「このすば」暁なつめ、新作アニメはなぜ“ケモナー×プロレス×異世界転生”? 「旗揚!けものみち」原作者×監督対談 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「このすば」暁なつめ、新作アニメはなぜ“ケモナー×プロレス×異世界転生”? 「旗揚!けものみち」原作者×監督対談

2019年10月より放送スタートするTVアニメ『旗揚!けものみち』より、原作者・暁なつめさんと、三浦和也監督にインタビュー。ケモナー×プロレス×異世界というカオスな香り漂う本作の誕生秘話に迫る!

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『旗揚!けものみち』2019 暁なつめ/まったくモー助/夢唄/KADOKAWA/けものみち製作委員会
  • 『旗揚!けものみち』2019 暁なつめ/まったくモー助/夢唄/KADOKAWA/けものみち製作委員会
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■『このすば』同様“ひどいセリフ”に注目?


――主人公である柴田源蔵に関しても、原作以上に狂気のケモナーとして描かれていた気がします(笑)。

三浦:主人公然としていて欲しかったし、彼が引っ張っていく物語なので、個性は弱めちゃいけないな、と。

――異世界物と言うと、我々が住む世界と異世界の認識のズレがドラマに活かされることが多いですが、源蔵は現実世界でも相当ズレた人ですよね。

三浦:異世界の人たちがツッコミ側に回らざるを得ないところがありますよね。
源蔵は元々会社員だったけれど、そこからプロレスラーへ転向したという裏設定を暁先生に聞いて、良く言えば天才、悪く言えば……社会不適合者なんだな、と(笑)。

:普通の会社で働けない人なので、プロレスでしか生きていけなかったんです。魔獣がいっぱいいる世界に転生して、幸せだったんじゃないでしょうか(笑)。


――本編を拝見したところ、ケモナーマスクこと柴田源蔵を演じる小西克幸さんの声が非常にハマっていました。キャストに関してはどのように選ばれたのでしょうか?

三浦: ひとり中心となる人を配置して、キャスト陣を引っ張っていただきたいと思っていたんです。そのため、源蔵役の配役は作品全体にとっても重要なキーでした。
結果として小西さんはバッチリ演じてくださり、見事に作品そのものまで牽引してくださりました。

――暁先生は実際にキャスト陣の演技を聞かれてみていかがでしたか?

:『このすば』同様、今回も1話からひどいセリフが連発されるので、書いた側としてはキャストのみなさんに申し訳ないなと(笑)。

――主役の小西さんの怪演が光る一方で、本作オリジナルキャラであるレスラーのMAO(マカデミアンオーガ)は、大のプロレスファンである稲田徹さんが演じられている時点で、強烈なキャラになっている予感がしますね。


三浦:プロレス色の強い作品なので、「せっかくなら稲田さんをどこかで起用したいね」と話があがっていたんです。音響監督の亀山俊樹さんとも話して「MAOが良いんじゃない?」となったんですよね。

:稲田さんは『このすば』のアフレコ後の飲み会でもプロレスについて熱弁されていて、本作を書くうえでヒントを受けた部分もあるんですよ。
「ジャーマンスープレックスを行うときはかかとが浮く」とか、素人にはわからない専門知識がどんどん出てくるんです(笑)。


三浦:アフレコでも、台本に書かれたプロレス用語をみて「こっちのほうが良いんじゃないでしょうか?」とマニア視点ならではのアドバイスをしてくれたり、本作のプロレス面を支えてもらっています。

■暁なつめ先生ファンには嬉しいサプライズも?


――アニメオリジナルキャラとして、プロレスラー・MAOを登場させたのはなぜでしょう?

三浦:アニメならプロレスの面白さを映像でより描けるなと思って、プロレスのウェイトを大きくしてみようかなと。

そこで、原作コミックスではシルエットしか描かれてなかったプロレスラーキャラを、設定を膨らませて召喚させることにしました。
ケモノバカの源蔵に対して、MAOは熱血プロレスバカにしようと思ったんです。ただ、源蔵と同様、好きなものへの執着のレベルがちょっとおかしくて、純粋なバカになっているところはあるかも……(笑)。


――源蔵に対抗するには、そのくらい強烈じゃないと負けてしまうかもしれませんね(笑)。ちなみに、三浦監督はもともとプロレスにお詳しかったのでしょうか?

三浦:子どもの頃流行っていたので観てはいましたが、マニアの方ほどではありません。
なので、今回協力していただいた団体「DDTプロレスリング」さんの試合を見に行かせてもらうなどして、改めて勉強していきました。

――プロレスは実在する競技である以上、描写するうえで嘘をつけない難しさがあったのでは?

三浦:そうですね。よく言われることですが、SFやファンタジーなら自由に演出できる場面でも、プロレスの場合はリアリティを損なうとウソに見えてしまう。バランスをとるのが難しかったです。

とはいえ、本作ははっちゃけた部分も魅力なので、シーンによって、楽しさとリアルさのどちらを重視するか、切り替えつつやっていますね。


:マンガでも、画的に映えそうだからという理由で、源蔵の得意技をジャーマンスープレックスにしましたからね。

三浦:そもそも、厳密に考えると、プロレスラーが異世界で魔獣と戦うとしても、プロレス技ではなく普通の格闘技で挑んでしまう可能性があるんですよね。でも、せっかくプロレスが出る作品なんだから、それはもったいないなと。

:あと、あえて避けずに技を食らう「受けの美学」はプロレスならではの魅力なので、本作でもきっちり描かれています。プロレスを扱った作品だと、外してはいけない要素ですね。

三浦:そうですね。プロレスについて調べていくなかで、昔読んでいたマンガ『1・2の三四郎』でもそういう描写があったな、と懐かしくなったりして(笑)。
一見真面目ではない作品だからこそ、そういうプロレスの面白さからは逃げずに、正面から描いていくことにしました。


――今後の展開を観るのを楽しみにしております。では最後に本作の見どころを一つずつアピールしていただけると!

三浦:とにかく、ドタバタ劇を軽い気持ちで楽しんでいただきたいですね。その後、プロレスシーンのディテールの部分など、深い部分にも興味を持っていただければ嬉しいです。

:アニメオリジナルの展開が多いので、原作を既読の方も、新鮮な感覚で観られるのではないでしょうか。僕自身、打ち合わせ段階から、視聴者目線で楽しみでした(笑)。
ぜひ、動く柴田源蔵をその目で見て、その狂気を記憶に焼き付けていただきたいです!

三浦:そして、詳細は伏せますが……暁先生のファンの方々にはうれしいサプライズも用意してあります。

:アフレコ収録を見学させていただいたんですが、キャスト表を見て驚きました(笑)。

三浦:目を皿にして見れば、きっと1回の視聴で気付けるはずです。ぜひ、ディテールの部分まで注目してみてください!
《山田幸彦》
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