■デジモンと歩んだ20年
――坂本さんはアグモンを演じて約20年になります。『デジモン』キャストであることを実感するのはどんなときでしょうか。
坂本:20年間毎週アグモンを演じ続けていたわけではないので、実は『デジモン』関連のイベントでファンのみなさんと会うまではなかなか実感が持てなかったんです。
『デジモンアドベンチャー』放送当時はファンの方と接する機会が少なかったので、『tri.』関連のイベントに出演したときに世の中にはこんなに『デジモン』ファンがいるのか!」と驚きました。もっと早く知りたかったです(笑)。
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――一方花江さんは、『デジモン』をリアルタイムで見ていた“デジモン世代”です。花江さんにとって、『デジモン』シリーズはどのような作品だと感じていますか?
花江:長く愛されているからこそ、世代を超えて届く魅力がある。それが『デジモン』のすごいところだと思います。
昔はストーリーを深く考えながら見ていたわけではないですが、それでも子ども心に訴えかけてくるものはありました。大人になった今見返しても楽しめる作品だと思います。
あと、大人になると子どもの頃買えなかった『デジモン』グッズが買えるようになって嬉しいです。
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坂本:大人になってよかった、と思う瞬間ですね。親から「いい加減にしなさいよ」と怒られないので、好きなだけお金が使える(笑)。
――本作を通して『デジモン』の印象は変わりましたか?
花江:印象が変わったというよりも、『デジモン』の変わらない魅力が詰まっている作品だと思いました。パートナーとの絆で問題を乗り越えて真相に迫っていく『デジモン』らしい物語です。
初代の劇場版『デジモンアドベンチャー』を意識しているシーンもあり、当時『デジモン』を見ていた世代に向けて作られた映画だと感じました。
変わった点といえば、太一たちの持っているデバイスが現代風になっているところ。仲間同士で通話アプリを使って会話をしていたり、スマホのような形のデジヴァイスが出てきたりと、デザインも進化しています。
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坂本:私は、デジモンに対する認識が作中でも大きく変わったと感じました。昔はぬいぐるみのふりをして出かけていたこともありましたが、本作ではもう扮装しなくていい。
太一たちと一緒にご飯を食べたり並んで歩いたりできるほど、街に馴染んでいて嬉しいです。
でもアグモンはたくさん食べるので、さすがに太一と食べ放題に行ったらお断りされるかもしれません(笑)。
■原点と変化を楽しめる作品
――本作はオリジナル版「Butter-Fly」が起用され話題となっています。おふたりにとっても、「Butter-Fly」は思い入れのある楽曲でしょうか?
花江:最初のTVシリーズのOPなので、「『デジモン』といえばこの曲」と思うほど印象的です。『デジモン』を知らない人でも「Butter-Fly」は知っている。みんなで歌いたくなるいい曲だと思います。
僕も和田(光司)さんの力強い歌声に勇気をもらいました。
坂本:カラオケで一般の方が「Butter-Fly」をよく歌っていると知ったときはびっくりしました。「Butter-Fly」はどのバージョンも好きなのですが、とくにオリジナル版は和田さんの声の伸びがすばらしく、特別感があります。
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――最後に、これから映画を見るファンに向けてメッセージをお願いします。
花江:『デジモン』を昔から見ていたファンの心に刺さる作品だと感じました。デジモンとパートナーとの絆、新キャラクターのメノアを通してあふれ出る想いなど、見どころがたくさんあります。
懐かしい楽曲の使い方や最後の進化もとてもカッコいいので、楽しみにしていてください。
また、大人になるためにはいろんな選択をしなければいけない、と気づかされる作品でもありました。ラストの太一とヤマトの対比も見事で、思い出すだけで泣けてきます。
坂本:完成した映像を見たときは太一やアグモンの過ごした時間を追体験しているような気持ちになって、「こんなに泣くとは思わなかった!」と驚くくらいに泣いてしまいました。
もちろん楽しいシーンもたくさんありますし、「大人になるのも悪くないよな」と思ってもらえる作品なので、楽しみにしていてください。インタビューで話しているうちに、私ももう一度見たくなってきました。
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キャスト陣も感動した太一とアグモンの選んだ未来を、ぜひ劇場で見届けてほしい。