「わたしは『凶暴』になりました」
ー 曲を作るにあたってきっかけにされたものはあるんですか? OPにもなった『惡の華』は実際ロケハンまでされたと言うことですけれど。
―しのさきあさこさん(以下しのさき)
漫画をもう一回読み直して、エネルギーの放出によって人間関係が動き出している、というのを感じたので曲にもエネルギーがみなぎってないとダメだなと思って、『凶暴』になりました。
―押見修造先生(以下押見)
『凶暴』は今回のキーワードですね。
ー 詳しくおうかがいしてもいいですか?
―しのさき
曲作り中、朝イチで蚊を殺したりとか。
ー 凶暴です(爆笑)。
―しのさき
今まで感情を出して歌う機会がなかったけど、今回は感情的に歌いました。レコーディングで歌録りを何度も何度も繰り返すうちに「凶暴な自分」を発見できて、気分すっきりでした(笑)。
―押見
すっきりしてくれてよかったです(笑)。オープニングの曲と歌い方がぜんぜん違いますよね。凶暴でした確かに。
―しのさき
もっとすごい凶暴テイクもありました。
―押見
あったんですか?!
―しのさき
もうちょっと抑え気味で、ということで何回も歌って。
―押見
もっと凶暴なものって、シャウトしてる、みたいな?
―しのさき
シャウトだらけみたいな。
―押見
へえー! 聞いてみたいですね。
ー 『凶暴』に歌うにはもちろん理由があるわけですよね。
―しのさき
原作の中学生編で一番凶暴なシーンがお祭りのシーンなんです。『白日夢』の一番最後の部分がそのお祭りにあたるので、そこに向かってちょっとずつ凶暴になっていってます。
押見 原作でも歌でも一番すごいところですね。
■ 20日間で曲を作って完パケまで
ー 曲の制作過程というのは具体的にどういう流れだったんでしょうか。
―しのさき
ニコ生会議の第一回で曲調、イメージを募集して。
―押見
そうですね。
―しのさき
賛美歌とか軍歌とか、たくさんいただいた中で『賛美歌』はとてもイメージに合っていると思って取り入れました。
―押見
テーマも『中学生編の終わり』と決まりました。その後しのさきさんが曲を作ったんですよね。
しのさき 作りました。
ー 8月21日も第一回と9月11日の第二回の放送の間ですよね。
―しのさき
その20日間で曲作ってレコーディングまでして完パケ。
ー とんでもないスケジュールですね。
―しのさき
それをやりました。
ー 作詞・作曲がしのさきさん。
―しのさき
はい。
ー ASA-CHANGさんは編曲やアレンジで参加されたということですね。あとは冒頭の押見先生のサンプリングを。
―押見
はい。そこはASA-CHANGさんですね。すごかったです。
しのさき すごかった。
―押見
短期間で大変だったでしょうね。作るの。
―しのさき
大変でした。今回は最初にパソコンで曲をアレンジまで作って。
―押見
そうなんですね。かっこいいですほんと。
ー ギターのカッティングやキックの強いドラムなどは宇宙人のメンバーがアレンジして、というのではなくて、しのさきさんの方で用意した音源をそのままバンドサウンドにしたということですか?
―しのさき
今回はそれでした。