決定版!「マクロス」による「マクロス ザ・ミュージカルチャー」 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第5回 | アニメ!アニメ!

決定版!「マクロス」による「マクロス ザ・ミュージカルチャー」 高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第5回

連載・コラム 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義

高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義 
第5回


決定版!
「マクロス」による「マクロス ザ・ミュージカルチャー」


[取材・構成: 高浩美]


テレビでSFアニメ「超時空要塞マクロス」が放映されてから今年で30年になる。テレビアニメはもちろん、OVA、アニメーション映画などを中心に展開され、多くのファンを魅了している。可変戦闘機のメカアクション、歌、三角関係の恋愛ドラマの3つを主体とし、圧倒的な作画と3DCG、多岐にわたる楽曲で作品世界を構築している。

■ 新しいスタイルの“ジュークボックス・ミュージカル”

今回、アニバーサリー企画としてさまざまなものがあるが、ミュージカル化は初めての試み。これだけシリーズがある作品、楽曲も相当数にのぼる。このミュージカルは数々の「マクロス」で歌われてきた曲のみで構成する。
実は、既存の楽曲でミュージカルを構成する手法はすでに存在する。有名な作品ではABBAの楽曲で構成した「マンマ・ミーア!」(注)、日本のオリジナルではユーミンの楽曲で構成された「ガールフレンズ」(2006年)、竹内まりやの楽曲を使った「本気でオンリーユー」(2008年)がある。これらは“ジュークボックス・ミュージカル”と呼ばれるスタイル。定義は曖昧な点もあるが、既存の曲を使うというアイディアは世界最古のミュージカルと言われている「ベガーズ・オペラ」(1728年)までさかのぼることが出来る。
しかし、これらと今回の「マクロス ザ・ミュージカルチャー」と決定的に異なる点がある。例えば「マンマ・ミーア!」の物語の舞台はギリシャの小さい島のホテル。登場人物の気持ちや状況等に上手く楽曲を当てはめて、良質のエンターテインメント作品に仕上げている。
しかし、この「マクロス ザ・ミュージカルチャー」の楽曲自体は全て「マクロス」で使用されたもの。つまり、「マクロス」の枠の中で見事に“完結”させている。この点では新しいスタイルの“ジュークボックス・ミュージカル“といえよう。

■ 「マクロス」の面白さを凝縮した“超時空”舞台

物語の時代設定は西暦2062年。地球を出発して29番目となる新マクロス級移民船団マクロス29(ツーナイン)が舞台。船団は経済危機に陥っていた。失業率も高く、若者を中心にゼントラーディによる武力再興主義「ネオ・ゼントラン」の勢力が高まっていくところから物語は動き出す。景気回復政策として「ミス・マクロスコンテスト」が企画される・・・。
まず、5人の歌姫たちの歌から始まる。ここで一気に観客を「マクロス」の世界に引きずり込む。ダイナミックなダンス、「愛・憶えていますか」を始めとした数々の“名曲”でテンポ良く展開される物語は一気に「ミス・マクロスコンテスト」へと“突入”する。

アニメの舞台化というと、すでにあるストーリーやキャラクターを舞台にのせるのが“王道”だが、これは全くのオリジナルストーリー、オリジナルキャラクターであるところが“挑戦的”。しかも劇中で「ミス・マクロスコンテスト」があるが、舞台上で行われるだけあって“リアル”な印象を与える。振付も新しいスタイルを取り入れて、舞台に躍動感を与えている。俳優陣もキャラクターをしっかりと体現しており、マクロスの世界観を構築している。また今年4月より応募を開始した「ミス・マクロス30コンテスト」でホスト・デカルチャー賞を受賞した「片木ゆき」が出演しているのも面白い“仕掛け”といえよう。

■ 舞台だけじゃない、「マクロス」をまるごと体感せよ!

10月20日より映画「マクロスFB7 銀河流魂 オレノウタヲキケ」が公開される。「マクロスF」のテレビシリーズをリマスターして再構築、そこに「マクロス7」の完全新作映像を加えて融合させたものだそう。この全く新しい試みは「マクロス」だから出来るのかもしれない。
また、東京ドームシティ内アトラクションズとコラボし、「超時空遊園地 マクロススタンプラリーin東京ドームシティ アトラクションズ」が9月28日より開催中(11月4日まで)。そのほかにもイベントが盛りだくさん。30周年だから、の企画、まるごと体感して楽しんでみては。

(注)1999年4月6日ロンドン初演。ABBAの楽曲22曲で構成。この日はABBAユーロビジョンコンテストで優勝してから25年目だったこともあって話題に。日本では2002年、劇団四季によって上演。現在は札幌の北海道四季劇場にて上演中。2008年にはメリル・ストリープ主演で映画化。ジュークボックス・ミュージカルとしては最も成功したミュージカルのひとつに数えられている。

「マクロス ザ・ミュージカルチャー」
公演中〜10月8日
東京ドームシティホール
/http://macross-musicalture.com/

マクロス30周年プロジェクト公式HP
/http://macross30.com/news/201209.html#food

マクロスFB7 銀河流魂 オレノウタヲキケ
/http://www.macross30.com/fb7/index.php

[高 浩美 (こう・ひろみ)]
東京都文京区出身。
生活情報誌「レタスクラブ」にてエンターテインメント欄を担当後、演劇雑誌「ソワレ」編集、総合女性誌副編集長等を経験。テレビ情報誌「ステラ」にて宝塚や歌舞伎、能等の特集を手掛け、また書評も担当。また、東京アニメセンター広報業務にも携わり、主に外国メディアを担当した。
「MUSICAL WALKER」(角川書店)「タカラヅカ新世紀」(NHKサービスセンター)「ミュージカル新世紀☆スター名鑑」(グラフィック社・著書)「華麗なるミュージカルガイド」(キネマ旬報社)なども手掛けた。
《animeanime》
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