『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』リムル役・岡咲美保インタビュー|「絆」って、苦しい時ほどより感じるものだと思うんです。 | アニメ!アニメ!

『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』リムル役・岡咲美保インタビュー|「絆」って、苦しい時ほどより感じるものだと思うんです。

『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』より、リムル役・岡咲美保のインタビューをお届け。TVアニメ第1期の放送開始から約4年が経過して感じる自身の変化や、今作のテーマにもなっている「絆」について話を聞いた。

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11月25日(金)公開の『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』。本作は完全新作のオリジナルストーリーで、ストーリー原案を伏瀬が担当。スライムのリムルが仲間を救うため魔王に進化した後の物語が展開される。

リムルが治める魔国連邦(テンペスト)の西に位置するラージャ小亜国では、女王の持つ不思議な力を巡って長きにわたる陰謀が渦巻いていた。さらにリムルの仲間であるベニマルたちは、その兄貴分だったヒイロという“大鬼族(オーガ)”の生き残りと再会。新たな戦いの火蓋が切られる。

アニメ!アニメ!では、本作の主人公であるリムル=テンペスト役を演じる岡咲美保さんにインタビューを実施。TVアニメ第1期の放送開始から約4年が経過して感じる自身の変化や、今作のテーマにもなっている「絆」について話を聞いた。

[取材・文・撮影:吉野庫之介]



リムルを通じて学んだ個性の表現


――TVアニメ第1期が放送された2018年から約4年となりますが、初期と現在を比較して作品に対する印象の変化はありますか?

リムル自身もそうなのですが、作品の雰囲気もシリアスなシーンが増えてきたりとだいぶ印象が変わったなと感じます。第1期の頃は洞窟でヒポクテ草を食べたり、水刃を覚えたりしながら転生した異世界のことを知っていったわけですが、今ではあらゆる技を使いこなしたバトルや政治的な事柄も絡んできていて、すごく世界が広がったなと思いますね。

――リムルは岡咲さんにとって初の主人公役というところで思い入れも人一倍強いキャラクターかと思いますが、役者としてリムルを演じる楽しさをどのような部分に感じますか?

こんなにもセリフの多いキャラクターを演じるのが初めてだったので、最初の頃は楽しさを感じる余裕はなかったんです。どちらかといえば、原作ファンの方をはじめ、アニメから『転スラ』に触れる方がどういう声色やテンション感だったら入りやすくなるかや、自分が演じるうえで表情が乗りやすい音域を探すための試行錯誤の時間がとても長くて。

そんな日々から4年が経過した現在では、リムルを演じることに楽しさも感じられるようになり、演技にも幅が出せるようになったなと感じます。たとえば、スライム体の時に見せる喜怒哀楽であったり、戦闘シーンでの余裕のある振る舞いであったり、キャラクターの個性はこんなふうに表現すればいいんだというのをリムルを通じて学ばせていただきました。





――学びという部分では、周りの先輩キャストから吸収できることも多そうな現場ですよね。

そうですね。一緒に収録ができていた第1期の時間は私の中で大切なものですし、とくにリムルとも関わりが多い大賢者役の豊口めぐみさんや、ランガ役の小林親弘さんは私を妹や娘のように可愛がってくださって、私が見当違いなことを口にした時などにツッコミを入れてくれてその場を盛り上げてくださるんです。そしてアフレコになったらスイッチを切り替えて役に入る。そんなギャップのある現場の雰囲気がとても好きでした。

第2期以降の分散収録になってからも「この役者さんはきっとこういう温度感で演じてくださる」という予想をさらに越えてくるようなお芝居をみなさんがされていて、私も頑張ろうと励まされました。



「絆」って、苦しい時ほどより感じるものだと思うんです。


――第1期・第2期を経て魔国連邦(テンペスト)の仲間もどんどん増えていき、今回の劇場版のテーマにもなっている「絆」がより感じられるようになったかと思いますが、岡咲さんご自身が仕事仲間やご友人との「絆」を紡ぐうえで日々大切にされていることはありますか?

「絆」って、苦しい時ほどより感じるものだと思うんです。自分自身が悩んでいる時にそっと寄り添ってくれるものというか。話を聞いて、受け止めて、時には見守って。そんな関係性の中で相手との「絆」を強く感じます。逆に誰かが悩んでいる時は、できる限り広い受け皿を持ちながら「大丈夫だよ」と言ってあげられるような、相手を否定しない存在でありたいと思っています。

――広い受け皿を持つという部分はリムルと重なる部分もありますね。

そうですね、リムルから教えてもらうこともたくさんあります。転生前の彼は私より年上のサラリーマンで、物事を俯瞰して見ることに長けていて、自己中心的に動かない人だなというのは演じていてもすごく感じる部分で。

第2期でのファルムス王国との一件のように、仲間が傷つけられた時には冷徹な決断を下すこともあるのですが、基本的にはみんなが助かる道や楽しく暮らせる方法を探そうとする平和主義者で、「みんなが笑っていれば俺も楽しい」という彼の考え方にはとても共感できて、勉強にもなるなと。

――「理想の上司」みたいな感じがありますよね。

「リムルみたいな王様のいる国に住みたい」と言っていただくこともすごく多いんです。自分の欲望ではなく、みんなが安全に暮らせるようにというのを第一に考えているからこそ、仲間からの信頼も厚くて。今回の劇場版でもキャラクターたちが困難に立ち向かっていく時に見せるリムルへの信頼感というのは見どころの一つになっていると思います。





――今作ではベニマルの幼馴染であるヒイロや女王のトワといったオリジナルキャラクターも登場していますが、シナリオを読んだ際の印象はいかがでしたか?

新規キャラクターそれぞれに『転スラ』ならではの個性が付いていて、それぞれの立場についてもしっかりと描かれているので、感情移入しつつ考えさせられるようなメッセージ性のあるシナリオだなと思いました。

あとはこれまで一緒に戦ってきたベニマルに兄貴分がいたというのも驚きで、こういう表情も見せるんだという発見もありましたし、彼のそんな顔を見られるようになったのも、リムルとの出会いがあったからなのだろうなと改めて感じましたね。





――たしかにベニマルは初登場時の印象から大きく変わりましたよね。今ではコミカルな日常シーンでのリムルとの掛け合いも面白くて(笑)。岡咲さんから見て、ベニマル役の古川慎さんはどのような存在ですか?

古川さんとは現場で絵しりとりをしたことがあるんですけど、私は絵心がある方ではないので、一緒にやっていたメイクさんにはそれが何の絵か伝わらなかったんです。でもなぜか古川さんは一発で当ててくださって、感性が近いのかなと勝手にシンパシーを覚えています(笑)。

また、今回の劇場版のプロモーションで私が言葉に詰まった時にもフォローを入れてくださったりと本当に頼れる先輩であり、お兄さんのような存在だなと感じますね。





お子さまから大人の方まで幅広く楽しめる作品に


――物語の時系列的には魔王に覚醒後のリムルが活躍していますが、「ここは楽しみにしてほしい!」という見どころについて教えてください。

覚醒後のリムルは「俺、魔王だから」と当たり前のように言っているのですが、この世界での魔王は彼が思っているよりもっとすごい存在で、周りがそれにびっくりするんですよ。今回の物語に登場するラージャ小亜国の人たちも魔王がノリでなれるものではないことを知っているので、やり取りの中にギャップが生まれて、毎回それがおかしくて(笑)。そんな『転スラ』ならではのコミカルなシーンもありつつ、シリアスな展開もあるので、その温度差をお楽しみいただければと思います。

――魔王になってからのリムルは技も一段と強くなりましたし、仲間もさらに進化して、もう負けるイメージがないんですよね……(笑)。

そうなんですよ! さらに近くにいるヴェルドラやミリムのことを「知り合いなんだよ」と普通に紹介して周囲が失神しそうになるというおなじみの光景もあったりして(笑)。そんな原作やアニメから地続きになったストーリーの中で、お子さまから大人の方まで幅広く楽しめる作品になったなと思いますし、アクションシーンや会話劇など、それぞれお気に入りのシーンも違ってくると思うので、みなさんの感想をお聞きできるのがとても楽しみです。





――最後に、映画を楽しみにされているファンのみなさまへメッセージをお願いします。

このたび初の映画化ということで、リムルたちの活躍をスクリーンで見られることに大変感謝しております。本当に面白い作品に仕上がっていて、どのシーンを切り取っても『転スラ』の世界観を感じられるようなオリジナルエピソードを劇場版としてお届けできることは貴重な機会だなと思いますので、ぜひ映画館に足をお運びいただいて、大きなスクリーンでキャラクターたちの活躍やストーリーをお楽しみいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします!



『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』
2022年11月25日(金)公開

■スタッフ
原作:川上泰樹・伏瀬・みっつばー「転生したらスライムだった件」(講談社「月刊少年シリウス」連載)
ストーリー原案:伏瀬
監督:菊地康仁
脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:江畑諒真
モンスターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:田中雄一
コンセプトアート:富安健一郎(INEI)
美術デザイン:ボワセイユ レミ 佐藤正浩
美術監督:佐藤歩
美術:スタジオなや
色彩設計:斉藤麻記
モニターグラフィックス:生原雄次
CGIプロデューサー:町田政彌
編集:神宮司由美
撮影監督:佐藤洋
撮影:チップチューン
音響監督:明田川仁
音楽:藤間仁(Elements Garden)
アニメーション制作:エイトビット
製作:転スラ製作委員会
配給:バンダイナムコフィルムワークス

■キャスト
リムル:岡咲美保
ヒイロ:内田雄馬
トワ:福本莉子
ベニマル:古川慎
智慧之王:豊口めぐみ
ヴェルドラ:前野智昭
シュナ:千本木彩花
シオン:M・A・O
ソウエイ:江口拓也
ハクロウ:大塚芳忠
クロベエ:柳田淳一
リグルド:山本兼平
ゴブタ:泊明日菜
ランガ:小林親弘
ゲルド:山口太郎
ガビル:福島潤
ディアブロ:櫻井孝宏
ラキュア:木村昴


(C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会
《吉野庫之介》
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