■予想のはるかうえを行く!? 宮野真守のピーター・パーカー
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――演じるマイルスには、どのような印象を持ちましたか?
小野
マイルスは虚勢を張ったり、調子に乗っている部分があったりと、本当に“普通の”中学生。
スパイダーマンになる能力を得たにもかかわらず、最初は「なりたい」とは思っていなくて、むしろ嫌がっていたほど。確かに、急にヒーローになれって言われても、自分にできるかどうか不安になりますよね(笑)。
「ヒーローになる」ということを一度拒否する様子に、すごく人間味のあるキャラクターだなという印象を持ちました。
また、吹き替えるうえで一番大事にしたのが、見ている人が応援したくなるようなキャラクターにするということ。
実際、自分が作品を見て最初に思ったことが「応援したくなるキャラだな」だったので、それは崩さずにいこうと演じましたね。
――今回のマイルスのスパイダーマンは、みんなが知っているスパイダーマンとは、そういった性格の他に、スーツにも違いがありますよね。
小野
あの赤黒のスーツ、すごくカッコいいですよね!
ペンキな感じも、ストリートっぽくてすごくオシャレ。舞台がニューヨークなので、そのカルチャーを感じさせるデザインで、とても気に入っています。
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――完成した作品をご覧になられて、自身が演じているスパイダーマンはいかがでしたか?
小野
自分が出ている作品って、いつも「もうちょっとこうした方が良かったかな」と反省しながら見ているのですが、今回はただただ作品が面白過ぎて、自分が演じたということを忘れて見入ってしまいました(笑)。
「こんな素晴らしい作品に関われたんだなぁ……」と感動したと同時に、本当に光栄に思いましたね。
――本作では、マイルス以外にも多種多彩なスパイダーマンが多数登場します。ズバリ、お気に入りのキャラクターは?
小野
(スパイダーマン・)ノワールが本当にカッコいい!
吹き替えが大塚明夫さんってところもズルいですよね。「渋っ!」って思いました(笑)。
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――従来の主人公であるピーター・パーカーを演じたのが、宮野真守さん。『スパイダーマン』ファンとして、宮野さん演じるパーカーはいかがでしたか?
小野
実はマモさんとは収録が別だったので、「どんな風に演じるのかな?」と想像を膨らませていました。
実際に完成したものを見てみて、予想通りだった部分もあったのですが、「こんな演じ方をするのか!」と予想のはるか上をいっていたところもあって、驚かされました。
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小野
マモさんの演技はポップで、見ていてすごく楽しめました。
それだけじゃなく、マイルスに情を感じ始めた瞬間だったり、諭すシーンだったり、表情だけではわからないピーターの優しさもマモさんの演技から伝わってきて、より一層魅力的なキャラクターになっていたと思います。
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