アニー賞映画賞『カーズ』が受賞 ゲーム部門はD3が獲得(2/12) | アニメ!アニメ!

アニー賞映画賞『カーズ』が受賞 ゲーム部門はD3が獲得(2/12)

 2月に入り世界各地の映画関連の賞レースがピークを迎えている。こうしたなか、米国ではアニメーション業界の最も重要なイベントであるアニー賞の2006年の各賞が発表された。
 なかでも最も注目されるベスト映画賞は『カーズ』(ジョン・ラセター監督)が受賞し、ライ

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 2月に入り世界各地の映画関連の賞レースがピークを迎えている。こうしたなか、米国ではアニメーション業界の最も重要なイベントであるアニー賞の2006年の各賞が発表された。
 なかでも最も注目されるベスト映画賞は『カーズ』(ジョン・ラセター監督)が受賞し、ライバルと見られた『ハッピーフィート』などを下した。
 アニー賞は国際アニメーション協会ハリウッド支部(ASIFA-Hollywood)の会員によって投票で決められる。アニメーションの専門家によって選ばれることや、その部門賞の多さから米国のアニメーション業界から注目されている。

 『カーズ』は一昨年の『Mr.インクレディブル』に続くピクサー作品のベスト映画賞となる。しかし、賞全体では『カーズ』はベスト映画以外では音楽賞、プロダクションデザイン賞を含め3部門のみの受賞にとどまった。
 一方で、ドリームワークス/アードマンの大作映画『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』の受賞が目立った。『マウス・タウン』は、ゲーム部門も含めて5部門の受賞だった。さらにドリームワークスは『森のリトルギャング』でも監督賞など3部門を獲得しており、スタジオ別の賞の数を見るとドリームワークスの圧勝であった

 ドリームワークスとアードマンは、先日、長年にわたる提携関係を終了させたばかり。また、2006年の『マウス・タウン』の興行成績は控えめで、これまでの賞レースから置いてきぼりになることが多かっただけに最後に華を咲かせたといえそうだ。
 これまでもアニー賞ではアードマンの作品が好意的に扱われることが多かったが、あらためてハリウッドのアニメーション業界でのアードマン人気を裏付けた。

 その数多くの『マウス・タウン』受賞のなかで特に注目なのは、アニメーションゲーム部門賞を受賞した『Flushed Away the Game(マウス・タウン ロディとリタの大冒険)』である。ゲームの制作は、日本のゲーム会社D3の米国法人D3パブリッシャー・オブ・アメリカである。
 今回、アニー賞を受賞した唯一の日系企業(クリエイター)となっている。しかも、この作品は日本で開発したゲームの北米展開でなく、現地でのオリジナルゲームソフトとなっている。米国でのビジネスの拡大、現地化を進めるD3の事業の追い風となりそうだ。

 また、『カーズ』のライバルと見られていた『ハッピーフィート』と『モンスターハウス』の受賞は1部門もなく予想外の結果となった。さらに『アイスエイジ2』の受賞もない。
 新興3DCGアニメーションの台頭が言われた2006年の劇場アニメーションだが、アニー賞だけを取るとピクサーとドリームワークスの独占状態となっている。
 それでも昨年は『ウォレスとグルミット』が、一昨年は『Mr.インクレディブル』が長編アニメーションの全部門賞を独占したことを考えると作品間の競争が増しているのは確かであろう。

アニー賞 主要部門の受賞一覧

《作品部門》
ベスト長編映画賞
  『カーズ』 ピクサー
ベストホームエンタテイメント賞
  『バンビ2』 DisneyToon Studios
ベスト短編アニメーション賞
  『No Time For Nuts』 Blue Sky Studios
ベストTVアニメーション賞
  『Foster’s Home for Imaginary Friends』 カートゥーンネットワーク
ベストアニメーションビデオゲーム賞
  『Flushed Away The Game』 D3パブリッシャー・オブ・アメリカ

《個人部門》
アニメーションエフェクト賞
  『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』 Scott Cegielski
キャラクターアニメーション賞映画部門
  『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』Gabe Hordos
キャラクターデザイン賞映画部門
  『森のリトルギャング』 Nicolas Marlet
監督賞映画部門
  『森のリトルギャング』 Tim Johnson & Karey Kirkpatrick
音楽賞映画部門
  『カーズ』 Randy Newman
プロダクションデザイン賞映画部門
  『カーズ』 Pierre-Olivier Vincent
ストーリーボード賞映画部門
  『森のリトルギャング』 Thom Enriquez
声優賞映画部門
  『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』 Ian McKellen Voice of the Toad
脚本賞映画部門
  『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』
  Dick Clement 、Ian La Frenais、Chris Lloyd、Joe Keenan and Will Davie

キャラクターアニメーション賞TV部門
  『Avatar』 Yu Jae Myung
キャラクターデザイン賞TV部門
  『The Life & Times of Juniper Lee』Mike Kunkel
監督賞TV部門
  『Avatar』 Giancarlo Volpe
音楽賞TV部門
  『Foster’s Home for Imaginary Friends』 James L. Venable & Jennifer Kes Remington
プロダクションデザイン賞TV部門
  『Foster’s Home for Imaginary Friends』 Martin Ansolabehere
ストーリーボード賞TV部門
  『The X』 Li Hong
声優賞TV部門
  『The Emperor's New School』 Eartha Kitt
脚本賞TV部門
  『The Simpsons』Ian Maxtone-Graham

/アニー賞公式サイト 

《animeanime》
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