■登坂監督への温かなバトンタッチ
ーー今期から制作会社がエイトビットに。キャラクターデザインも原作寄りになり、監督も京極監督から登坂監督へバトンタッチとなりましたね。
東山:これまでアニメを楽しんでこられた方々には新鮮な感覚でご覧になるかもしれないですし、原作ファンのみなさんには、デザインの意図が自然と伝わっているなと感じますね。
今回、京極監督から登坂監督へ温かくバトンが渡され、その共通の理解のもと、私たちもアフレコを進めてさせていただいているんです。『ゆるキャン△』の持つ雰囲気は変わらず、ファンのみなさんも安心して楽しんでいただけると思います。
最近、登坂監督とゆっくりとお話する機会があったのですが、リンの家や舞台となっている土地を改めてロケハンで再訪されたそうで、私も登坂監督のチームならではの新たな『ゆるキャン△』の魅力が描かれていることを楽しみにしています。
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花守:すべてを一新するのではなく、魂を継承しながら新しいスタッフが挑む『ゆるキャン△』の姿が、言葉だけでなく、台本や映像からも感じられました。私たちもこれまでの気持ちを踏襲したうえで、新しい感情を持っていくキャラクターたちを演じていくことができるんだと実感できて。
そのおかげで1話目からスムーズにアフレコが進んでいて、今期も最後まで彼女たちのキャンプを安心して見守ることができそうだなと感じています。
黒沢:実は私、『ゆるキャン△』を知ったのはアニメからで、『SEASON2』まで見たあとに漫画を1巻から読み始めたのですが、リハV(リハーサルVTR)を見た段階でアニメの雰囲気が漫画と同じくらい馴染み深い風景になっているなと感じました。
花守:ときどき完成した絵がリハVの中に含まれているんですけど、それが本当に素晴らしいんです。繊細で、まるで写真のように感じるほどで。この背景の手前でキャラクターたちが動くのが今から本当に楽しみです。
東山:空気感まで伝わる五感を刺激する映像になっていますよね。あと今回のアフレコで大垣千明役の原紗友里さんが、千明の髪型が変わって「千明、お前可愛いぞ」と言っていたのが印象的でした(笑)。アニメのキャラクターが途中で髪を切ることは珍しいので、そういった彼女たちの生活やリアリティのある変化にもぜひ注目していただきたいですね。
ーーまた、今作も“飯テロ”シーン満載となっていましたね。
花守:飯テロのシーンをやると、みんな必ずお腹が鳴りますよね。食べるシーンは大体リンちゃんがやっているので、周りにいるみんなは自分のお腹の音を気にしながら前かがみになって。
東山:耐える体勢になるんだよね(笑)。
花守:自分のお腹の音が出ないようにする体勢を見つけるのが大変で、それで毎回くすくす笑ってしまうんです(笑)。テストが終わると、みんなで立ち上がってロビーに美味しいものがないか探しに行くのが恒例になっています。
黒沢:食べるシーンのお芝居は実物が目の前にあるかのようにイメージするから、鼻の奥にまで味を想像してしまって、自分で自分を飯テロしてしまうんです。
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花守:そういえば、私たち(黒沢さんに)謝罪しないといけないことがあって……。
黒沢:聞こうじゃないか……。
花守:今回の作中で、なでしこたちが綾乃ちゃんが持ってきてくれた有名なハンバーグを食べるシーンがあったじゃない? 実は私たち、あのあと綾乃ちゃんが出てない回の収録で実物を食べたんだよね……。
東山:スタッフさんが冷凍ハンバーグを大量に持ってきてくれて、スタジオで食べるためにホットプレートまで会社から持ってきてくださって。
黒沢:それ私が食べないとダメなやつじゃん!(笑)
東山:でもまた綾乃ちゃんの出番があるときには、ともよちゃんの口にも入れてあげたいってそのスタッフさんが言ってたよ。
黒沢:じゃあそのときにはお米を持っていきますね。とりあえずそのハンバーグのURLを送ってください(笑)。
※後日実際に黒沢さんも現場でいただいたそうです。
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