日本以外の地域で生まれたマンガ、米国のコミックスやフランスのバンドデシネ、さらにアジア各国の作品を紹介する企画、ガイマン賞が2013年も開催される。タイトルとなっているガイマン(GAIMAN)の由来は外国マンガ、日本語訳された外国マンガをまとめて紹介する試みだ。2012年10月1日から9月30日まで、日本で翻訳出版された海外マンガのなかから読者投票を行い、ベスト作品を決める。昨年第1位となった『闇の国々』(作者:ブノワ・ペータース(作)、フランソワ・スクイテン(画)訳者:古永真一、原正人)は、その後、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞にも選出されている。ただし、ガイマン賞の目的は作品に順位をつけることでない。投票をすることで、多くのファンが海外の作品に目を向けて、互いに面白い本を薦め合うというものだ。世界有数のマンガ大国とされる日本だが、これまでには必ずしも海外作品が多く紹介されてこなかった。より幅広い作品で、日本のマンガ文化を豊かにする試みだ。第2回となった今年は、主催として京都国際マンガミュージアム/京都精華大国際マンガ研究センター、米沢嘉博記念マンガ図書館、北九州市漫画ミュージアムが協力する。またガイマン賞のノミネート作品から、昨今のガイマンを取り巻く状況も伺われる。ノミネート対象となる作品は82、昨年の66を上回る。このうちアメコミが53作品、バンドデシネが15作品で大半を占める。近年、アメコミ、バンドデシネの翻訳出版が増えているとされるが、これを反映している。一方で、その他の地域は14作品にとどまった。優れた作品が増加しているアジア地域のガイマンはほとんど日本国内に伝えられていないのが現状だ。期間中は関連イベントも数多い。まず9月14日から11月17日までの2ヵ月間、先の3つのマンガミュージアムで、ノミネート全作品の開架展示を行う。また、10月5日には北九州市漫画ミュージアムで「~闇の国々展 ガイマン賞 開催記念~フランス漫画の魅力 BD作家 ヴァンサン・ルフランソワさんを囲んで」、10月13日には米沢嘉博記念図書館で「“ガイマン”をもっと楽しむために ―アメコミとBDの翻訳者に聞いてみた―」(出演:椎名ゆかり、原正人)、11月13日には大阪・アートエリアB1で「この翻訳海外マンガがすごい!「ガイマン賞2013」結果発表!」(出演:ミソトミツエ)を予定する。このほかにもイベントがあり、いずれも詳細はガイマン賞の公式サイトで確認出来る。敷居が高いと思われがちなガイマンだが、こうしたイベントは入口に最適でないだろうか。ガイマン賞2013/http://gaiman.jp/ 開催期間 :2013年9月14日~2013年11月17日主催:京都マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター、明治大学 米沢嘉博記念図書館、北九州市漫画ミュージアム協力:飛鳥新社、ヴィレッジブックス、河出書房新社、小学館集英社プロダクション、竹書房(五十音順)、原正人、フレデリック・トゥルモンド
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