高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義 第1回 「銀河英雄伝説」—宇宙を飛び回る勇者達は何を想う | アニメ!アニメ!

高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義 第1回 「銀河英雄伝説」—宇宙を飛び回る勇者達は何を想う

■ ただ1度の舞台化では語れない、それが「銀英伝」■ 撃墜王たちの苦悩、喜び、生き様が舞台に蘇る■ まだまだ、あるある「銀英伝」[取材・構成: 高浩美]

連載・コラム 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義 第1回 

「銀河英雄伝説」—宇宙を飛び回る勇者達は何を想う


[取材・構成: 高浩美]

■ ただ1度の舞台化では語れない、それが「銀英伝」

「銀河の歴史が、また1ページ」このフレーズ、ファンなら、よく知っているはず。田中芳樹原作「銀河英雄伝説」、実は昨年から舞台化されており、観客動員数も約30,000 人、小説は総計1500 万部、アニメ、漫画、コンピューターゲームにもなっている、まさに超人気SF 作品なのである。
物語ははるか遠い未来、人類はその勢力を銀河系にまで広げていき、今や人類は「銀河帝国」と「自由惑星同盟」に分かれて不毛な戦いを繰り広げていた。そこに突如として現れた2人の名将、銀河帝国には、大いなる野望を持つ常勝ラインハルト・フォン・ローエングラム、自由惑星同盟には不敗の魔術師ヤン・ウェンリー。この2人を主軸に物語は展開する。

原作は小説ではあるものの、アニメも絶大なる人気を誇る。魅力的な登場人物、多数、しかも豪華声優陣によって「命」を吹き込まれたキャラクター達は小説を超えて観る者に様々なテーマを語りかけてくれる。そんな作品だから、繰り返しの再放送、今年も春に一挙上映されている。
この、とてつもなく壮大な物語、1度の舞台化で語り切れる訳がない。昨年は「銀河英雄伝説 第1章 銀河帝国篇」「銀河英雄伝説 外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール篇」「銀河英雄伝説 外伝 オーベルシュタイン篇」、今年の春は「銀河英雄伝説 第2章 自由惑星同盟篇」を上演した。アニメが原作の舞台やミュージカルは多数ある。もちろん、“原作ありき”でアニメのイメージを踏襲するのだが、「舞台版とアニメは別物」というケースもあり、それはそれで、作品世界が新たに展開され、観客には新鮮に映る。ところが、この作品は、アニメから抜け出たような感があり、その上に舞台ならでは「生身の登場人物がまさにそこにいる」錯覚に襲われるのである。聞き覚えのある台詞が随所に散りばめられていてファンとしては、正直嬉しい限りである。今年の春に上演された「銀河英雄伝説 第2章 自由惑星同盟篇」では河村隆一がヤン・ウェンリーを演じていたが、自身が熱狂的ファンということも相まって「リアルにヤンがいる!」とまで思わせてくれた。


■ 撃墜王たちの苦悩、喜び、生き様が舞台に蘇る

さて、今回の「銀河英雄伝説 撃墜王」だが、主人公はパイロットのオリビエ・ポプラン。この陽気で女好きな天才パイロットを演じるのは中川晃教。ミュージカルを始め、数々の舞台で活躍している実力派だ。このポプランを中心とした“撃墜王”イワン・コーネフ、ウォーレン・ヒューズ、サレ・アジズ・シェイクリの4人の最強カルテット、戦いに出るたびに撃墜した数の勝ち負けで賭けをしている。しかし、常に生還しなければ賭けは楽しめない。デンジャラスで粋な4人と同盟軍の勇者達を中心に銀河の歴史が動いていくのである。
舞台は、のっけから戦闘シーンが始まる。クレーンを使っての立体的な演出で宇宙大戦争がところ狭しと繰り広げられる。しかし、スペクタクルなシーンばかりではない。男達の生き様や野望、理想、友情などもきっちりと描かれている。
原作やアニメ版もそうだが、人間の本質を常に問いかける。ポプランは「俺たちはなんのために戦ってるんだ?」と何度もつぶやく。その答えは見つからない。そして、やれ女だ、酒だ、と陽気に騒ぐ。騒げば騒ぐ程に彼らが抱く不安や疑問がそこはかとなく浮かび上がる。作品の世界観をきっちりと表現、さらに舞台ならではの演出が冴える。照明、楽曲、効果音などエンターテインメント感満載。また、歌唱力には定評のある中川晃教、見せ所では歌うシーンがしっかりあり、ファン納得の場面であろう。

■ まだまだ、あるある「銀英伝」

そして、11 月にはまたまた“銀英伝”、こちらは「銀河英雄伝説 輝く星 闇を裂いて」。「薔薇の騎士」連隊やシェーンコップが登場する。さらに宝塚歌劇団でも今月31 日から宝塚大劇場にて上演。こちらは「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」と銘打っており、宝塚ならではの手法に期待したい。


[公演DATA]
☆銀河英雄伝説 「銀河英雄伝説 撃墜王」 上演中~8月12 日(日)銀河劇

☆銀河英雄伝説 「銀河英雄伝説 輝く星 闇を裂いて」11 月15 日(木)~18
日(日)東京国際フォーラムC
チケット発売 10 月6 日(土)~
/http://www.gineiden.jp/gekitsui/


[高 浩美 (こう・ひろみ)]
東京都文京区出身。
生活情報誌「レタスクラブ」にてエンターテインメント欄を担当後、演劇雑誌「ソワレ」編集、総合女性誌副編集長等を経験。テレビ情報誌「ステラ」にて宝塚や歌舞伎、能等の特集を手掛け、また書評も担当。また、東京アニメセンター広報業務にも携わり、主に外国メディアを担当した。
「MUSICAL WALKER」(角川書店)「タカラヅカ新世紀」(NHKサービスセンター)「ミュージカル新世紀☆スター名鑑」(グラフィック社・著書)「華麗なるミュージカルガイド」(キネマ旬報社)なども手掛けた。
《animeanime》
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