杉井ギサブロー監督、「グスコーブドリの伝記」を語る 広島国際アニメフェス | アニメ!アニメ!

杉井ギサブロー監督、「グスコーブドリの伝記」を語る 広島国際アニメフェス

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「グスコーブドリの伝記」
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8月25日、第14回広島国際アニメーションフェスティバルで杉井ギサブロー監督の最新長編『グスコーブドリの伝記』が上映された。
『グスコーブドリの伝記』は今年7月に全国ロードショーとなっているが、杉井監督が当フェスティバルに縁が深いことからプログラムに組み入れられた。1985年の第1回にコンペティションで手塚治虫の『おんぼろフィルム』がグランプリとなるなど手塚治虫と深い関わりがある。杉井監督も虫プロに属していたことから、これまで審査委員やトークショーなどでたびたび訪れている。

杉井監督の来場は公示されていなかったものの、大ホールでの上映の際に挨拶で壇上へ姿を現わすと観客から暖かい拍手で迎えられた。上映の後は、別室でトークショーも開催された。

「映画言語、映画原作という形で仕上げていく。僕の童話の読み方や考え方が伝われば」と、主に杉井監督は映画の公開以降、何故原作と違うのかとよく聞かれることについて話した。宮沢賢治の原作が「お国のために死んでいくという美化に利用された」面も踏まえて「僕自身は現代人が過去の戦争でという自己犠牲では捉えてない」ことを強調した。
「伝記なのでリアルの話ではなくて、クーボー博士が後になってお話をした構成という解釈でやった。今日は英文タイトルが“Life(of Budori Gusuko)”になってたので違うかなと」。

制作については「一番の贅沢は自然の部分の阿部行夫さんと夢の部分の平田秀一さんという2人のベテラン美術が特色」と語り、夢の部分に浅草十二階(凌雲閣)が登場したのも亡くなった最初の田代プロデューサーが出してほしいと言っていたことに触れた。
「夢なのでいいかな」と言いつつも、賢治が上京していたこともあるので登っていたに違いないと補足した。

映画に人形のコマ撮りが登場したことの質問に対して、本作の前の話でもある「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」にチベットが出てくることからチベット人形を入れたと答えた。そしてコマ撮りだけでなく全体的な話の展開も含めて「全部まとまってしまうと広がりがなくなってしまう。あまりカッチリまとめすぎるんじゃなくて違和感がある方がいい」と述べた。「(映画の終劇も)原作ではブドリが残ったとだけしか書いてないので光にするというファンタジーにした」。
また映画の構成の焦点は賢治の命に対する考え方で、「そこが問題で3年ほど悩んだ」と苦労も覗かせた。
さらにこの後は、エデュケーショナル・マーケットでもトークショーを行った。こちらは学生を対象にした業界ガイダンスとなっていた。観衆として参加していた読売テレビの諏訪道彦プロデューサーにも話を振るなど、学生にとって有意義なものであった。
[真狩祐志]

広島国際アニメーションフェスティバル 
/http://hiroanim.org/
《animeanime》
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