■「ルパン三世」は完成された大人たちのチーム――歴史あるシリーズなので、最初に触れた『ルパン三世』もそれぞれ違うと思います。皆さんの原体験はいかがたか?水瀬いのり(以下、水瀬)私は作品ではなく音楽が最初で、運動会の入場曲に使われていたんです。アニメを見ていなくても『ルパン三世』の楽曲ということは分かっていました。世代的にテレビシリーズには触れてこなかったのですが、金曜ロードショーで『ルパン三世 カリオストロの城』(以下、『カリオストロの城』)を見た記憶があります。なので劇場版やテレビスペシャルの印象が強いですね。島﨑僕も『カリオストロの城』です。一番記憶に残ってるのは、あの有名な、銭形があなたの心です」と告げるシーン。それもあって今回、銭形の部下を演じさせていただくことはとても感慨深いです。津田僕は小学生の頃、学校から帰ってテレビを付けたら、TVシリーズPART2『ルパン三世』の再放送がよく流れていたんです。その後も映画も見たりしましたが、やっぱりあの赤ジャケットの印象が強いですね。同世代の浄園祐プロデューサーと、「家帰ってテレビ付けたらやってましたよね~」って同じような話をしました(笑)。――触れたシリーズよっても変わってくるかと思いますが、ルパンに対してはどんな印象をお持ちでしたか?。水瀬ポップな怪盗という印象です。「泥棒」というと悪くて怖いイメージを想像するけれど、ルパンは悪く見えないというか。銭形が追っかけているシーンを見ると「捕まってほしくないな」って。当時子どもだったこともあって、善と悪がよく分からなくなりました(笑)。島﨑子どもの時期に触れる作品って、少年の成長物語が多いと思うんですが、『ルパン三世』はプロフェッショナルな大人のチームの物語なんですよね。ユーモアに溢れつつも、決めるところは決めるカッコよさ。なおかつ無駄を楽しむゆとりもあって、人生を謳歌している。とてもロマンにあふれた、素敵な怪盗です。とくに大人になって見てみると、改めてその良さが分かります。津田もう全部言われちゃった感じですね(笑)。ルパンはひょうきんなあんちゃんっていう感じでしょうか。シリアスなシーンではカッコ良いけれど、不二子ちゃんに騙されたり多面的なキャラクターでつかみどころのない良さがありますよね。しかも追い込まれれば追い込まれるほど明るくなって、カッコいい。でも小学校の時見ていた赤ジャケットのルパンは、割と人間らしさがあって、生っぽかったという印象がありますね。――「PART2」は他のシリーズに比べると、どこか身近な雰囲気がありますよね。津田そうですね。それぞれのシリーズでルパンのイメージも違って、そういう意味でも多面的ですし、余裕のある大人なので……そこが魅力的ですよね。かっこいい大人です。僕よりはるかに年下だと思いますけど(笑)。■思い出の作品はやっぱり『カリオストロの城』――続いて、みなさんのお気に入りの作品やキャラクターも教えてください。水瀬何度も見たって言うのもあるんですけど、やっぱり『カリオストロの城』ですね。終盤でルパンが時計塔に逃げ込んだ時に、内部のぜんまい仕掛けのところで絶対に助かりそうにない状況でも、 コミカルにかわしていって……おバカっぽいところとシリアスのギャップが魅力的でした。ルパンはおちゃらけてるイメージだったんですけど、この作品は引き際が大人。そこでイメージがガラリと変わりました。――となると、水瀬さんは好きなキャラクターはルパンになりますか?水瀬うーん……。でも、『カリオストロの城』を見た時、潜入して突然テレビ中継のレポーターをしはじめた不二子ちゃんにもびっくりしたんです。変装スキルもなんですけど、潜入したり戦ったり、時には敵になったり、味方になったりするところも魅力的なんですよね。なので不二子ちゃんも好きです。 ――島﨑さんはどうでしょうか?さきほど『カリオストロの城』についても話されていましたが……。島﨑『カリオストロの城』の銭形のシーンが印象に残っているので……。銭形は敵ってわけではないし、ストーリーによってはルパンに協力に協力したりする。自分の正義を貫いて素敵だなと思います。銭形の魅力って、あの最後の台詞に全てつまってるんですよね。改めてすごい台詞だなって思います。――本当にその通りで、ルパンだけでなく、銭形の人柄やルパンへの信頼感が垣間見える素敵なセリフですよね。島﨑でも、子どもの頃は五エ門が好きだったんです。「刀を使って強い」というのは分かりやすいカッコよさ。けど、意外とひょうきんなところもあるんですよね。昔テレビスペシャルの『ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎』で全然斬れない箱があって、五エ門が嘆いてたんですけど、最後にポン、と簡単に開いて「きれたーーー!」と喜んでたんです。水瀬かわいい(笑)。島﨑ですよね(笑)。具体的にどういう話だったかは、子どもの頃の記憶だったのであいまいですが、そのシーンが今すぐに思い出せたって事は、よほど印象に残ってたんだと思います。カッコいいシーンももちろんですけど、やっぱおちゃめなところというか、ちょっとカッコ悪かったり情けなかったりするところも含めて五エ門が好きでした。子どもにそう思わせることも、すごい素敵なことだなって思います。――『カリオストロの城』が続きましたが……津田さんはいかがでしょう?津田僕もやっぱり『カリオストロの城』ですかね。やはり見ている回数が多いのもあるんですけど、ルパンがクラリスの元へ行って、お花を出しながら「今はこれが精一杯」というシーン。緊張しているクラリスを、ユーモアでやわらげてあげるところに、「めちゃくちゃカッコいいじゃん!」と思って。すごく素敵なシーンですよね。――あのシーンは本当にルパンが大人でかっこいいですよね……。津田あと、ちょっと話はそれますが、テレビシリーズのアイキャッチが好きです。車に飛び乗ったらハンドルが取れて「あり?」となったり遊びココロにあふれていて。――となると、津田さんはルパン派でしょうか?津田そうですね、僕はルパン推しです。もちろん五エ門、次元、銭形も不二子ちゃんも他のキャラクターも好きだし、魅力的なんですけど……やっぱりルパンですね~。――ありがとうございます。では最後に今後の注目ポイントをお願いします。水瀬『ルパン三世 PART5』は、すごく現代的な世界が舞台で、そういう戦い方もあるんだ!っていう驚きも描かれている作品になっています。初めて見ていただいても共感する部分があるだろうし、長年愛してくださってる人にとっても新しい『ルパン三世』になるんじゃないかなと。なのでこのシリーズからという人も、歴代のシリーズずっと見ている方も、引き続き楽しんでいただきたいなと思います。島﨑僕たちが演じる新キャラクターたちもいますけど、これまでの『ルパン三世』に敬意を持って大切に作られている作品です。その中でルパンと不二子の関係に切り込んでいったり、ルパン自身の変化を描いたりとか、リスペクトや挑戦もしていて、いろんなユーモアがふんだんに詰め込まれたテレビシリーズになっています。自分たちも毎週続きが気になる面白いものになっておりますので、ご覧いただければ幸いです。津田水瀬さん演じるアミ筆頭に、現代的なネット空間を生かしつつ、オールドな今までのルパンの世界を活かしているのが今回の『ルパン三世』です。そうした要素がうまくストーリーに織り込められていて、面白いキャラもいっぱい出てきて、ルパン知らない人でも楽しめるようになっています。もちろん今までのファンの皆さんの期待にも沿えるものになっていると思いますので、ぜひぜひ引き続きご覧いただければと思います。――ありがとうございました!三名の演じられるキャラクターの話も気になるところだが、それについては8話放送後にさらなるインタビュー記事を公開予定。引き続き『ルパン三世』を楽しみながら、お待ちください!
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