短編、卒業制作・学生作品、テレビ/委託制作の各部門のコンペティションに延べ164本、短編のアウトオブコンペティションに40本、長編部門に20本(コンペティションとアウトオブコンペティション各10本)が選ばれた。 独立系アニメーション作家の上映会のスピリットを継承する短編部門、そして若い才能を顕彰する卒業制作・学生作品部門には、それぞれ49本と55本の新作がノミネートされた。 短編部門の最優秀賞クリスタルがフランスの『Tram(原題 トラム)』(Michaela PAVLATOVA(ミカエル・パヴラトヴァ)監督)、審査員特別賞がフランスとカナダ合作の『Edmond était un âne(原題 ロバのエドモンド)』(Franck DION(フランク・ディオン)監督)、そして観客賞がカナダの『Second Hand(原題 セカンドハンド)』(Isaac KING(アイザック・キング)監督)に贈られた。
フランスと日本の合作で津波に襲われる日本人をPCゲームのキャラクターのように描いた『The People Who Never Stop(動じない)』(Florian PIENTO(フロリアン・ピアント)監督)が初監督賞に当たるJean-Luc Xiberras賞を受賞した。 手書き、オブジェクトやパペットのコマドリ、実写合成、そしてCGアニメーションなど、今回もさまざまな技法を楽しめたが、コンピュータを主に用いた2作が最優秀賞クリスタルと審査員特別賞に決まった。 特別賞のデンマークの『Seven Minutes in the Warsaw Ghetto(原題 ワルシャワゲットーでの7分間)』はパペットアニメーションだが、顔の表情を作るためモーショングラフィックスが用いられた。監督のJohan OETTINGER(ヨハン・ウィッティンガー)は27歳ながら、独学でアニメーションを習得し、これまでに数々のストップモーション・アニメーションと実写映画を手掛け、CMやミュージックビデオで経験豊富な若手監督だ。受賞は逃したが、フランス、ベルギー、オランダ合作の『Oh Willy...(原題 オー ウィリー!』(Emma DE SWAEF、Marc James ROELS共同監督)もフェルトを用いたパペットアニメーションで、オランダとザグレブのアニメーション・フェスティバルではグランプリを受賞している。