2013年を振り返る映画界の賞レースもたけなわだ。そうしたなか米国映画芸術科学アカデミーは、第86回のアカデミー賞視覚効果(Visual Effects category)部門のショートリスト10作品を発表している。ショートリストは選考対象作品が膨大な部門で行われている仕組みだ。エントリーの中ならノミネートの選考のための作品を絞り込む。いわば一次選考にあたる。視覚効果賞はVFXとして知られる映像の特殊効果技術を評価する。伝統的にSF映画やファンタジー作品が多くノミネートされ、受賞も多い。今年のショートリストにも、SFファンにお馴染みの作品が並んだ。SF映画では、『エリジウム』、『オブリビオン』、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』、そして日本でも大きな話題を呼んだロボット映画『パシフィック・リム』がある。アメコミヒーローからも『アイアンマン3』、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』がある。『ゼロ・グラビティ』は宇宙空間を描くが、こうしたスペクタクルなSF映画とは一線を画す。宇宙空間で起きた事故、そこに取り残された2人の人間ドラマになっている。視覚効果賞だけでなく、作品賞、監督賞など幅広い分野での活躍が期待されている。このほかパニック映画の『ワールド・ウォーZ』もある。『ローン・レンジャー』は、往年の西部劇を題材とした作品だ。視覚効果賞では異色だろう。今回リストに挙がった10作品は、アカデミー会員のVFX部門の会員全員が、全作品の10分間の抜粋を鑑賞、そのうえ投票で5作品に絞る。結果はノミネート作品として、2014年1月16日に発表される。さらに最優秀視覚効果賞の発表は、2014年3月2日、ハリウッドのドルビーシアターで行われる。近年、映画における視覚効果の重要性はますます高まっている。アカデミー賞のなかでも主要部門と言っていいだろう。それだけに最優秀賞にも大きな関心が集まりそうだ。米国アカデミー賞/http://www.oscars.org/awards/index.html
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