―― なるほど。少し話を元に戻したいんですが、エルエルフと対になるもうひとりの主人公・ハルトに関してはいかがでしょうか?
―― 池谷浩臣プロデューサー(以下、池谷)
僕としては、第1話でヴァルヴレイヴと出会ったことによって、世界における彼の立ち位置が決定的に変わってしまった、と思っているんですね。自分の身体に変化が起きて、しかもその変化には隠された秘密があるらしい、と。それを知ったハルトは、今までの牧歌的な学園生活を送っていたハルトとは、確実に変わらざるをえない。それが果たして「成長」といえるかどうかは分かりませんが…。
これまでの彼は、状況に対してリアクションを返すキャラクターだったのですが、これからは、彼が自分の意思を持って、積極的に行動に出ていく。そういう部分も描ければな、と思っています。
―― 丸山博雄プロデューサー(以下、丸山)
1期で描いているのはハルトの「成長」ではなくて、たぶん「変化」なんです。ハルトという人は、“教室の中の平和な日常”においてはいわゆる“いいヤツ”だったと思うんです。でも、想像を超えるの“異常な状況下”に陥ったとき、それまでとはまったく違う価値観にさらされざるをえない。
―― 戦争状態の真ん中に、しかも兵器のパイロットになってしまった、という。
―― 丸山
そういう意味では、ハルトとショーコというのは、ある種の混乱状態にあるんだと思うんです。これまでずっと持ってた行動する際の判断基準がまったく通じないという…。
劇中では、彼らの行動を勇壮に、あるいはドラマチックに描いてはいるんですけども、その行動自体、引いた視点で見たときに果たして正しかったのどうか。見る角度によっては疑問の余地もあると思ってます。『ヴァルヴレイヴ』1stシーズンは、そういう混乱した状況――戦争という状況のなかで、“変わってしまった”少年少女たちの物語でした。
秋から始まる2ndシーズンは、そこから時間が経って、少し頭が整理された状態から物語がスタートします。これまでの、混乱の最中にいた頃の彼らよりは、ようやく状況を把握し、打開のために前を向いて、動くようになるのかなと思っています。
そういう意味では、2シーズン目は少し「成長」の側面が出てくるのかもしれません。
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■ 2ndシーズン 新たに展開する物語や登場するキャラクター、メカも
―― では最後に後半、2ndシーズンにかける意気込みをお願いします。
―― 丸山
『ヴァルヴレイヴ』は当初、普通に連続した2クールで放映したいと考えていた作品です。なので、1stシーズンのラストを見て、「最終回感がうすい」と思われた方も多かったのかもしれないな、と思います。そこに関しては、本当に申し訳なく思っています。
ただ分割2クールになることが決まって、そこで強引にクライマックスを作ることで、シリーズ全体のバランスを崩すことは避けたかったので、あくまで全体のなかの、12話ということを重視させていただきました。
―― あくまでも通過点なわけですね。
―― 丸山
自分は、放送局という立場ですので、「とにかく毎週、次の放送が楽しみ」であるというのをとても大事にしたいと思ってます。日常生活でイヤやことや辛いことがあっても、「今日は家に帰ったら、テレビであのアニメがある」と思うと、少しは元気になれたり。そこがテレビアニメのいいところなのかなと。だから、前のめりに見てくださってる方、少し引いた視点で見ている方、肯定的、否定的すべて含めて、どんなスタンスの視聴者の方にも楽しみに待って頂けるような、そういう作品になれれば幸いです。「今週のヴァルヴレイヴは一体どんなことやってくるんだろう」、という“期待”もしかしたら“不安”も含め、持っていて頂ける“テレビアニメ”でありたいです。
―― 池谷
現場としてはそこに対して、どういう物語や絵を提示できるかだと思うんですが……。2ndシーズンからまた新たに展開する物語があったり、新たに登場するキャラクターやメカもあります。
地続きとはいえ、また新たな気持ちで、テレビの前のみなさんにわいわい楽しんでもらえるような、そういう作品にするべく、頑張っています。ぜひご期待ください。
『革命機ヴァルヴレイヴ』 2ndシーズン
MBS・TBS・CBC・BS-TBS “アニメイズム”枠にて 2013年 10月より始動
テレビアニメ公式サイト /http://www.valvrave.com/
公式ツイッターアカウント @ valvrave
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