荒木哲郎監督×美樹本晴彦、「カバネリ」史上初の共演トーク! オファーの経緯や制作秘話を披露【レポート】 | アニメ!アニメ!

荒木哲郎監督×美樹本晴彦、「カバネリ」史上初の共演トーク! オファーの経緯や制作秘話を披露【レポート】

12月10日、『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』のBlu-ray&DVD発売を記念した上映イベントが新宿ピカデリーにて開催された。

イベント・レポート
『甲鉄城のカバネリ海門決戦』パッケージ発売記念上映イベントの様子
  • 『甲鉄城のカバネリ海門決戦』パッケージ発売記念上映イベントの様子
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12月10日、『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』のBlu-ray&DVD発売を記念した上映イベントが新宿ピカデリーにて開催された。

本作はTVシリーズの続編として作られた劇場用中編作品。海門(うなと)を舞台にした生駒たちの戦いが描かれている。迫力の映像や重厚な物語はもちろん、ED映像など華やかなビジュアルも魅力的だ。


上映後のイベントには荒木哲郎監督と、キャラクター原案を手がけた美樹本晴彦氏が登壇。『カバネリ』史上初共演となる2人のクリエイタートークに注目が集まった。

美樹本晴彦登場に「実在するんだ!」



『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』主題歌「咲かせや咲かせ」をBGMに登壇した荒木監督と美樹本氏。
司会を務める吉田尚記アナウンサー(ニッポン放送)は、初めて生で見る美樹本に「実在するんだ!」と驚きを口にする。

美樹本が過去に手がけた『トップをねらえ!』に影響を受けたと語る荒木監督も、尊敬する美樹本を前に緊張と興奮が入り混じった表情を浮かべていた。

美樹本は「普段引きこもりで表に出ないので」と気さくに返し、和やかなムードでイベントは幕を開けた。

美樹本起用の理由は検索結果?



さっそく『カバネリ』に美樹本を起用した理由を尋ねられた荒木監督。

「時代劇なので、地に足の着いた絵柄の人を探していた。また、ヒロインものなので美少女が魅力的でなければいけない。かつ時代を超えて愛される絵を描けるイラストレーターを脳内で検索したら美樹本さんがヒットした」と語ると、まさかの探し方に会場がどよめいた。

当初はオファーを受けてくれるか心配だった荒木監督だが、美樹本自身は「むしろ俺でいいの?」と思ったそう。

「『DEATH NOTE』や『ギルティクラウン』を見て、絵をとても大切に扱ってくれる監督だと思った。『カバネリ』も企画書の時点で内容が濃く、自分についてよく調べてくれているのが伝わってきた」と、美樹本。感謝の気持ちとともに仕事を引き受けたと語った。

キャラクター原案の舞台裏



キャラクター原案の経緯を尋ねてみると、荒木監督がかなり具体的なイメージを出していたことが判明。

「美樹本さんが過去に手がけた作品を引き合いに、生駒はこのキャラクターっぽく、などリスト化して伝えた」と美樹本ファンならではの発注方法を説明した。

もちろん描きあがったキャラクターを見たときは「本当に美樹本さんの絵が来た!」と現場で大興奮した荒木監督。
「美樹本さんに自分がかかわった作品の画集を出してもらえて夢が叶った」と、嬉しそうな表情を浮かべていた。


しかし美樹本は、「実は出だしで迷走した」と、キャラクター原案が一筋縄ではいかなかったと明かす。

「絵というよりは、求めているキャラクターの方向性や、その捉え方についてのやり取りはしました」と、クリエイターとしても勉強になった点を語った。

指示を出した当人は嫌がられていないか心配そうだったが、「美樹本さんの絵が好き、という軸がぶれなければ大丈夫」と信じて制作に取り組んでいたそうだ。

本作は「無名のアイドル映画」



吉田アナウンサーは本作で描かれる、無名の可愛さに言及。これに対し、「この映画は無名がかわいくなければ意味がない」と相当こだわりを持っていた様子の荒木監督。制作当初から「無名のアイドル映画だと宣言していた」ようで、本作には珠玉のシーンが詰め込まれている。
「ぜひBlu-ray&DVDでくり返し見てほしい」と自信を持って語った。

作画を支えた美樹本作品のアーカイブ



20歳頃にデビューして以来、常に一線を走り続けてきた美樹本。画業40周年を手前に、「作業はアナログ? デジタル?」と吉田アナウンサーから質問が飛ぶ。

本作のBlu-ray&DVDジャケットイラストを含め、近年は線画以外の工程をデジタルで行っている美樹本。生駒のツラヌキ筒など、一部のメカはデジタルでアタリをとっているそうだ。

さらに話題は発展し、作画チームが行った工夫を紹介。美樹本が手がけた過去作から表情集などのアーカイブを作成し、現場で共有していたそうだ。


これには美樹本もびっくり。「ここまで研究してくれたのは『トップをねらえ!』の庵野秀明監督以来」と言うと、荒木監督はすかさず「その『トップをねらえ!』の絵もアーカイブしています」と返す。

吉田アナウンサーは「仏像を彫っている人たちの会話だ」と、美樹本イラストの伝統が受け継がれている現場を的確に表現していた。

かわいい女の子へのこだわり



美樹本といえば、はかなくもかわいらしい美少女イラストの名手。しかし「かわいい女子は好きだけれど、歳とともに熱量を保つのが大変になってきた」と語る。
それでも「田中みな実さんの写真集は予約した」と研究に抜かりがない美樹本。吉田アナウンサーが「俺たちと同じじゃん!」とツッコむと、会場は笑いに包まれた。

さらに荒木監督は、「『カバネリ』で至りたいかわいさや美しさを、美樹本さんの画集で具体的に示せた」と、制作現場でいかに美樹本の作品に助けられたかを語る。
「ほらこのかわいさをごらんなさい。ここに行きたいんだ」とまるで道案内をするときの地図のように使っていたそうだ。

新海誠監督直伝のライカリール



本作のBlu-ray&DVDには、特典として絵コンテをつなげた映像“ライカリール”が収録されている。
現場でイメージをすり合わせるときや、狙い通りの効果が出せているか確認するときに使われた貴重な資料だ。

当時を思い出し、「スタッフから意見をボコボコに言われた」と荒木監督は苦笑い。実は制作にあたって、『天気の子』などを手がけた新海誠監督が関わっているという。

妻が新海監督作品に参加していたことから、「ライカリールを作るためのソフトの使い方を教えてほしい」とお願いした荒木監督。すると新海監督自ら、モニターとプリントを用意して本格的な授業を行ってくれたそうだ。

「だから半分くらい新海さんの手柄なんです」と、荒木監督。新海監督と『カバネリ』の意外なつながりが明らかになった。

最高の自信作



話題は尽きないが、約25分のトークはあっという間に終了時間。
最後に美樹本は「劇場の感動を自宅でも味わってほしい」、荒木監督は「今までの仕事の中で最もよくできた作品。ぜひ多くの人に見てほしい」とメッセージを送り、大盛況の中イベントは幕を閉じた。

◆◆◆
アニメ!アニメ!では、イベント直後に荒木監督と美樹本氏にインタビューを実施。
舞台の上では語り尽くせなかった、美樹本イラストの魅力や制作秘話に迫っている。後日公開する記事をお楽しみに!
《ハシビロコ》
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