日本はマンガ大国として知られるが、一方で近年まで海外のマンガ作品はあまり多く紹介されることはなかった。マンガ作品の輸出は多く、輸入は少ない状態が続いていた。しかし、ここ数年、日本のマンガ文化をより豊かにする、そして海外の優れたマンガをもっと読みたいとのニーズの高まりで、アメリカンコミックスやヨーロッパのバンドデシネの翻訳出版が増えている。さらに多くの国々の作品への関心も高まっている。この秋には海外マンガの国内での認知度を上げるべく、ガイマン賞2013が開催された。ガイマン賞は、「海外マンガ=ガイマン」として過去1年間に国内翻訳出版されたなかから、読者投票によりナンバー1を決めるものである。今年2回目を迎えた試みだ。2013年は、京都マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター、明治大学 米沢嘉博記念図書館、北九州市漫画ミュージアムと、3つの国内マンガ研究機関が主催する。投票は2013年9月14日から11月17日まで行われた。この結果、フランス・バンドデシネの話題作『塩素の味』が見事1位となった。『塩素の味』は、新鋭作家バスティアン・ヴィヴェスさんが、水泳に惹かれていく少年とプールで出会った少女の心の揺れを描き出す。2009年にアングレーム国際漫画祭で、新人賞も獲得している。国内出版は小学館集英社プロダクション、訳は原正人さんが担当した。定価は2800円(税別)となっている。第2位の『I KILL GIANTS』は、米国の作品だ。自分は「選ばれし〈巨人殺し〉」…そう信じ込んでいるバーバラを中心に物語が進む。いわば米国版「中二病女子の成長」ともいうべき個性的な物語である。外務省主催の第5回国際漫画賞では最優秀賞の受賞している。小学館から発売で、税込840円という手頃な価格も魅力だ。作者は、ジョー・ケリーさん(作)とケン・ニイムラさん(画)、翻訳は柳亨英さんが行った。海外マンガといえば、アメコミヒーローをイメージする向きも多いだろう。そうした題材の翻訳作品も少なくないが、ガイマン賞の投票は、より見慣れない作品に集まるようだ。海外マンガへのニーズがどこにあるかも分かり面白い。投票は複数の翻訳マンガを読み込まないと出来ないため、必ずしも数は多くない。しかし、ガイマン賞の目標はイベントをすることで、海外マンガへの関心を高め、作品を紹介することにある。そうした点では、第1回より関連企画も多くなった今年は成功といって言いだろう。今回の発表を受けて12月7日16時から米沢嘉博記念図書館 2階閲覧室にて、トークイベントが行われる。「ガイマン賞2013結果発表と総まとめ&初期アメリカコミックの魅力について」と題して、椎名ゆかりさん(米コミック翻訳者)、三浦知志さん(初期アメリカコミック研究家) 、ミソトミツエさん(ガイマン賞企画者)が出演する。料金は無料だが、米沢嘉博記念図書館の会員登録が必要になる。ガイマン賞2013/http://gaiman.jp/
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