このDigiCon6は、TBSの主催でクリエイターの発掘および支援を目的として2000年から開始された映像コンテストである。今回もアジアからの応募受付が行われ、日本を含む10地域から計2248作品が集まった。
今回の最優秀賞は香港の制作会社による『Hidden Elders』となった。3Dを手描きタッチで馴染ませており、日本国内でも主流の手法がとられた作品だ。
このほか海外の作品では優秀賞にインドの制作会社による砂絵アニメーション『Chai Break』、奨励賞にマレーシアの制作会社による『SALADIN』が選ばれた。『SALADIN』は昨年の東京国際アニメフェア2007の公募部門で東京ビッグサイト賞を受賞していた作品でもある。
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国内の主な受賞作品としては、サンライズ賞に岡本憲昭氏の『ALGOL』、丸の内賞に上甲トモヨシ氏の『BUILDINGS』、BS-i賞に仁藤潤氏の『JIRO AND MIU』、優秀賞に高橋昂也氏の『レブン』と長尾武奈氏の『チェーンソー・メイド』などが選ばれた。
岡本氏の『ALGOL』は、デジタルクリエイターズコンペティション2008で金の翼賞、第14回学生CGコンテスト動画部門で優秀賞も受賞している。
上甲氏の『BUILDINGS』は、最近では第12回いばらきデジタルコンテンツ・ソフトウェア大賞2008で茨城県知事賞や四国コンテンツ映像フェスタ2008で最優秀賞、富山水辺の映像祭2008でクリスタル・サンダー賞と軒並み最高賞に該当する受賞が続いている。
仁藤氏の『JIRO AND MIU』は、東京国際アニメフェア2008の公募部門でTOKYO MX賞や第4回吉祥寺アニメーション映画祭でスタジオ4℃賞を受賞している。
また高橋氏の『レブン』は、今月14日から3日間開催された第4回山形国際ムービーフェスティバル2008のアニメ・CG部門でグランプリを受賞していた。
そして『チェーンソー・メイド』の長尾氏へは、今回審査員として初参加した漫画家の楳図かずお氏から特別にサイン入り色紙も授与された。このサイン入り色紙へは、壇上で楳図氏自ら『まことちゃん』風に長尾氏本人の似顔絵も描かれた。
この『チェーンソー・メイド』は、現在YouTubeでは135万再生を超えている。タイトルからも察することが出来るように暴力表現が含まれる作品ではあるが、クレイアニメーションとしての質の高さで審査員から高評価を得た。特に今回は楳図かずお氏も審査員として加わっていた事も大きな要因として挙げられるだろう。壇上で『チェーンソー・メイド』について熱く語る楳図氏が印象的だった。
【真狩祐志】
DigiCon6 /http://www.tbs.co.jp/digicon/
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第10回DigiCon6 受賞作品
最優秀賞
『Hidden Elders』 Radio Television Hong Kong / Postgal Workshop
優秀賞
『Chai Break』 National Institute of Design
『レブン』 高橋昂也
『チェーンソー・メイド』 長尾武奈
BS-i賞
『JIRO AND MIU』 仁藤潤
丸の内賞
『BUILDINGS』 上甲トモヨシ
サンライズ賞
『ALGOL』 岡本憲昭
HP&Microsoft賞
『capcell』 武士由衣香
TBS DigiCon6.com賞
『ソフトさんの悲劇バージョン3.0』 杉山実
奨励賞
『SALADIN』 MULTIMEDIA DEVELAPMENT CORPOLATION
『Orchestra』 小川雄太郎/大川原亮/奥田昌輝
『yume』 斉藤俊介
『ラストダンス』 渋江修平
『CHIMERA』 知山裕
『Central Dogma』 松岡毅