映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」野沢雅子×古川登志夫インタビュー|レジェンド声優が語る身近な「ヒーロー」 | アニメ!アニメ!

映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」野沢雅子×古川登志夫インタビュー|レジェンド声優が語る身近な「ヒーロー」

映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』より、野沢雅子さんと古川登志夫さんによる対談インタビューをお届け!

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野沢雅子×古川登志夫
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  • (C)バード・スタジオ/集英社 (C)「2022 ドラゴンボール超」製作委員会
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映画最新作の相手は復活を遂げたレッドリボン軍! 新たに創造された人造人間たちが「スーパーヒーロー」を名乗り、ピッコロ&孫悟飯の師弟コンビの前に立ちはだかる!!

映画の注目ポイントはなんと言ってもピッコロと悟飯の師弟コンビです。幼い悟飯が泣きながら修業した日々を、いまでも鮮明に覚えている方も多いのではないだろうか。本稿では、その師弟コンビを演じる野沢雅子さんと古川登志夫さんに、本作の見どころや懐かしのテレビシリーズについて語っていただいた。

激しいバトルを繰り広げる本編とは反対に、穏やかな雰囲気で楽しそうに語ってくださった野沢雅子さんと古川登志夫さん。そんなお2人が憧れる身近な「ヒーロー」とは?

[取材・文:気賀沢昌志 撮影:吉野庫之介]



脳裏に甦る、テレビシリーズのあの名場面!


――今作では因縁深いレッドリボン軍が復活し、スーパーヒーローを名乗る新たな人造人間を生み出します。お2人はこの設定について、どのような感想を持たれましたか?

野沢:初めて登場したときのことを思い出して、心の中ではしゃいでしまいました。「わっ! レッドリボン軍だ!!」って(笑) 。

――レッドリボン軍がテレビシリーズに初めて登場したのは1986年のことですね。

古川:僕は当時、レッドリボン軍のブルー将軍をやらせていただきましたよ。

野沢:そう! ギャグキャラだったんですよね。

古川:殴られると、ギャグマンガ的な表現として目が飛び出すんです(笑)。

野沢:ブルー将軍に限らず、レッドリボン軍は強そうな雰囲気を漂わせているのに弱いんです(笑)。そこがいいんですよ。



――古川さんはいかがでしたか?

古川:僕も「懐かしいのが出てきたな!」と思う一方で、人造人間を生み出したドクター・ゲロはすでに倒されているし、そのあたりがどうなっているか気になりました。それに組織の施設を見ると技術的に進歩しているんですよね。スクリーンの中でどんな活躍を見せてくれるか楽しみです。

――そして新生レッドリボン軍と同じくらい注目なのが、ピッコロとともに主役を務める悟飯です。

野沢:悟飯はお勉強が好きなキャラクターで、昔から学者さんになりたがっていたんです。その点では、これまで私に預けていただいたどのキャラクターよりも「普通の青年」だと思います。

――野沢さんが演じたキャラクターでは珍しいタイプですよね。日常描写が多いですし、学園生活も描かれていました。

野沢:そうなんです。これまでのキャラクターは、いつでも戦えるぞと普段からピシッとしているタイプが多かったんです。ところが悟飯はフワッとしていて、アクションシーンのときだけ激しく闘志を燃やすんです。そのギャップがいいんですよ。

――ピッコロとの師弟関係は、今作ではどのような感じになっているのでしょうか?

古川:子どもの頃の師弟関係とはまた少し違うのかなと思います。ピッコロと肩を並べて戦えるところまで成長していますし、ピッコロとしては「ここまで来たか」と嬉しく思っているはずです。そこが今作ならではの新しい要素ではないでしょうか。

――ピッコロは導き方がかっこいいですよね。強引なところがなく、相手の歩幅に合わせながら少しずつ課題を与えていくというか。

古川:直接指示するタイプではありませんよね。冷たく突き放しているように見えて、実は遠くからちゃんと見守っている。その様子を「理想の上司」と表現する人がいて、僕も「なるほど」と思いました。

野沢:私もそう思います。

古川:たとえば悟飯と出逢ったばかりのころも、子供だからと悪態をつきつつ、そっとリンゴを置いて遠くから見守っていたことがありました。あの優しさなんですよ。

――ピッコロの不器用なところがよく表現された名場面ですよね。

古川:あの頃から考えると、今作では成長が見られ、「悟飯、お前いつそんな修業をしたんだ」とピッコロも嬉しく思っているのではないでしょうか。



――今作は悟飯とピッコロの関係性が肝になっているかと思いますが、収録はどのようにされたのですか? 昨今の状況もあり、今はどの作品も少人数でアフレコをしているとうかがっています。

古川:やはり少人数でした。ただ僕と野沢さんは一緒にアフレコさせてもらえましたね。一日中、ほぼ2人だけでした。

野沢:そうでした。

古川:『ドラゴンボール』の収録では初めてかな。なにしろ今作は悟飯とピッコロにフィーチャーした物語です。かけ合いの「ある・なし」でだいぶ印象が変わりますからね。あとはレッドリボン軍の皆さんとも少し絡んだかな。





――レッドリボン軍といえば、神谷浩史さんと宮野真守さんが新キャラクターのガンマ1号とガンマ2号を担当されています。世代が離れている方との共演はいかがでしたか?

野沢:いろいろなことを話しましたよ。緊張させてしまうと見えない壁ができてしまい、セリフが相手まで届かなくなるんです。ですから若い人たちと絡む時は、なるべくおしゃべりをするようにしているんです。

古川:ただ野沢さん、フリーザやセルに対しては休憩時間でも話をしないですよね(笑)。

野沢:そうなんです(笑)。今回の「悪役」はただ悪いだけではないキャラクターなのでいいんですけど、フリーザさんはワガママですから(笑)。中尾さん(中尾隆聖)のことではないですよ、あくまでキャラクターのことです。ただ今作に限らず、基本的に悪役って魅力がありますよね。ヒーロー側を追いつめるくらい頭がいいし、立ちふさがる壁として厚ければ厚いほど惹かれます。

――フリーザもセルも、まさにその「魅力的な悪役」ですよね。最後になりますが、長年さまざまな「ヒーロー」を演じてきた野沢さんと古川さんにとって、「ヒーロー」とはどんな存在でしょうか?

古川:僕にとってのヒーローは野沢さんですね。ヒーローって、他人の心の痛み、悲しみ、喜びを自分のこととして受け止められる大きな人間のことを言うのだと思うんです。野沢さんは、例えば新人さんが現場で緊張していると、一番大変な主役を担当されているのに、気を使って話しかけたりお菓子を勧めたりしてくれます。まさにヒーローですよね。

野沢:私にとってのヒーローは古川くんって言いたかったけど……なんだか気を使ってるみたいで言い辛くなってしまいましたね(笑)。でも私にとってのヒーローは本当に古川くんなんです。役者は名前を売りたいので、自然と前へ前へ出てしまうところがあるんです。でも古川くんはそういった部分がまったく見えず、それなのに存在感があるんです。そういう人って少ないんですよ。

古川:野沢さんがいらっしゃるのに前へ出れないですよ(笑)。

野沢:それに細かいところにも気を配っていらっしゃって、誰にでも優しいんです。そんなところも私、凄いなって。

古川:野沢さんは家庭菜園をやられていて、ゴーヤとかキュウリができると持ってきてくださるんです。けっこうな重さなのにですよ。こんな先輩いらっしゃらないですよ。

野沢:食べてくださるから嬉しいです。

古川:青二塾で若い人に教える時も、人格者の例として野沢さんのことを話すんです。人として素晴らしいと芝居も凄いんだ、だから芝居がうまくなりたかったら人格を磨けと。僕らも野沢さんの背中を見て、「あんな先輩になりたいな」と思いながら役者として歩いてきました。だから僕にとってのヒーローは野沢さんなんです。



映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』

6月11日(土)超拡大ロードショー!

■スタッフ
原作・脚本・キャラクターデザイン:鳥山明
監督:児玉徹郎
作画監督:久保田誓
音楽:佐藤直紀
美術監督:須江信人
色彩設計:永井留美子
CGディレクター:鄭載薫
配給:東映

■キャスト
孫悟空・孫悟飯・孫悟天:野沢雅子
ピッコロ:古川登志夫
ベジータ:堀川りょう
ブルマ:久川綾
トランクス:草尾毅
パン・ビーデル:皆口裕子
クリリン:田中真弓
人造人間18号:伊藤美紀
ガンマ1号:神谷浩史
ガンマ2号:宮野真守
Dr.ヘド:入野自由
マゼンタ:ボルケーノ太田
カーマイン:竹内良太


(C)バード・スタジオ/集英社 (C)「2022 ドラゴンボール超」製作委員会
《気賀沢昌志》
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