まれながら創作活動を続けることになる。そんなガウディの印象について訊ねられると井上さんは、「完成を急がないところが共通点。共感する。」との言葉あった。現地ではゆるっと、身をゆだねながら、いいものを作りたいという。井上雄彦さんはこれまでにも、マンガ執筆活動に加えて、イベントやインスタレーションといった活動にも積極的に取り組んで来た。2004年に神奈川県三浦市の廃校の黒板を利用して行われた「井上雄彦 あれから10日後―」や、2008年から始まった美術展「井上雄彦 最後のマンガ展」は多くのファンの共感を呼んだ。今回もこれまでと同様、大きな挑戦がある。幅10.6m×縦3.3mの世界最大の手漉き和紙に絵を描く。一体、ここに映し出されるものはどういったものになるのだろうか。展覧会の開催が待ち望まれる。展連会は9月7日まで森アーツセンターで開催され、その後は巡回も予定している。金沢21世紀美術館、長崎県美術館、兵庫県立美術館、せんだいメディアテークでも観ることが出来る。また、展覧会と連動したキャンペーンの多数行われる。夏の大型イベントとして盛り上げる。特別展 建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦 -シンクロする創造/http://www.gaudinoue.com/
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