すでに公開済みの海外では非常に評価が高く、世界興行収入が3億ドルを突破するほどの人気ぶり。
さらには、第91回アカデミー賞で長編アニメーション賞映画賞に輝いたことも記憶に新しい。
そんな前評判の高さを信じて、読者のみなさんにはダッシュで劇場に駆け込んでいただきたいところだが、スパイダーマンといえば誕生から50年以上が経過しているキャラクターだ。
その最新作ゆえに、本作も非常に情報量の多い内容に仕上がっている。
前知識無しでも充分楽しめる本作だが、本稿では知っていればさらに楽しめるように『スパイダーバース』の作品背景や豆知識を紹介! これから映画を観る方々の“予習編”としていただければ幸いだ。
■『スパイダーバース』の世界観
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異次元との扉を開く実験がきっかけで、スパイダーマンたちがマイルスのいる次元に集結するという内容の本作だが、「なぜ複数のスパイダーマンが存在するのか?」と疑問に思った方も多いだろう。
そもそも、彼らが暮らすマーベルコミックの世界は、それぞれが多元宇宙(マルチバース)のひとつということになっている。
『アイアンマン』に始まり、現在も進行中の映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース」の世界ならばEarth-199999……という風に、マーベル作品の世界には常に無数の平行世界が存在し、その中で様々なスパイダーマンが活動しているのだ。
ちなみに、マーベルコミックにおいては、本作の原案とみられる一大イベント『スパイダーバース』が2014年、2015年にかけて展開されていた。
こちらは登場キャラクターやマルチバースなどの基本部分に共通点はあるものの、ストーリーや設定は大きく異なり、映画との関連性は薄い。
そのため観るにあたって予習をする必要はないのだが、コミック内で描かれる総勢96名ものスパイダーマンの活躍は圧巻の一言! 邦訳版も刊行されているため、本作を観て興味を持った方にはぜひ読んでいただきたいところ。
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