7月18日から8月6日まで、カナダのモントリオールで北米最大のジャンル映画祭であるファンタジア国際映画祭(Fantasia International Film Festival)が開催された。 映画祭は近年急激に成長しており、2013年は31ヵ国から131本の長編映画、短編映画220本が上映されている。オープニング作品は日本の三池崇史監督の『藁の楯』、クローシング作品はエドガー・ライト監督の『ザ・ワールズ・エンド(The World's End)』だった。期間中は昨年よりも15%多い、延べ12万5000人の観客で賑わった。
最優秀長編アニメーション賞にあたる今敏賞(Satoshi Kon Award for Achievement in Animation)は、日本から出品された『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』(窪岡俊之監督)と『言の葉の庭』(新海誠監督)のダブル受賞となった。さらに審査員特別賞にあたるSpecial Mentionには、『放課後ミッドナイターズ』(竹清監督)が選ばれた。 最優秀賞のダブル受賞は珍しいが、映画祭はいずれも傑出した作品、個性的な技で驚異的なフィルムを生み出したとする。なお賞に冠されている「今敏」の名前は、2010年に亡くなった日本のアニメ監督今 敏さんの業績を讃えて2012年からつけられたものだ。
また、最優秀短編アニメーション賞には、湯浅政明監督の『キックハート』が選ばれた。2013年にプロダクションI.Gのもと制作されたエッジの効いた短編である。 Special Mentioは2作品、イリア・ロペス監督の『JAMON』(英国)、ヨン・サンホ監督の『THE WINDOW』(韓国)である。『JAMON』は絵本のような2Dアニメーション、『THE WINDOW』は長編アニメーション『豚の王』で知られる監督の短編で、こちらも2D作品である。