それにちなんで、10年前の同じ時期にどういったタイトルが放送されていたかについて振り返る本企画シリーズ。今期も続々と最終回の放送を終えているなか、今回は2008年秋のTVアニメをピックアップしていく。
『イナズマイレブン フットボールフロンティア編』
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部員わずか7人の弱小クラブである雷門中サッカー部は、熱血キャプテンの円堂守以外はだらだら過ごすだけの毎日を送っている。そんな雷門中に、強豪の帝国学園から試合の申し込みが飛び込んだ。サッカー部の存続もかかるその試合を実現させたい円堂は、ひとり練習に励むなかで“伝説のストライカー”豪炎寺修也と出会う。
『妖怪ウォッチ』などでも知られるレベルファイブが、ゲーム・アニメ・マンガをほぼ同時期にメディアミックス展開した作品。“超次元サッカー”と銘打つ超人的な必殺技の数々が目を引くとともに、弱小チームが勝ち上がっていくスポ根ストーリーが熱い。
『喰霊-零-』
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退魔師として厳しく育てられた土宮神楽は、親を亡くしたことから分家筋にあたる諫山家に引き取られ、その養女である諫山黄泉と知り合った。姉妹同然の関係となったふたりは、やがてともに「超災対策室」こと環境省・自然環境局・超自然災害対策室所属のエージェントになり、霊的現象の解決へと身を投じていく。
原作は「少年エース」で2005年から2010年にかけて連載されたノンストップ放課後退魔アクション。『-零-』が冠されたTVアニメはその前日譚にあたり、第1話から驚きの仕掛けが待ち受ける。
『かんなぎ』
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美術部員の高校1年生・御厨仁が木彫りの精霊像を作り終えると、その精霊像が突然顕現し、なんと女の子になってしまった。「産土神」を自称するその少女……ナギは、土地の神木が切り倒されてしまったために出現する「ケガレ」を祓うことを使命としているらしく、なし崩し的に仁の家で暮らすことに。こうして高飛車だが子供っぽい自称神様が巻き起こす、お茶の間感覚の伝奇ストーリーがはじまった。
原作は「月刊ComicREX」にて、休載を挟みつつ2006年から2017年にかけて連載されたマンガ。OPアニメは1980年代のアイドルを彷彿とさせるような仕上がりで、ナギ役の声優・戸松遥が歌唱したOPテーマ「motto☆派手にね!」はオリコン週間シングルチャートでトップ10入りを果たす注目を集めた。
『黒執事』
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19世紀後半、ヴィクトリア朝時代の英国。名門貴族・ファントムハイヴ家のセバスチャンは、知識・教養・品位・料理・武術などの全てにおいて完璧なスーパー執事である。12歳のわがままな主人・シエルの命令を涼しい顔でなんなくこなすセバスチャンは、漆黒の燕尾服姿でこううそぶくのだ。「あくまで、執事ですから」と。
原作は「月刊Gファンタジー」にて2006年から連載中のダークファンタジー。一筋縄ではいかない主従関係を筆頭にクールかつミステリアスな空気感が基調となっているが、暗くなり過ぎないコメディチックな掛け合いも見どころ。毎回のスイーツ紹介も楽しい。
『天体戦士サンレッド』
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神奈川県川崎市高津区溝の口。ご当地のヒーロー・天体戦士サンレッドは、世界征服を狙う悪の組織・フロシャイムの怪人たちと戦いを繰り広げている……わけではなく、恋人の“アレ”として自堕落に生活している。劇中ではそんな彼が「理想の上司」と慕われる人格者のヴァンプ将軍たちと、ときにほのぼの、ときに世知辛く、ときにシュールに触れ合っていく。
原作は「ヤングガンガン」にて2004年から2015年にかけて連載されたギャグマンガ。当時ブレイク中だったお笑いコンビ「髭男爵」も声優出演しており、プレスコ収録による軽妙な掛け合いを披露する。また繰り返し見てしまう中毒性の高さから、ニコニコ動画でも抜群の人気を誇った。
『とある魔術の禁書目録』
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超能力が科学によって解明された世界。その超能力開発に取り組む学園都市において、あらゆる異能を打ち消す「幻想殺し」を宿した高校生・上条当麻は、落第寸前の無能力者として不幸な日々を送っている。そんな彼のもとにある日、純白のシスター・インデックスが空から降ってきた。科学と相反する魔術の世界から逃げてきたという彼女との出会いをきっかけに、上条は両サイドに関係するさまざまな事件へと巻き込まれていく。
原作は「電撃文庫」より2004年から刊行中のライトノベルシリーズ。“少年マンガ的”なストレートかつ痛快な展開が持ち味で、どんな敵であろうと右手のみで立ち向かい熱く語りかける上条は、ファンから「上条さん」「話術サイド」などと評される人気ぶり。2018年10月より、待望の第3期『とある魔術の禁書目録III』が放送されている。
『とらドラ!』
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生まれつきの鋭い目つきで周囲に不良だと勘違いされている高須竜児は、高校2年生の新クラスでひとりの少女に出会う。彼女……逢坂大河は、超ミニマムサイズな美少女でありながら、ワガママで短気な振る舞いから通称“手乗りタイガー”と呼ばれていた。そして放課後、竜児は誰もいない教室で“手乗りタイガー”のある一面を知ったことをきっかけに、彼女と恋の共同戦線を張る仲になっていく。
原作は「電撃文庫」より2006年から2009年にかけて刊行された“超弩級のハイテンション学園ラブコメディー”。丁寧かつ繊細な感情描写と巧みなシリーズ構成で、毎話ごとに視聴者をやきもきとさせた。「プレパレード」「オレンジ」など声優陣が歌唱した楽曲の人気も高い。
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