5月10日、東京・六本木ニコファーレにて、今夏に東京都現代美術館にて開催される大型企画展「館長 庵野秀明 特撮博物館」の記者発表会が行われた。企画展のタイトルにも名を連ねる庵野秀明さん、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、映画監督・特撮監督の樋口真嗣さんが、ライブとインターネットが融合する空間として注目されるニコファーレに姿を見せた。企画展は、戦後から昭和にかけて映画やテレビで一斉風靡をした特撮映画にフォーカスしたものだ。精巧なミニチュアを中心に、SF世界などの映像を創りあげてきた技術や資料を一気に展示する。展示品はミニチュアからデザイン画までの様々な資料約500点にも及ぶ。また、特撮映画を作る夢の詰まった場所として、撮影所内にあった特撮美術倉庫を美術館内に再現する。さらに展示のクライマックスには、16m四方ものミニチュアステージを置かれる。特撮カルチャーを感じられる最高のエンタテイメントになる。展示されるタイトルは『ゴジラ』、『地球防衛軍』、『モスラ』、『妖星ゴラス』、『海底軍艦』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『マイティジャック』、『日本沈没』、『恐竜探検隊ボンフリー』、平成ガメラシリーズ・・・など。主なものだけで40以上にも及ぶ。華やかな展覧会になるが、その企画は庵野秀明さんの特撮カルチャーに対する危機感からスタートした。庵野秀明さんは、特撮はデジタル技術の発展と共に姿を変え、往年ミニチュアや小道具などの技術は失われつつあると危機感を持つ。現在は、それを残しておける最後の機会だという。記者会見では「大好きだったものが消えつつある。それは仕方ない。ただ、こういうものがあったということは残して置きたい、今回の企画展はその第一歩。」と熱い想いを語った。展覧会のタイトルにある「特撮博物館」には、今後恒久的に特撮の記憶を残す場所作りたいとの意図が含まれている。今回の企画展はスタジオジブリ/三鷹の森ジブリ美術館の協力で実現している。長編アニメでよく知られるスタジオジブリと特撮という意外な組み合わせは、こうした庵野秀明さんの気持ちをくみ取った鈴木敏夫プロデューサーの発案から始まった。「特撮の博物館を作りたい」、「ジブリ美術館の隣に土地がある」との話を、まず展覧会をやってみてはどうかとした。そこから、これまでも企画展でつながりの深かった東京都現代美術館での今回のプロジェクトに発展した。企画展をやることで、現在、何が、どこに残っているのか把握出来ると鈴木敏夫プロデューサーは話す。しかし、これが今後のさらなる大きなプロジェクトになっていくかはいまは分からない。まず、この夏の「館長 庵野秀明 特撮博物館」に訪れて、その第一歩を確認したい。「館長 庵野秀明 特撮博物館」ミニチュアで見る昭和平成の技http://www.ntv.co.jp/tokusatsu/index.html開催期間: 2012年7月10日(火)~10月8日(月・祝)開催場所: 東京都現代美術館 企画展示室1F・B2F主催: 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館/日本テレビ放送網/マンマユート団企画制作協力: スタジオジブリ/三鷹の森ジブリ美術館 館長: 庵野秀明 副館長: 樋口真嗣 展示コーディネート: 原口智生、西村祐次
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