本作は秀才たちが集うエリート校・秀知院学園を舞台に、主人公である四宮かぐや（CV：古賀葵）と白銀御行（CV：古川慎）が“如何にして相手に告白させるか”という恋愛頭脳戦に知略を尽くすラブコメディ。
2022年春に放送されたTVアニメ第3期『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』の最終回で2人の天才は長きにわたる恋愛頭脳戦の末、お互いの気持ちを伝え合い、“奉心祭”で初めてのキスをした。しかし未だ明確な告白には至っておらず、恋人同士になるかと思われた2人の関係性は曖昧なまま、お互いをより強く意識して、クリスマスを迎えることに……。
アニメ！アニメ！では本作の特別上映を記念し、四宮かぐや役の古賀葵さん、藤原千花役の小原好美さん、伊井野ミコ役の富田美憂さんによる座談会インタビューを実施。TVアニメ第3期を振り返った感想や、今作のストーリーになぞり「異性とのクリスマスの理想の過ごし方」についてお話をうかがった。
［取材・文・撮影：吉野庫之介］
“みんなの夢”が叶えられた瞬間だった
――TVアニメ第3期は副題である『ウルトラロマンティック』を見事に回収する最終回で幕を閉じましたが、あらためて感想を聞かせてください。
古賀：原作のときから楽しみにしていたエピソードをアニメーションとして見ることができた喜びと、私自身としても覚悟を持って挑んだシーンということもあり、感慨深いものがありました。かぐやのこれまでの努力が実を結んで会長との関係性が進んだことや、1年生ズにも「おや……？」と感じるような変化もあり、また先が気になるような最終回となりましたが、まずはみんなで第3期を駆け抜けることができてよかったなという気持ちでいっぱいです。
小原：役者としてここまで演じることができたことへの嬉しさと、かぐやさんと会長がやっとここまできたか……！という思いもありましたし、原作の赤坂アカ先生が「ここまでアニメで見ることができたら嬉しい」と仰っていたこともあって、私たちや赤坂先生、そして原作ファン方々も含めた“みんなの夢”が叶えられた瞬間だったんだなと感じました。
富田：第3期の最後まで見ると、どのキャラクターもすごく成長したなと感じて。その成長のひと区切りとしての最終回でもあったので、いまだに録画が残っているんです。私の声優人生のなかでもあの『ウルトラロマンティック』な最終回は忘れられないエピソードになりましたし、ミコとしても文化祭のキャンプファイヤーの件もすごく頑張って、その努力が報われるストーリーでもあったので、彼女を演じる私自身としてもとても嬉しかったですね。
――今作はそんな『ウルトラロマンティック』のその後を描く新作エピソードとなりますが、みなさんが思う注目ポイントを教えてください。
古賀：今回の新作エピソードでは、あの『ウルトラロマンティック』な最終回を経て2人の関係がこれからどうなっていくのかが描かれるわけですが、いつもの和気あいあいとした感じはありつつも、かぐやとしては会長との向き合い方にこれまでとは違う変化や葛藤を感じていて。その心情の変化から今まで見られなかったようなかぐやの姿が描かれ、私にとってもそんな彼女を演じるのは挑戦でもあったので、ぜひご注目いただきたいなと思います。
また、会長がかぐやともう一歩先へ進もうと行動するシーンにはグッとくるものがあるので、自分や自分の大切な人との関係と照らし合わせながら見ることでより感情移入しながら作品をお楽しみいただけるのではないかと思います。
小原：私は藤原目線からこの作品に携わっていることもあり、一番気になってしまうのはかぐやさんなのですが、古賀葵ちゃんともアフレコでほぼ一緒だったこともあり、四宮かぐやと彼女の姿が重なって見えて。
今作にはそんな彼女が演じているからこそ出るかぐやの魅力がぎゅっと詰まっていて、成長しきれていないかぐやがどのように自分を変えていくのか、また、会長に変えてもらうかぐやというのも見ていただきたいです。そしてなにより“かぐやちゃん”が可愛いんです！
――予告映像の「かいちょ、おはよ」も最高でしたね（笑）。
小原：本編はさらにやばいですよ！ 彼女のことをよく知っているからこそ言えるのですが、かぐやちゃんは古賀葵そっくりなんです。
古賀：ちがうよ～！（笑）
小原：今作ではそんな色々なかぐやの表情が見られると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
――1年生ズ目線からはいかがですか？
富田：今作のミコと石上はとくに後半からかぐやと会長を少し引いたところから見ていて、演者目線でもあおさん（古賀さん）と古川さんを客観的に見ることができたなと思います。完成した映像を見たときも「あおさん、すごい……。」という言葉が自然と出てしまうくらい本当に素晴らしいお芝居をされていて、さすが座長だなと。
古賀：いや～、あははは（笑）。
富田：そんなあおさんの演じ分けも見どころだなと思いますし、かぐやと会長の今後という部分でもいい意味でみなさん振り回されながらお楽しみいただけるのではないかと思います。
異性とのクリスマスの理想の過ごし方は？
――古川さんや鈴木さんも交えた第3期放送前の座談会でも話題になりましたが、みなさん古賀さんのお芝居を本当によく絶賛されていますよね。
小原：今回もあおちゃんだけがブースに入って収録したシーンが1時間ほどあったんですけど、ヘッドホンから聞こえてくるお芝居が素晴らしすぎて、そのあいだ古川さんと「古賀葵のよさ」についてずっと熱く語り合っていたんですよ。「僕はあの回でさあ……」「わかります！ そうですよね！」って（笑）。
古賀：あははは！
小原：たとえそのターゲットが鈴木崚汰くんや富田美憂ちゃんになったとしても、みんな同じようにそれぞれの役者のことを熱く語ることができるんですよ。とくに古川さんの場合は白銀御行として四宮かぐやと向き合いながらお芝居をしているからこそ、その思いが人一倍強く、古賀葵から発せられる音からどのような影響を受けているかといったお話をしてくださって。あらためて掛け合いをしているという実感やその大切さを感じた時間でした。
――掛け合いというところでは、ミコは石上とのシーンが多いですよね。
富田：今作でもミコと石上が喧嘩をする場面があり、5カットくらいの割と長い尺をアドリブでというシーンで、先に録っていた鈴木くんのお芝居を聴きながらの収録だったのですが、私の喋るスキがないくらい全部鈴木くんのアドリブで埋められていて、やってくれたなと……。
小原：本当の喧嘩だね（笑）。
富田：そうなんですよ！ 最初どうしようと思ったんですけど、もう丸々かぶせてやろうと思ってやりきりました（笑）。
――そのシーンを見るのが楽しみです（笑）。また、今作のストーリーにちなんだところでみなさんが考える「異性とのクリスマスの理想の過ごし方」を教えてください。
古賀：イルミネーションのある道を一緒に歩き、普段行かないようなちょっと小洒落たレストランへ行って、そこでプレゼントを交換します。
富田：あおさんはロマンティックなシチュエーションが好きですよね（笑）。
古賀：本当に大好き！ そして屋上のある超高層ホテルのスイートルームへ……。
小原：泊まる!?
富田：いいですね！
小原：私はそんな高級なシチュエーションは思い浮かばないんですけど、ある施設に予約をとって車で向かいます。
古賀：おお、車だ～！
富田：具体的！
小原：その施設にペアリングを作りに行きます。その制作過程では2人で指輪をはめあいっこして、サイズがぴったりかどうかを確認しながら作るみたいなんですよ。その完成した指輪を見ながら「クリスマスの日に作った思い出の指輪だね」って言いながら、サービスエリアであたたかいココアを飲み、お家に帰ってきたら買ってきたケーキを食べる。みたいな過ごし方が理想ですね。
古賀：ここちゃんのシチュエーションって生々しいよね（笑）。でもすごくいい想像ができました、ありがとうございます。
小原：なんであなたがお礼を言うの！（笑）
古賀：美憂ちゃんは？
富田：私はお家でゆっくり過ごしたい派なのでとくに特別なことはしないんですけど、家に犬がいるので、3人でゆっくりテレビを見ながらケーキとお肉を食べたいです。
小原：歌番組なんか見ちゃってね。
古賀：それは幸せ！ まずクリスマスに一緒にいられるっていうのがいいよね。
富田：一緒にいられるだけで幸せですよね。
古賀：私、ポテトチップス持って行くね。
小原：乱入しちゃダメでしょ！（笑）
――最後に、新作エピソードを楽しみにされている『かぐや様』ファンのみなさまへメッセージをお願いします。
古賀：まずは1期から3期まで応援してくださりありがとうございます。みなさまのおかげであの『ウルトラロマンティック』からの続きが見られるということで、私たちも気持ちを込めて演じさせていただきました。
今作の特別上映タイミングにもぴったりな内容になっているので、ぜひ大切な人のことを思い浮かべながらお楽しみいただけたらと思いますし、少しずつ成長を重ねてきたかぐやたちがどのように今後向き合っていくのかや、本当の自分をさらけ出していくのかにもご注目いただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
小原：『かぐや様』シリーズも長く続いてきましたが、それはみなさんがいてくださったからこそのもので、今回そんなみなさんと一緒に過ごせる初めてのクリスマスになると思います。これからの作品の展開について私たちも本当に知らないのですが、このクリスマス編がまたみなさんと歩む一つの思い出になると思いますので、ぜひ劇場へ足を運んでいただけたらと思います。
富田：クリスマスのお話ということで、見てくださった方がキラキラとした気持ちで映画館を出られるような素敵な新作エピソードになっています。第3期からそこまで時間が空かなかったこともあり、私たちも『ウルトラロマンティック』の最終回でキュンとした気持ちを持ったまま今回のアフレコに臨むことができました。そんなキャスト陣のキラキラした思いも感じていただきつつ、きっと表情筋をフル活用していただけるような内容になっているので、ぜひお顔をクシャクシャにしてお楽しみください！
『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』
12/17(土)より特別上映
■キャスト
四宮かぐや:古賀 葵
白銀御行:古川 慎
藤原千花:小原好美
石上 優:鈴木崚汰
伊井野ミコ:富田美憂
早坂 愛:花守ゆみり
柏木 渚:麻倉もも
田沼 翼:八代 拓
四条眞妃:市ノ瀬加那
子安つばめ:福原遥
ナレーション:青山 穣
ほか
■スタッフ
原作:赤坂アカ(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:畠山 守
シリーズ構成:中西やすひろ
キャラクターデザイン:八尋裕子
総作画監督:矢向宏志
プロップデザイン:木藤貴之
美術監督:若林里紗
美術設定:松本浩樹、平義樹弥
色彩設計:ホカリカナコ
色彩設計補佐：村上彩夏
CG監督:栗林裕紀
撮影監督:岡崎正春
編集:松原理恵
音楽:羽岡 佳
音響監督:明田川 仁
制作:A-1 Pictures
製作:かぐや様は告らせたい製作委員会
配給:アニプレックス
12/17(土)より特別上映
■キャスト
四宮かぐや:古賀 葵
白銀御行:古川 慎
藤原千花:小原好美
石上 優:鈴木崚汰
伊井野ミコ:富田美憂
早坂 愛:花守ゆみり
柏木 渚:麻倉もも
田沼 翼:八代 拓
四条眞妃:市ノ瀬加那
子安つばめ:福原遥
ナレーション:青山 穣
ほか
■スタッフ
原作:赤坂アカ(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:畠山 守
シリーズ構成:中西やすひろ
キャラクターデザイン:八尋裕子
総作画監督:矢向宏志
プロップデザイン:木藤貴之
美術監督:若林里紗
美術設定:松本浩樹、平義樹弥
色彩設計:ホカリカナコ
色彩設計補佐：村上彩夏
CG監督:栗林裕紀
撮影監督:岡崎正春
編集:松原理恵
音楽:羽岡 佳
音響監督:明田川 仁
制作:A-1 Pictures
製作:かぐや様は告らせたい製作委員会
配給:アニプレックス
（C）赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会
