8月27日、第14回広島国際アニメーションフェスティバルが閉幕した。今回は初めてコンペティションへの応募作品が2000作品を超える激戦から、66作品が本選にノミネートされていた。閉幕となった27日には、コンペティション部門各賞が発表された。グランプリには、中国のドミトリー・ゲラー監督の『ネコを埋葬するネズミを見た』、ヒロシマ賞はレジーナ・ペソワ監督の『カリ、ザ リトル バンパイヤ』が受賞した。そうしたなかで木下蓮三賞に、水尻自子さんの『布団』が輝いた。また優秀賞には山村浩二さんの『マイブリッジの糸』が選ばれた。またフランス資本で制作された和田淳さんの『グレートラビット』も優秀賞の1つとなった。 これまで水尻さんの『布団』はASK?映画祭2012で大賞も受賞している。山村さんの『マイブリッジの糸』は第15回文化庁メディア芸術祭で優秀賞など、和田さんの『グレートラビット』は今年のベルリン国際映画祭で銀熊賞などを受賞している。山村浩二さんは「学生の時以外は賞を頂いてます。第4回(1992年)以降しばらく賞を頂けてなかったですが(第10回2004年の『頭山』から出品した際に)また賞を頂けて嬉しく思います」と受賞の喜びを語った。また、水尻自子さんは「改めて審査員と観客の皆様にありがとうと言いたいです。私はこのような賞を頂くのは初めてで、私の新しい大きな一歩になったと思います」とコメントした。フェスティバル・ディレクターの木下小夜子さんが「木下蓮三って知ってますか?」と水尻さんに訊ねると、水尻さんは「存じております」と返した。木下蓮三さんはアニメーション作家で、生前はアニメーションを通じた国際交流に尽力した。木下小夜子さんの夫でもあった。木下さんはこの質問したことについて、「過去に取った人達を自分の子供のように思ってます」との意図があると話した。[真狩祐志]広島国際アニメーションフェスティバル/http://hiroanim.org/ 第14回広島国際アニメーションフェスティバル 受賞作品グランプリ『ネコを埋葬するネズミを見た』 ドミトリー・ゲラーヒロシマ賞『カリ、ザ・リトル・バンパイア』 レジーナ・ペソワデビュー賞『スティッキー・エンズ』 オスマン・セルフォン木下蓮三賞『布団』 水尻自子観客賞『ヘッド・オーバー・ヒールズ』 ティモシー・レカート国際審査員特別賞『チンティ』 ナタリア・ミルゾヤン『トラム』 ミカエラ・パヴラトヴァ『サンデイ』 パトリック・ドヨン『ウルサス』 レイニス・ペーテルソヌス『ビューティフル・デイ』 ドン・ハーツフェルト優秀賞『マイブリッジの糸』 山村浩二『グレートラビット』 和田淳『小鳥と木の葉』 レナ・フォン・ドェーレン『ハウル』 ナタリー・ベッテルハイム/シャロン・ミハエリ『TWO』 スティーブン・サバトニック
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