本作の音楽世界をリアルに体験できる3回目のライブは、過去2回のライブを上回る人数の出演アーティストにキャラクターの声を担当した声優も加わっての豪華な一夜となった。
「『キャロル&チューズデイ』3rd LIVE ~Mother~」は、本編の冒頭に毎回流れていた「それはまるで奇跡だった。そう、火星の歴史に刻まれることになった奇跡の7分間。これはその原動力となった二人の少女の物語である」というガスのナレーションで幕を開ける。
最初にステージに登場したのはもちろん、キャロル&チューズデイのシンガーボイスを務めるナイ・ブリックス(NaiBr.XX)とセレイナ・アン(CeleinaAnn)だ。
まずは、1クール目のオープニングテーマ「Kiss Me」を歌唱すると、続く2曲目は疾走感のあるポップナンバー「Beautiful Breakdown」へ。ふたりの明るいボーカルで、会場の雰囲気がさらに華やかになった。
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ナイ・ブリックス(NaiBr.XX)とセレイナ・アン(CeleinaAnn)【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
今回のライブではセレイナがメインMCを担当。最初のMCではふたりが簡単な自己紹介をして、ナイの英語をセレイナが訳していく。
そしてすぐに3曲目の「Army of Two」へ。これはふたりの美しいハーモニーが響く、劇中でも印象的に使われていたナンバーだ。4曲目の「Day By Day」では、前回のライブと同様に間奏にバンドのメンバー紹介が行われ、ギター、ベース、キーボード、ドラムがそれぞれソロを披露した。
ここでいったん会場のライトが落ち、舞台袖に登場したキャロル役・島袋美由利とチューズデイ役・市ノ瀬加那にピンスポットが当たる。
ふたりが披露したのは朗読劇で、キャロル&チューズデイがマーズ・ラウンジでの初めてのライブに臨んだ5話の楽屋でのやり取りが、生アフレコのような形で演じられていく。これが終わるとナイとセレイナが、キャロル&チューズデイがそのときに歌った曲「Someday I'll Find My Way Home」を歌唱した。
このようにして、楽曲と朗読劇がリンクしつつ、全24話のストーリーをステージ上でゆるやかに再現していくのが、今回のライブのコンセプトだ。
2度目の朗読劇では、島袋と一ノ瀬に加えてガス役・大塚明夫も登場。キャロル&チューズデイが、有名アーティストの代役として10万人規模のサイドニアフェスのステージに挑んだ6話の場面を新たに演じる。そして、ふたりが10万人のブーイングを浴びながらも果敢に歌った「Round & Laundry」が、ナイとセレイナによって披露された。
次にステージに登場したのは、アンジェラのシンガーボイスを務めるアリサ(Alisa)だ。
アンジェラが劇中で最初に歌った「Move Mountains」からスタートし、コケティッシュなポップナンバー「All I Want」、2クール目のエンディングテーマ「Not Afraid」と歌い継いでいく。
MCでは「相変わらず緊張しています」と言ったが、堂々たるパフォーマンスで常に自信に満ちたアンジェラを体現してみせた。
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アリサ(Alisa)【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
3度目の朗読劇では、さらにアンジェラ役の上坂すみれが登場。キャロル&チューズデイとの一騎打ちとなった12話のマーズブライテスト決勝に臨むアンジェラの心境を、「私は魂に火をつける!」と熱演する。それを受けて、アリサは「Light A Fire」をエモーショナルに歌い上げた。
続いては、シベールのシンガーボイスであるマイカ・ルブテ(MaikaLoubte)が姿を見せた。
マーズブライテストでのシベールのように椅子に座ったままで、「La ballade」を歌唱。2コーラス目では立ち上がって、シベールの退廃的な内 面を歌とダンスで表現していく。
4番目に登場したのは、ピョートルのシンガーボイスであるジェイ・アール・プライス(JRPrice)とダンサーのTACCHIだ。ダンスパフォーマーでもあるピョートルのステージを、ふたりは気持ちを合わせて再現する。「Dance Tonight」も「Love Yourself」も、劇中でピョートルが歌ったままの姿を思わせた。
ピョートルの華やかなパフォーマンスの後は、クリスタルのシンガーボイスであるローレン・ダイソン(Lauren Dyson)の出番に。
大物女性シンガーのクリスタルそのものという金髪のロングヘアで、「Unbreakable」を朗々と歌唱。さらに16話に登場した往年の名シンガー・フローラの曲「Give Your The World」もカバーした。
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ローレン・ダイソン(Lauren Dyson)【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
出演者全員の出番が一周すると、ライブはいよいよ後半へ。アリサが2クール目の曲を中心に4曲を披露したのち、アリサ自身が作詞した悲しみに満ちた曲「Endless」、劇中ではピョートルとのコラボ曲だった「LIGHTS GO OUT」など、アンジェラの心の浮き沈みを表現したパフォーマンスとなった。
ここで挿入された4度目の朗読劇は、島袋、市ノ瀬、上坂による19話のサイドニアフェスのライブ前におけるキャロル&チューズデイとアンジェラのやり取りだ。お互いをライバルと認め合う会話に続いて、ナイとセレイナが登場。サイドニアフェスで披露されたアコースティックナンバー「Message in the Wind」を、しっとりと歌い上げた。
5度目の朗読劇は、ガスがマーズグラミーの受賞ライブに臨むキャロル&チューズデイを鼓舞する22話の場面で、大塚が熱演する。クリスタルとのコラボとなった「After the fire」では、クリスタルのシンガーボイスであるローレン・ダイソンも登場し、3人で息の合った歌唱を披露した。
声優陣全員による6度目の朗読劇を越えると、ライブはいよいよクライマックスに突入。最終話で火星中のアーティストを集めて歌われた〈奇跡の7分間〉の曲「Mother」が披露される瞬間が、いよいよ訪れる。
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「Mother」が披露【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
物語の中では参加していなかったシベールも含めての6人による「Mother」は圧巻で、観客は総立ちとなってリズムに合わせてクラップし、楽曲のラストではアニメと同じように金色の紙吹雪が場内を舞った。歌い終えると自然に肩を組んだシンガーたちの姿もまた、アニメと同じ光景となった。
ライブのラストを飾ったのは、1クール目のエンディングテーマ「Hold Me Now」だ。軽快なポップソングを6人が笑顔で歌い、2時間半にわたるライブの幕が閉じられた。
ライブが終わると、シンガー、声優合わせて出演者全員が今の気持ちをスピーチ。なかでも「奇跡の3時間弱でした」という上坂すみれのコメントが、この日のライブを見事に言い表していた。
「『キャロル&チューズデイ』3rdLIVE ~Mother~」
2020年1月18日(土)@LINECUBESHIBUYA
アーティスト:キャロル&チューズデイ(Vo.NaiBr.XX&CeleinaAnn) アンジェラ(Vo.Alisa)、クリスタル (Vo.LaurenDyson) ピョートル(Vo.JRPrice)、シベール (Vo.MaikaLoubte)
キャスト:島袋美由利(キャロル役)、市ノ瀬加那(チューズデイ役) 上坂すみれ(アンジェラ役)、大塚明夫(ガス役)
2020年1月18日(土)@LINECUBESHIBUYA
アーティスト:キャロル&チューズデイ(Vo.NaiBr.XX&CeleinaAnn) アンジェラ(Vo.Alisa)、クリスタル (Vo.LaurenDyson) ピョートル(Vo.JRPrice)、シベール (Vo.MaikaLoubte)
キャスト:島袋美由利(キャロル役)、市ノ瀬加那(チューズデイ役) 上坂すみれ(アンジェラ役)、大塚明夫(ガス役)
(C)ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会