米国アイズナー賞 日本作品ノミネートはアジア部門4作品「テルマエ・ロマエ」など | アニメ!アニメ!

米国アイズナー賞 日本作品ノミネートはアジア部門4作品「テルマエ・ロマエ」など

ウィル・アイズナー賞の2013年の各部門のノミネート作品が発表された。日本マンガでは米国で翻訳出版されたアジア作品を対象とするアジア部門に4作品が挙がっている。

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米国のコミック業界が毎年選出するウィル・アイズナー賞(Will Eisner Comic Industry Awards)の2013年(対象は2012年)の各部門のノミネート作品が発表された。例年は、日本マンガの翻訳作品もいくつか挙がるが、今年は米国で翻訳出版されたアジア作品を対象とするアジア部門(Best U.S. Edition of International Material Asia)の4作品だけとやや寂しい結果となった。

アジア部門の候補作とされたのは、デジタルマンガから刊行された手塚治虫の『ばるぼら』、VIZ Mediaによる浦沢直樹の『20世紀少年』、Drawn & Quarterlyによる水木しげるの『のんのんばあとオレ』、そしてYen Pressが発売したヤマザキマリの『テルマエ・ロマエ』だ。手塚、浦沢、水木の3人はこれまでにも米国で評価が高く、たびたびノミネートや受賞を重ねてきたが、ヤマザキマリのノミネートは初めてだ。『テルマエ・ロマエ』が米国でも高い評価を受けていることが分かる。
一方、例年日本作品が大半を占めるアジア部門に、今回初めて中国作品がノミネートされたのが注目される。中国人Li Kunwuと中国在住のフランス人P. Otieによる『A Chinese Life』、中国の文化大革命期のアーティストの実話について描いたものだ。
本作は実話部門(Best Reality-Based Work)でも候補に挙がっている。もし、アジア部門を受賞すると日本マンガ以外では初となる。

日本との関連では、ほかにもいくつか気になる候補がある。ベストカバーアーティスト(Best Cover Artist)にニューヨーク在住のイラストレーター清水裕子の名前が挙がっている。Vertigoから発売された『The Unwritten』の仕事が評価された。『The Unwritten』は、ダークファンタジーのビッグタイトル「The Sandman」をテーマにした作品だ。
米国のコミックは作業ごとに特化したプロフェッショナルがおり、それぞれが高く評価されている。カバーイラストもそのひとつだ。近年、米国のコミックで活躍する日本のアーティストが増えているが、清水裕子はその代表と言えるだろう。清水はコミック以外でも、米国イラストレーター協会(Society of Illustrators)のゴールドメダル受賞などで高く評価されている。

また、ベストパブリケーションデザイン賞(Best Publication Design)のノミネート作品『Dal Tokyo』も気にしたい。Dalとはダラスのことで、ダラス在住の若者がいかに日本のポップカルチャーに影響を受けたかを描く。
アイズナー賞は、今後、米国コミック業界の専門家の投票を得たうえで、受章作品を決定する。7月に米国のサンディエゴで開催されるコミコン・インターナショナルの会場で授賞式、発表を行う。

ウィル・アイズナー賞((Will Eisner Comic Industry Awards)
/http://www.comic-con.org/awards/will-eisner-comic-industry-award-nominees-2013
《animeanime》
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