03年に、民間組織から教育省のCVU Midt-Vest(デンマーク中西部の統合大学)傘下の国立機関となり、バチェラーコース(学部レベル)を開設した。 一方、The Travelling WorkshopやKids in Motionといった、子ども向けのアニメーション指導にも手を広げ、実務者向けの短期訓練コースも併行しておこなっている。このような国内向けコースの拡大は、ヴィボール市や中央政府・文化省の理解と助成を受けておこなわれてきた。
■TAWの原動力は、国際的なネットワーク
TAWが創立時から続け、TAWを特徴づけるのが“オープンワークショップ”、いわゆるアーティストインレジデンスだ。中央政府からの予算で、独立系作家に創作環境を提供する。撮影からTAWでおこなう作家もいれば、ポストプロダクションの過程だけTAWでおこなうこともできる。作家・監督の参加の仕方はフレキシブルだ。責任者のティム・ルボーニュ氏によると、対象者の国籍を問わず、半数は外国人だ。 また、EU内の大学や専門校との交流が活発だ。昨年、EUの支援で実施された「Animation Sans Frontiere(アニメーション・サンフロンティエール)」は、TAW、フランスのゴブラン校、ドイツのバーデンバーデンヴュルテンベルク州立フィルムアカデミー、ハンガリーのMOME校が持ち回りで、学生を移動させながらおこなうプロデューサー養成ワークショップで、今後も参加校を増やしながら継続する。ヨーロッパの若手は早い時期から国境を越えた活動に慣れる。これが、国際合作のハードルを低くするのであろう。TAWキャンパス近くには、講師やスタッフの宿泊棟があり、オープンワークショップの作家らも寝食を共にすることがある。