大塚明夫×堀内賢雄、口を揃えて「俺のこと嫌いだったと思う」“真逆”だったデビュー当時を振り返る【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

大塚明夫×堀内賢雄、口を揃えて「俺のこと嫌いだったと思う」“真逆”だったデビュー当時を振り返る【インタビュー】

2019年9月に最終回を迎えた『キャロル&チューズデイ』にて、ガス役を努めた大塚明夫さんとダリア役を努めた堀内賢雄さんにインタビュー。前編に引き続き、今回の後編では“声優界”にフォーカスを当て、デビュー当時の思い出話や現在の声優業界についても語っていく。

インタビュー
大塚明夫×堀内賢雄、口を揃えて「俺のこと嫌いだったと思う」“真逆”だったデビュー当時を振り返る【インタビュー】
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■若手声優戦国時代を勝ち抜く要素とは


――そんなおふたりに、今の声優業界についても伺いたいです。大塚さんの著書『声優魂』にも記述がありましたが、最近は声優の人数がかなり増えているそうですね。おふたりは、いつ頃からそう感じるようになりましたか?

大塚:どうだったかな? 10年前ぐらい?

堀内:そのくらいかもね。

大塚:僕らが若いときって、ひとつの作品の中に“新人”と呼ばれる人はそんなにいなかったんですよ。どんなに予算のない番組にいても、(ギャラが安く設定される新人枠は)10人中ふたりいるかどうか。それに比べて今は新人の割合がかなり大きい。

堀内:昔は、声優を使うコンテンツというと、「アニメーション」か「洋画」。“牌”が限られていたのでどこへいっても同じような顔ぶれだったんです。でも今はゲームに限らずいろんなコンテンツがありますからね。

――牌が増えたから、声優も増えたと。

堀内:今は、アニメーションでも主役やメインどころがポンポン変わるのが普通、というくらい声優が多いですからね。
あと、昔はなかなか目が出にくい時代だった。監督がうるさかったんだよね。居残りが当たり前みたいな悪夢のような時代だった。

大塚:トークバック()で「なんでできねぇんだ!」って怒鳴られたり。

※収録スタジオ内で、音響監督などがいるコントロールルームから声優がいる収録ブースへ指示を出すこと。


堀内:「『笑え!』って怒鳴られて笑えるわけないだろ!」みたいな(笑)。

大塚:声が小さいと「何言ってるかわかんねえよ!」って言うのも当たり前だったよね。

堀内:もうね、今の時代からすると育てたいが故のパワハラのオンパレード!


――それを耐え抜かないと芽が出なかったんですね。

堀内:そうですね。現場である程度まで鍛え上げられないと使ってもらえなかった。

大塚:大きい役もできなかったよね。

――とすると、今は専門学校や養成所である程度の技術を身につけられるという面では、良い環境になっているのでしょうか?

大塚:どうなんでしょうね?

堀内:技術としてはみんな上手くなっているけど、声優として生き残れるか? というとまた別問題ですからね。
そもそも声優になりたい人が増えているから、選ばれることのハードルは相当上がっています。

大塚:抜け出すのは大変だと思いますよ。

――では、そんな中から抜け出す人には、なにが備わっていると感じますか?

大塚:個人的な意見ですが、僕がいいなと思うのは、(セリフを)放った対象がきちっと定まっていること。自分の声を聞かずに、まっすぐその対象に向かって放てることかなと思います。そういう人の芝居は思わず聞いちゃいますね。

堀内:僕もそこだと思うなあ。そういう“リズム感”のあるセリフって受けやすいんですよね。会話の一連の流れの中にポンッと入ってくるから。

――セリフというより会話になっていると。

大塚:いい声でしゃべるのではなく、心のなかで紡がれたものがそのままポンと相手に渡る、雑味がない芝居ですね。「あぁ、俺いい声出てるな」って考えていない芝居。それが伸びるんじゃないかなと思います。


――自分の声を聞いてしまう人はダメなんですね。

堀内:これまでいっぱいいましたよ、そういう人は! 「あぁ、自分に酔っているな、この人の目の前には鏡があるんだろうな」みたいな。
それでは伝わならないですよ。僕はダメだと思いますね。

大塚:僕も好きじゃない。声の良い悪いは聞いた人が判断するものであって、放つあなたが判断するものじゃない。

――伝わる芝居とは、どのように作り上げていくものなんでしょう?

大塚相手に集中すればいいんです。自分がどんな声で話しているかなんて、普段考えないですよね? 必要なことを必要なだけ必要な音量で言うだけ。「お茶ちょうだい」なんて、「(いい声で)お茶ちょうだい」って言わないでしょ?

――確かに。

堀内:実は僕、昔それにハマってた時期があるんです(笑)。ウェイター役をしたとき「(いい声で)いらっしゃいませ」とか言っちゃって、監督に「バカヤロウ! 意味持たせんな、そんなところで!」って怒られてしまって(苦笑)。


堀内:芝居の流れを無視したセリフや変なクセはいけないということを、芝居経験豊富な舞台役者たちと切磋琢磨しながらと学習していったんです
今はそんなダメ出しされることもほとんど無くなりましたね。「もっとさわやかな声を出してください」とは言われるんですけど(笑)。

大塚:あとは「もうちょっとハッキリしゃべってください」でしょ? 「聞き取れなかったです。もっと大きな声で」とか(笑)。

堀内:あはは(笑)。

大塚:そういう僕も、「こうしてくれ」「ああしてくれ」って言われるとわからなくなっちゃうんだけどね。

堀内:僕は、自分の中で考えてしまうと「作り過ぎ」って言われてしまうんです。どうしてもいろいろやりたくなっちゃうタイプなので、それを抑えるのが大変なんですよね。ナチュラルに自分の気持ちで言えばよかった。

大塚:我々みたいに長くやっていると、テストで出す一発目のセリフが一番良いらしいんです。
例えば、昨今の劇場版に出演される俳優さんたちがやるときは、何度も何度もやって、何回目かにポコっと出た良いものを使ったりするらしいんですが、僕らは逆で、やればやるほど悪くなる(笑)。

堀内:声を作ったりテクニックや嘘でなんとかしようとしたりすると、まあダメ。若いときはわからなかったんですけどね。


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《松本まゆげ》
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